執筆: Leverages Global編集部 (ライター)
介護の人手不足が長期化している現状において、「現場が回らない」「採用してもなかなか定着しない」と悩む施設は多いのではないでしょうか。人手不足が解消しない理由を把握・整理すれば、打てる手はまだ残されています。
この記事では、最新の公的データで介護分野の人手不足の現状を確認したうえで、5つの原因と施設が取り組める解決策、外国人材の受け入れという選択肢を分かりやすく解説します。
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目次
この記事のまとめ
- 介護の人手不足は、増え続ける需要に対して人材確保が追いつかない構造的課題が大きく、今後も長期化が予想される
- 2040年度には必要な介護職員数が約272万人に達し、2022年度を基準として約57万人の増員が求められている深刻な状況
- 原因は賃金水準の低さや心身の負担、人間関係にあり、離職の連鎖やサービスの質低下を招く恐れがある
- 介護職員の処遇改善やテクノロジーの活用に加え、外国人材の受け入れなど多角的な対策を講じることで体制を立て直せる
介護の人手不足の現状|最新データで見る深刻度
介護の人手不足は、現場の感覚だけでなく公的な統計にもはっきりと表れています。厚生労働省の推計では、2040年度に必要な介護職員は約272万人にのぼり、2022年度時点の職員数との差は約57万人に達する見込みです。
ここでは、介護の人手不足がどれくらい深刻なのかを、需給ギャップ・現場の不足感・有効求人倍率・経営への影響という4つの角度から確認していきます。
介護職員は2040年度に約57万人不足
介護の人手不足を数字で示すと、2040年度は約57万人が不足する見通しです。厚生労働省が公表した「介護人材確保の現状について」の推計によれば、2040年度に必要とされる介護職員数は約272万人。これに対し、2022年度時点での職員数は約215万人にとどまっています。
中間地点となる2026年度には約240万人の必要数が見込まれており、単純計算で年間およそ6万人のペースで増員し続けなければなりません。とはいえ、15~64歳の生産年齢人口が縮小局面にある現状、これだけの人数を毎年確保するのは容易ではないでしょう。
つまり、介護の人手不足は一時的な採用難ではなく、需要と供給のギャップが構造的に開いていくことが課題です。だからこそ、人員を確保するための採用活動だけに頼らず、職員の定着や業務効率化といった複数の対策を組み合わせていく必要があります。
参照元:厚生労働省「介護人材確保の現状について」(p.5)
人手不足の理由は「採用が困難」が約9割
実際の現場では、人材が確保できない理由がはっきりしています。厚生労働省の「介護人材確保の現状について」によると、従業員が不足していると回答した事業所のうち、その理由として「採用が困難である」を挙げた割合は86.6%にのぼりました。離職が増えているというより、そもそも応募が集まらないことが不足の主因になっています。職種別では訪問介護員の不足感が特に強く、施設系より人材確保のハードルが高い状況です。
「自施設だけで起きている問題なのでは」と感じている採用担当者の方もいるかもしれません。しかし、数字を見る限り、人手不足は介護業界全体の共通課題といえます。まずは自施設の状況を業界平均と照らし合わせ、どのような手を打つべきか冷静に見極めることが大切です。
有効求人倍率は全職業平均の3倍超
採用の難しさは、有効求人倍率にも表れています。厚生労働省の「介護人材確保の現状について」によると、2025年9月時点の介護関係職種の有効求人倍率は全国平均で4.02倍でした。全職業の平均が1.10倍であることを踏まえるとこの数値は非常に高く、1人の求職者を4社で取り合っているような状態です。
さらに、地域による差も見逃せません。同資料では、都道府県別の有効求人倍率が最も高い東京都で8.73倍に達しています。人口集中による膨大な介護需要に対し、他産業との競合などにより人材供給が追いついていないことが、都市部における倍率高騰の要因となっています。
人手不足が深刻な職業は介護分野に限りません。業界全体の傾向は「人手不足の職業ランキングを紹介!働き手が不足する要因と対策を徹底解説」の記事にまとめているので、ぜひご覧ください。
介護事業者の倒産は過去最多の176件
人手不足は、事業の継続そのものにも影響し始めています。東京商工リサーチの調査「2025年『老人福祉・介護事業』倒産動向」では、2025年の介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産は176件となり、2年連続で過去最多を更新しました。なかでも、訪問介護が91件と突出しています。
倒産の原因として最も多いのは売上不振(販売不振)ですが、その背景にあるのは、介護人材を確保できないことによりサービスを提供し切れず、結果的に利用率が落ち込み採算が悪化してしまうという事情です。人手不足は「働く人が足りない」問題であると同時に「サービスを受け入れられる利用者が減る」という経営課題でもあります。
裏を返せば、人材の確保と定着に向けて手立てを講じている施設ほど、稼働率を保ちやすくなっているといえるでしょう。次項では、こうした数字がありながら「介護の人手不足は嘘ではないか」と語られる理由を整理します。

外国人介護人材の受け入れの現状を紹介!メリット・課題や施設側の準備も解説
参照元:
厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
東京商工リサーチ「2025年『介護事業者』倒産 過去最多の176件 『訪問介護』の倒産が突出、認知症GHも増加」
介護の人手不足は嘘?当たり前と言われる理由
「介護の人手不足は嘘ではないか」「もはや当たり前で、騒ぐことではない」といった声を耳にしたことがある方もいるでしょう。こうした受け止め方が生まれる背景には、介護職員数そのものは長期的に増えてきたという事実があります。
ここでは、統計が示す実態と現場の体感にずれが生まれる理由を、職員数の推移と地域差という2つの側面から見ていきましょう。
職員数は増えているのに不足感が続く
厚生労働省の「介護人材確保の現状について」によると、介護職員数は2000年度の約54.9万人から2022年度には約215万人まで増えました。20年あまりで約4倍という伸びで、この点だけを見れば「人手不足は嘘」と感じても不思議ではありません。
しかし、要介護(要支援)認定者数は2000年度の約244万人から2023年度には約705万人へと増加しています。加えて、直近では職員数の伸びが止まり、2023年度は約212万人と前年度を下回りました。増加する需要に対して、供給側である介護職員数が頭打ちになりつつあるのが現状です。
つまり、人手不足は数字の誇張ではなく、需要の増加と職員数の停滞が同時に起きている結果だといえます。この構造を理解しておくと「採用活動を頑張れば解決する」という考えから一歩進んだ対策を検討しやすくなるでしょう。
深刻度は地域とサービス種別で異なる
「介護の人手不足は当たり前」という言葉で片づけられないのは、深刻さの度合いが施設ごとに大きく異なるためです。先述したように、介護関係職種の有効求人倍率は全国平均で4.02倍ですが、地域によって2倍台から8倍台まで幅があります。同じ都道府県内でも、交通の便や周辺の施設数が採用のしやすさに影響しているようです。求人を出せば比較的応募が集まりやすい地域と、1年間ほとんど応募がないこともあり得る地域が、同じ業界のなかに併存しています。
サービス種別による差も特徴的です。「従業員が不足している」と答えた事業所のなかでも、訪問介護員の不足感は特に強く出ています。訪問系サービスは移動を伴い、職員一人で利用者宅を訪れて業務を行うため、施設系と比べて人材の確保と育成の両面でハードルが高くなりやすい傾向です。
介護業界における自施設の立ち位置や離職率、欠員数を把握し、地域の求人倍率やサービス種別ごとの不足感といった外部データと並べてみてください。優先的に取り組むべき課題が見えてきます。

外国人介護士の受け入れで人手不足の解消へ!雇用の現状や在留資格を解説
参照元:厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
介護で人手不足が起こる5つの原因
介護の人手不足問題は、社会構造に由来する要因と、職場環境に起因する課題が複雑に絡み合っています。前者をすぐに変えることは困難ですが、後者は施設の取り組みで改善できる余地があるはずです。
ここでは、介護職の人手不足が起こる原因を5つに分けて解説します。自施設に当てはまるものがないか確認しながら読み進めてみてください。
少子高齢化で介護需要が増えている
最も大きな原因は、介護を必要とする人が増え続けていることです。先述のとおり、要介護(要支援)認定者数は2023年度時点で約705万人まで増加しました。加えて、第1次ベビーブーム期に生まれた「団塊の世代」が2025年をもって全員75歳以上となったことで、サービス利用量は今後さらに伸びていくと予想されるでしょう。
一方で、支え手となる15〜64歳の生産年齢人口は減少し続けているのが実情です。厚生労働省の「人口の推移、人口構造の変化」では、2040年の生産年齢人口の割合は55%まで下がると推計されています。介護の需要は増えるものの供給側の母数が減るという構図が、介護の人手不足を長期化させているのです。
参照元:厚生労働省「我が国の人口について」
この社会構造は、一施設の努力で解消できるものではありません。だからこそ、限られた人材で質の高いサービスを提供できる運営体制づくりと、これまで採用対象としてこなかった層へのアプローチが重要となります。
賃金や待遇が他産業より低い
賃金水準や待遇の低さは、介護職の人手不足を語るうえで避けて通れない原因です。近年、処遇改善加算の拡充によって介護職員の給与は以前より改善されているものの、ほかの産業と比較すると依然として埋めるべきギャップが存在します。
求職者は、他業種の条件とも見比べながら応募を決めるのが一般的です。そのため、同じ地域の異なる業種の求人と比較された際、選ばれやすい条件や環境を整えているかが採用の競争力を大きく左右します。実際に、厚生労働省の「介護人材確保の現状について」でも、採用に効果があった方策として最も多く挙げられたのは賃金水準の向上(22.5%)でした。
「介護報酬」という制度上の制約があるなかでも、加算の取得状況や賃金を見直すなど、採用と定着率アップの両方に有効な方法を検討することが重要です。まずは、自施設で取得できていない加算がないかを改めて確認してみましょう。
身体的・精神的な負担が大きい
介護の現場では、移乗や入浴介助といった身体に負担のかかる業務が日常的に発生します。夜勤を含む交代勤務に従事する場合もあるため、生活リズムを保ちにくいと感じる職員も少なくありません。
また、精神的な負担も見過ごせない要素の一つです。利用者やその家族との関わりのなかで気を配る場面が多いほか、細かい記録や報告といった事務作業も積み重なります。人員に余裕がない職場ほど一人あたりの業務量が増え、身体的・精神的な負担がさらに大きくなるという悪循環が生まれてしまいます。
負担の大きさは、介護ロボットやICTの導入、業務の分担・効率の見直しによって軽減できる部分があります。すべてを一度に変えることは難しいため、記録業務のデジタル化など着手しやすい領域から始めてみましょう。
職場の人間関係で離職が起きやすい
離職の理由として、賃金と並んで多く挙げられるのが職場の人間関係です。介護の現場では、職員同士に加えて利用者やその家族、医療機関など多くの人と関わります。関わる相手が多いぶん、価値観の違いによるすれ違いも起こりやすくなります。
人間関係の問題は、当事者だけで解決するのはなかなか難しいでしょう。「相談できる窓口がない」「シフトが固定されて特定の組み合わせが続く」といった状況では、小さな不満が離職につながりかねません。メンター制度を導入したり、人員に余裕をもたせてシフトを回したりすることで、人間関係のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

人手不足の原因と6つの解決策|深刻な業界で外国人雇用が進む理由
介護職へのネガティブなイメージが強い
「きつい」「給与が低い」といった介護職に対するネガティブなイメージが先行し、そもそも応募につながらないという課題もあります。厚生労働省が介護のしごと魅力発信等事業を継続して実施しているのも、こうしたイメージと実態のずれが人材確保の障壁になっているという認識があるためです。求職者が抱くイメージと、現場で働く職員の実感は必ずしも一致していません。このギャップを埋められないままだと、採用活動の入り口で候補者を逃し続けてしまうことになります。
求人票や施設のWebサイトで、職員のリアルな声や1日の流れ、資格取得支援の内容などを具体的に伝えるだけでも、求職者に与える印象を変えることが可能です。もちろん誇張表現や虚偽の内容を記載してはいけませんが、少しでも興味をもってもらえるよう前向きな内容でアピールしてみましょう。

誠実なケアで指名も獲得。外国人採用で生まれる、新たな交流と活気
参照元:
厚生労働省「我が国の人口について」
厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
厚生労働省「介護人材確保に向けた取組」
介護の人手不足が続くとどうなる
人手不足が慢性化すると、影響は現場の忙しさにとどまりません。職員の離職やサービスの質の低下、経営難へと段階的に広がっていきます。
ここでは、介護現場で人手不足を放置した場合に起こりやすい3つの変化についてチェックしてみましょう。いずれも、早い段階で気づけば手を打てるものばかりです。
職員の負担が増えて離職が連鎖する
欠員が出ると、その分の業務は残った職員が引き受けることになります。夜勤の回数が増えたり休みを取りにくくなったりして、一人あたりの負担は着実に重くなっていくでしょう。負担が増えれば、さらに離職者が出る可能性が高まります。一人の退職が次の退職を呼ぶ連鎖は、多くの施設が経験している現象です。
この連鎖を止めるには、欠員が出てから採用を始めるのではなく、日頃から特定の職員に負担が偏っていないかを確認するようにしましょう。厚生労働省の「介護人材確保の現状について」によると、早期離職防止・定着促進に効果のある方策として、最も多かった回答が「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」となっています。シフトの組み方や業務の割り振りを見直すだけでも、定着率アップに期待できるでしょう。
サービスの質低下や事故のリスク
人員に余裕がない状態が続くと、利用者一人ひとりに向き合う時間を確保しにくくなります。見守りや移乗介助のように複数人での対応が望ましい場面でも、限られた人数で対応せざるを得ないことがあるでしょう。
こうした状況は、食事の誤嚥や転倒などの事故リスクを高める要因になります。万が一事故が発生して利用者やその家族からの信頼が揺らいでしまうと、新規の利用申し込みだけでなく、施設の評判を通じて採用活動にも影響が及びます。
サービスの質を保つためには、人員配置の見直しに加えて、記録や情報共有の仕組みを整える工夫が欠かせません。テクノロジーを活用して職員が申し送りにかかる時間を削減し、そのぶんケアそのものに時間を割ける環境を作ることが、結果的にさまざまなリスクの低減につながります。
利用者の受け入れ制限や閉鎖に至る
人手不足がさらに進むと、受け入れ人数を制限せざるを得なくなります。ベッドが空いていても対応できる職員がいないため新規受付を停止する、訪問介護の依頼を断るといった判断は、実際に一定数の事業所で起きているのが現状です。
受け入れ数を制限すればするほど施設の収入が減り、経営は苦しくなります。この構図は、先述した2025年の介護事業者の倒産が176件と過去最多を更新した背景にもつながるものです。介護現場の人手不足は、最終的に事業所の閉鎖という形で地域の介護提供体制にも影響を及ぼします。
利用数の維持または増加を目指しつつ、安定して経営していくためには、介護職員を増やし一定水準のサービスを継続的に提供できる体制づくりが欠かせません。

初めての外国人採用から始まった、現場の連携と受入れ体制づくり
参照元:厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
介護の人手不足の解決策5つ|施設ができる対策
介護の人手不足の解決策は、「入ってくる人を増やす」施策と「辞める人を減らす」施策の両輪で考えると整理しやすくなります。どちらか一方だけでは職員が定着せず、慢性的な人手不足という負のスパイラルからはなかなか抜け出せません。
ここでは、施設が自ら着手できる対策を5つ紹介します。すべてを同時に進めることは難しいため、自施設の課題に近いものから実施を検討してみてください。
処遇改善加算を活用し賃金を上げる
賃金の引き上げは、採用と定着の双方に効果が見込まれる対策です。厚生労働省の「介護人材確保の現状について」でも、採用に効果があった方策と早期離職防止・定着促進に効果のある方策の両方において、賃金水準の向上が重要な効果を果たしているのが分かります。
職員の賃金改善に活用できるのが、介護分野に導入されている「介護職員等処遇改善加算」制度です。処遇改善加算とは、福祉・介護職員の賃金引き上げや働きやすい職場環境の整備を行う事業所に対して、国が介護報酬を上乗せ支給する制度のことを指します。加算には複数の区分(ランク)があり、クリアした要件に応じてより上位の加算を取得できる仕組みです。2026年6月には対象職員・サービスや加算率が拡充され、介護職員以外の看護職・リハビリ職・ケアマネジャーなど、幅広い職種が対象となりました。すでに取得している施設も、厚生労働省のWebサイトで上位区分に移行できないかを確認しておきましょう。
注意したいのは、賃上げの原資と持続性です。加算の取得によって一時的に引き上げても、算定要件を維持できなければ元に戻ってしまいます。要件と運用体制をセットで設計することが大切です。
ICTや介護ロボットで負担を減らす
一人あたりの業務量を減らすために、テクノロジーを活用するという手もあります。たとえば、介護記録をタブレットなどでデジタル化すれば、紙への転記や申し送りにかかる時間を短縮できるでしょう。また、見守りセンサーや移乗支援機器といった介護ロボットの導入も広がっています。夜間の巡回負担を軽くしたり、重労働を減らしたりすることで、身体的な負担を理由とした離職を防ぐ効果が期待できます。
導入時は、現場の全職員が使いこなせるようにすることが重要です。まずは一部のフロアから試験的にスタートし、運用ルールや緊急時のマニュアルなどを固めてから拡大していく進め方をおすすめします。
柔軟な働き方で定着率を高める
先述したとおり、職場定着に効果があった方策として最も多かったのが、「有給休暇などの各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」でした。短時間勤務や日勤のみの勤務、始業・終業時刻の繰り上げおよび繰り下げなど、育児や家族の介護と両立しやすい働き方の選択肢を広く用意することは、既存職員の定着に直結します。制度を作るだけでなく、積極的に使える雰囲気が職場全体に浸透しているかどうかも重要です。
あわせて、相談窓口の設置や面談の定期実施など、人間関係の悩みを早期に把握できる仕組みも整えましょう。職員の不安や不満を早めにキャッチし解決策を提示することで、離職を防げる可能性があります。
資格取得支援とキャリアパスの整備
介護福祉士などの資格取得を支援する制度は、職員の働くモチベーションを支える柱になります。受験費用の補助や勤務時間内での学習機会の提供は、「この施設で長く働きたい」と思ってもらう理由になるでしょう。
同時に、資格や経験に応じた評価制度と昇給の仕組みを明確にしておくことも重要です。何を達成すれば次のステージに進めるのかが可視化されると、日々の業務にも目標ややりがいをもって取り組んでもらいやすくなります。

外国人が介護福祉士の資格を取得するには?最新の合格率や施設ができる支援を解説
採用手法を見直し攻めの採用に変える
「求人を出し続けているのに応募が来ない」という場合、これまでの採用手法を見直すタイミングかもしれません。特定のやり方に固執するのではなく、ターゲット層や自施設の強みに合わせて、複数の手法を組み合わせた「攻めの採用」へとシフトする必要があります。
求人媒体だけに頼らない
求人媒体は候補者と出会うための手段の一つに過ぎません。既存の職員からの紹介、ハローワークや福祉人材センターとの連携、施設見学会の開催など、求人媒体を含む複数の経路を並行して動かすことで応募数の安定化に期待できます。
厚生労働省の2024年の調査を見ても、社会保険・社会福祉・介護事業の入職経路は「ハローワーク」「縁故」「広告」と分散しており、特定の媒体だけで十分とは言い切れません。2013年当時と比較すると「広告」経由が減少し、「民営職業紹介」や「ハローワーク」経由の割合が増加しています。採用の確度を高めるためには、複数のチャネルを使い分けた多角的なアプローチが不可欠です。
人材紹介や派遣を組み合わせる
自社だけで母集団を形成しきれない場合は、人材紹介や人材派遣を組み合わせる方法もあります。特に、外国人材のように在留資格の確認や独自の受け入れ手続きが必要な採用では、専門のサービスを利用したほうがスムーズかつミスなく進められるケースが多いでしょう。
「Leverages Global(レバレジーズグローバル)」には、外国人介護士の採用に精通した専門アドバイザーが在籍しています。自施設に合う採用手法の整理から人材のご提案まで、一貫したサポートが可能です。何から手をつけるべきか迷っている段階でも、まずはこちらからサービス資料をご覧いただければ、採用の選択肢を広げるヒントが見つかるはずです。

特定技能「介護」の受け入れ可能施設とは?要件や従事可能な業務を解説
参照元:
厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」
人手不足対策に使える国の支援制度
介護の人手不足への対応は、施設の自助努力だけに委ねられているわけではありません。国は参入促進・資質の向上・労働環境や処遇の改善という方向で対策を進めており、施設が活用できる制度も用意されています。
ここでは、人手不足対策に直結する3つの支援を紹介します。いずれも年度ごとに要件や金額が見直されるため、活用前には最新の情報を確認してください。
介護職員等処遇改善加算
先述のとおり、介護職員等処遇改善加算は職員の賃金改善に充てることを目的とした制度です。これまで「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等加算」の3つに分かれていた加算が2024年6月1日から一本化され、現行のⅠ~Ⅳの区分(ランク)に改定されました。
算定するには、処遇改善計画書と実績報告書などの提出に加えて、職場環境の改善や昇給の仕組みの整備といった項目を満たす必要があります。準備に手間がかかりますが、継続的な賃上げの原資を確保できる点は大きなメリットです。
介護テクノロジー導入支援事業
介護ロボットやICT機器の導入費用を補助する仕組みとして、地域医療介護総合確保基金を活用した「介護テクノロジー導入支援事業」があります。見守りセンサーやインカム、介護ソフトなどの導入が支援の対象です。
申請の窓口は主に都道府県が担っており、補助率や上限額、応募期間は自治体によって異なります。たとえば、兵庫県の「令和8年度介護業務における介護テクノロジー導入支援事業の実施」では、申請見込総額が予算額を上回ったため、抽選による申請可能事業所の選定が採用されました。このように、予算上限や応募期間が設けられた支援制度の導入を検討する際は、早い段階で各自治体の募集要項を確認しておくことが望ましいでしょう。
外国人材の受入環境整備の支援
国は、介護分野における外国人材の受け入れを後押しするため、受入環境の整備にも注力しています。具体的には、日本語学習の支援や介護福祉士資格の取得支援、受け入れ施設向けの相談体制の整備などが進められてきました。これらの支援を活用することで、受け入れ施設側は定着率の向上を実現できるだけでなく、外国人材にとっても安心してキャリアを築ける環境であることを採用時にアピールできます。
また、雇用に関する助成金の多くは労働者の国籍問わず利用可能です。活用できる制度の全体像は「【2025年】外国人雇用でもらえる助成金7選|金額や条件を徹底解説」の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

介護の外国人材を対象とした補助金・助成金ガイド!種類や申請手順を紹介
参照元:
厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
厚生労働省「介護人材確保に向けた取組」
兵庫県「令和8年度介護業務における介護テクノロジー導入支援事業の実施」
介護の人手不足対策|外国人材の受け入れ
国内の労働力人口が減っていくなかで、外国人材の受け入れは介護の人手不足に対する現実的な選択肢の一つになっています。実際に、多くの介護施設が特定技能などの在留資格で外国人材を受け入れつつあるのが現状です。
ここでは、介護分野で受け入れ可能な在留資格の種類と2025年の制度改正、受け入れに必要な体制づくりについて整理します。
介護で受け入れ可能な4つの在留資格
介護分野で外国人材を受け入れる方法は、大きく4つに分かれます。それぞれ在留期間や求められる要件、任せられる業務の範囲が異なるため、自施設の状況や業務内容に合うものを見極めましょう。
- 特定技能:技能試験と日本語試験に合格した一定水準の介護スキルをもつ人材。即戦力としての活躍に期待できる
- 技能実習(育成就労へ移行予定):開発途上国への技能の移転を目的とした国際貢献のための制度。2027年4月に育成就労制度への移行が決定している
- EPA(経済連携協定)介護福祉士および候補者:インドネシア・フィリピン・ベトナムから介護福祉士もしくは候補者を受け入れる経済連携協定。将来的なコア人材としての活躍に期待できる
- 在留資格「介護」:日本の介護福祉士の資格を取得した人材。在留期間の更新に上限がない
なかでも特定技能は、一定の介護技能と日本語能力をもつ人材ながら比較的ほかの在留資格よりも受け入れやすいため、初めて外国人材を採用する施設におすすめの制度といえます。長く働いてもらうことを見据えるなら、実務経験を積んで介護福祉士の資格取得を目指し、在留資格「介護」へ移行するキャリアパスを提示するのも有効です。
なお、永住者や定住者など身分に基づく在留資格には就労制限がなく、介護でも従事できます
4つの在留資格を比較しながら検討したい場合は、「はじめての外国人介護士採用マニュアル」もご活用ください。在留資格ごとの要件や採用までの流れを一覧表で整理しているほか、実際の受け入れ事例や定着に向けた支援内容もまとめています。

介護職で外国人採用をするには?在留資格や受け入れの流れ・注意点を解説
2025年から訪問介護でも受け入れ可能
外国人材の受け入れをめぐる大きな変化として、2025年4月21日から訪問系サービスでの就労が認められた点が挙げられます。それまで施設系サービスに限られていた特定技能・技能実習・EPA介護福祉士候補者などの人材が、訪問介護や訪問入浴介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などにも従事できるようになりました。人材不足感が最も高い訪問介護員を確保する手段が増えたことは、介護業界にとってプラスの変化といえるでしょう。

外国人訪問介護の実施条件とは?対象サービス・施設や適合確認申請も解説
受け入れに必要な体制と支援内容
外国人材を受け入れる際は、採用して終わりではなく、入職後の生活と就業をサポートする体制が必要です。特定技能1号の場合、住居の確保や公的手続きへの同行、日本語学習の機会の提供、定期的な面談などの支援が義務づけられています。
これらの支援は自社で行うこともできますが、「人員に余裕がない」「初めてでノウハウがない」という場合は、登録支援機関に委託することも可能です。日常業務と並行して支援計画を回すのは負担が大きいため、委託を前提に検討する施設も少なくありません。
「Leverages Global(レバレジーズグローバル)」は、外国人材のご紹介だけでなく、特定技能の登録支援機関として入職後の支援まで一貫して対応しています。専門アドバイザーが在留資格の判断や受け入れ準備、定着に向けたアフターフォローも行いますので、初めての受け入れで不安がある施設さまも安心です。費用や支援内容のご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

特定技能「介護」とは?業務内容・採用メリット・受け入れ要件を解説
介護の人手不足に関するよくある質問
最後に、介護の人手不足について採用担当者の方からよく寄せられる質問にお答えします。
介護の人手不足はいつまで続くのか
少なくとも2040年ごろまでは続くと見込まれています。先述したように厚生労働省の推計では、2040年度に必要な介護職員は約272万人とされており、高齢者人口がピークに近づくまで需要は増え続けるためです。今後も介護需要は拡大していく見通しであり、介護人材の確保と同時にテクノロジーを導入するなど、長期的かつ汎用性の高い取り組みが経営課題として挙げられるでしょう。
小規模な施設でもできる対策はある?
小規模な施設の場合、少ない費用で取り組める対策から実施するのがおすすめです。たとえば、シフトの組み方の見直しや新規職員紹介制度の整備、定期面談などは、大きな投資をせずに着手できます。機器の導入を検討する際も、都道府県が実施している補助事業を活用すれば負担を抑えられるでしょう。一度にすべてを変えようとせず、雇用の妨げや離職につながっている要因から一つずつ手を打っていくことが大切です。
外国人材の受け入れ費用はいくらか
受け入れ方法によって幅がありますが、人材紹介の手数料に加えて、特定技能では登録支援機関へ委託した場合、1人当たり毎月一定の委託費用が発生します。金額は支援内容によって変わるため、見積もりの段階で委託範囲とそれに伴う委託費用を確認しておくことが重要です。
委託費用の相場や内訳は「登録支援機関にかかる費用の相場・内訳は?委託のメリットや注意点も解説」の記事で詳しく解説しているので、予算を組む際の参考にしてみてください。
また、実際に特定技能人材を受け入れた施設の様子は採用事例一覧からご覧いただけます。受け入れ後に現場がどう変わったのかを知る材料として、ぜひお役立てください。

外国人介護人材の指導方法のポイントは?注意点や教え方のコツを解説
参照元:厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
まとめ
介護の人手不足は、2040年度までに約57万人の増員が必要とされる構造的な課題です。有効求人倍率は全職業平均を大きく上回り、不足の理由として9割近くの事業所が採用の難しさを挙げています。採用活動の強化だけで解消できる規模ではありません。
一方で、原因を分解すれば施設の裁量で動かせる部分は残っています。処遇改善加算を活用した賃上げ、ICTや介護ロボットによる負担軽減、柔軟な働き方や資格取得支援を通じた定着率の向上は、いずれも自施設で着手できる対策です。国の支援制度と組み合わせれば、費用面のハードルも下げられます。
それでも人材を確保しきれない場合の選択肢が、外国人材の受け入れです。2025年4月からは訪問系サービスでの就労も認められ、活用できる範囲は広がりました。
Leverages Global(レバレジーズグローバル)は、介護人材のご紹介から登録支援機関としての入職後支援まで一貫して対応しています。外国人採用に精通した専門アドバイザーが在留資格の判断や受け入れ準備を伴走しますので、まずはお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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