執筆: Leverages Global編集部 (ライター)
特定技能の製造業は対象範囲が段階的に広がっており、現在は17の業務区分が設定されています。しかし、区分の拡大を把握しておらず「自社の工程は対象外だろう」と考えたまま、検討を見送っている企業もあるでしょう。
本記事では、特定技能「工業製品製造業分野」の業務区分と自社が対象かどうかの判定方法、JAIMへの入会をはじめとする受け入れ要件から就労開始までの流れを、企業側の視点から総合的に整理します。
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目次
この記事のまとめ
- 特定技能の製造業である「工業製品製造業分野」では、17もの広範な業務区分が1号特定技能外国人の受け入れ対象となっている
- 受け入れ見込数は2029年3月末まで19万9,500人で、2025年12月末時点の在留者は5万6,736人である
- 直接雇用が原則の特定技能と派遣雇用が可能なほかの在留資格を戦略的に使い分けることが、最適な人員配置を実現するカギである
- 専門知識を要する手続きは登録支援機関に委託でき、社内の事務負担を抑えた体制を構築できる
特定技能の製造業は、「工業製品製造業分野」と「飲食料品製造業分野」の2つに大別されます。同じ「作る」現場であっても、加入する協議会や満たすべき要件には明確な違いがあるため、まずは自社がどちらに属するかを正確に見極めることが重要です。
本記事では、企業にとって制度の対象可否や条件の正確な把握が特に複雑な「工業製品製造業分野」に焦点を当て、その詳細を解説します。
工業製品製造業分野の対象と概要
「工業製品製造業分野」とは、素形材や産業機械、電気電子機器といった素材から完成品まで、幅広い製造工程を対象とする領域です。日本の重要な基幹産業の一つとされている一方、慢性的な人手不足問題を抱えてきました。そのため、国を挙げた外国人材の雇用推進として、特定の工程を対象により多くの企業が特定技能人材を受け入れられるよう設計されています。
具体的には、出入国在留管理庁の運用方針に記載があるとおり、2029年3月末までに最大19万9,500人を上限として1号特定技能外国人の受け入れが見込まれています。同庁が公表している「特定技能在留外国人数」によると、2025年12月末時点での工業製品製造業分野の1号在留者は5万6,736人、2号は840人です。受け入れ枠に余裕があるうちに採用を検討することが望ましいでしょう。
飲食料品製造業分野との違い
「飲食料品製造業分野」は、食品や飲料の製造・加工を専門的に担う分野です。自社が食品工場を運営している場合は、こちらの分野が該当します。
工業製品製造業との主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 工業製品製造業分野 | 飲食料品製造業分野 |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 機械金属や電気電子機器、紙器・段ボール箱など | 一般的な飲食料品(酒類や塩などを除く) |
| 所管協議会 | 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM) | 食品産業特定技能協議会 |
| 必要な技能等 | ・製造分野特定技能1号評価試験の合格 ・「国際交流基金日本語基礎テストA2.2相当以上」または「日本語能力試験N4以上」 (当該分野と関連する技能実習2号の修了者はいずれも免除) | ・飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験の合格 ・「国際交流基金日本語基礎テスト合格」または「日本語能力試験N4以上」 (当該分野と関連する技能実習2号の修了者はいずれも免除) |
参照:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」「飲食料品製造業分野」
両分野では、対象範囲や加盟すべき協議会が明確に異なります。金属加工や電気機器などの加工・組み立てであれば「工業製品製造業分野」、飲食料品の加工・製造であれば「飲食料品製造業分野」が該当すると判断しましょう。

特定技能「飲食料品製造業」とは?外国人雇用のポイントを企業へ向けて解説
参照元:
出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」
出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」
出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」
工業製品製造業分野において、特定技能1号の外国人材が従事できる仕事は2026年6月時点で17の業務区分に整理されています。制度開始当初は3区分に限定されていましたが、現場の需要に応じて段階的に範囲が拡大されました。
そのため、過去に外国人材の受け入れを検討した際に対象外であった企業も、最新の区分表に照らすと該当する可能性があります。
旧3分野(素形材・産業機械・電気電子)から続く3区分
以下は、制度開始時から設定されている基幹的な3区分です。製造現場の核心を担う専門性の高い実務が想定されています。
| 業務区分 | 具体的な業務の例 |
|---|---|
| 機械金属加工 | 鋳造、鍛造、ダイカスト、溶接、プレス、塗装など |
| 電気電子機器組立て | 電子機器や通信機器の組立て、基板の実装など |
| 金属表面処理 | めっき、アルマイト処理など |
参照:出入国在留管理庁「工業製品製造業」
かつては「素形材産業分野」「産業機械製造業分野」「電気・電子情報関連産業分野」の3分野に分かれていましたが、2022年5月の「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」への統合を経て、現在は「工業製品製造業」に名称が変更されています。これにより、分野内で複数の工程をこなせる人材として、これまで以上に柔軟な人員配置が可能になりました。
もし旧分野名で要件を調べていたり、受け入れを検討したりしていた場合は注意が必要です。制度は改正が重ねられているため、常に最新の情報を確認するようにしましょう。
段階的に追加された14の業務区分
その後の制度見直しにより、次の14区分が追加されました。かばん製造や印刷・製本、古紙や廃プラスチックを原料とする固形燃料(RPF)の製造など、これまで特定技能の対象外だった業務でも受け入れが可能です。
- 紙器・段ボール箱製造
- コンクリート製品製造
- RPF製造
- 陶磁器製品製造
- 印刷・製本
- 紡織製品製造
- 縫製
- 電線・ケーブル製造
- プレハブ住宅製品製造
- 家具製造
- 定形・不定形耐火物製造
- 生コンクリート製造
- ゴム製品製造
- かばん製造
注意すべき点として、主たる業務に付帯する「関連業務」だけを専属で担当させることはできません。通常業務に付随して発生する清掃や運搬作業などの一部は認められていますが、あくまで製造業務への従事が主軸です。以上を踏まえ、適切な人員配置を行いましょう。
特定技能2号は3区分に限られる
在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同も認められる特定技能2号への移行は、「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分に限定されています。1号の17区分すべてが2号へ移行できるわけではないため注意が必要です。
特定技能2号では通常業務に従事しつつ、技能者の指導や工程管理も担う高度な役割が期待されます。長期的なコア人材として育成する計画を立てる際は、自社の業務区分が特定技能2号の受け入れ対象に含まれているかをあらかじめ確認しておくことが重要です。

特定技能1号と2号の違いとは?分野・取得要件・移行メリットなどを解説
参照元:
出入国在留管理庁「特定技能『素形材産業分野』、『産業機械製造業分野』及び『電気・電子情報関連産業分野』の統合等について」
出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」
出入国在留管理庁「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」
業務区分が合致している場合でも、それだけでは受け入れの要件を満たしません。「業務区分」と「産業分類」の双方をクリアして初めて受け入れが可能になります。現場の実務内容と事業所としての登録業種、この二段階の判定が必要です。
産業分類の確認を怠ると、採用活動の後半で受け入れ不可が判明するという事態を招きかねません。検討の初期段階で確実な裏付けを取っておくことが、スムーズな雇用のカギです。
産業分類は事業所単位で判定する
産業分類の判定は、日本標準産業分類に基づき経済産業省が指定する告示産業に合致しているかが基準となります。判定は企業全体ではなく事業所単位で行われるため、本社が製造業でなくとも工場自体が金属加工を主としていれば受け入れ対象です。
反対に、外形上は製造業に見えても、実態がほかの産業に分類されるのであれば対象外となります。一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)でも対象となる産業分類一覧が公開されているため、協議会への入会前に照合しておきましょう。
受託加工の事業所も対象になる
産業分類の要件では、外国人材が働く事業所において、直近1年間で対象となる産業分類の「製造品出荷額等」が発生していることが求められます。製造品出荷額等には、自社で製造した製品の出荷額のほか、他社から支給された原材料を加工して受け取る加工賃収入額も含まれます。
そのため、自社ブランド製品の製造だけでなく、加工を請け負う受託加工の事業所も対象となります。日本標準産業分類でも、他社が所有する原材料に加工処理を加えて加工賃を受け取る賃加工業は製造業に含まれます。
ただし、支給された部品にラベルを貼るだけといった、製造工程を伴わない軽微な作業しか行っていない場合は、対象外となる可能性があります。自社の事業形態が該当するか判断に迷うときは、JAIMの相談窓口や外国人採用の実務に詳しい専門家に確認しましょう。

特定技能の採用方法|19分野と流れ・費用を解説
参照元:
出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」
経済産業省「工業製品製造業分野で外国人の受入れ可能な産業分類・業務区分」
一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)「対象となる産業分類一覧」
総務省「日本標準産業分類」
在留資格「特定技能」を取得できるのは、一定の「専門技能」と「日本語能力」をもつ外国人材です。採用ルートは大きく分けて、特定技能の試験合格による新規採用と、技能実習からの移行の2パターンが存在します。
即戦力を新たに外部から呼び込むか、慣れ親しんだ人材をステップアップさせるかが主な違いです。自社の状況に合わせたルートを適切に選ぶことが、スムーズな受け入れのカギを握ります。
1号は評価試験と日本語試験に合格する
製造業の特定技能1号の技能要件は、製造分野における「特定技能1号評価試験」や「技能検定3級」などの合格で証明されます。あわせて、一定レベルの日本語能力も必要です。国際交流基金日本語基礎テストのA2.2相当以上、または日本語能力試験のN4以上が求められます。現場での基本的な意思疎通と指示が理解できる程度の水準と考えると、企業にとっても採用時の判断基準としてイメージしやすいでしょう。
育成就労や技能実習からの移行ルート
特定技能で従事しようとする職種に関連がある技能実習2号を良好に修了した人材は、移行時に課される試験が免除されます。現場教育の負担を軽減し、既知の人材を特定技能へ切り替えられるこのルートは、比較的活用されやすいのが特徴です。日本での生活基盤もある程度整っているため、後述する「特定技能の義務的支援」もスムーズに進められるでしょう。
なお、技能実習制度は2027年4月1日に「育成就労制度」への移行が決定しています。育成就労は、特定技能の受け入れ対象分野と一致させることを原則とし、3年の就労期間で1号特定技能外国人の水準に育成することが目的の制度です。施行開始日以降は新たな技能実習計画の認定申請ができなくなるため、これから技能実習生の受け入れを検討している企業は、制度の移行を前提とした採用・就労計画が必要となります。

技能実習から特定技能への移行ガイド!条件・手続き・メリットを解説
2号は実務経験と上位試験が必要
より熟練した人材としての活躍が期待される特定技能2号は、「製造分野特定技能2号評価試験」と「ビジネス・キャリア検定3級」の両方に合格するか、「技能検定1級」に合格することが技能水準の要件です。 加えて、国内の製造業の現場において自主的に判断して業務に従事した「実務経験」も求められます。企業側は、既存の1号外国人本人から求めがあれば実務経験を証明する書面を交付する義務があるため、日々の業務記録を残しておくと後の手続きをスムーズに進められるでしょう。
ただし、先述のとおり、特定技能2号の受け入れは「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分に限られます。1号からの明確なキャリアパスを提示することは人材定着の促進に大きく寄与します。2号への移行を見据える際は、自社が対象区分に含まれるかを把握しておくことが重要です。

特定技能試験のスケジュールや内容は?分かりやすく解説!
参照元:
出入国在留管理庁「育成就労制度」
出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」
工業製品製造業分野において特定技能外国人を受け入れる際は、一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への入会が義務付けられています。これは他分野の「協議会」に該当する組織であり、未加入の状態では在留資格の申請自体が受理されません。
入会手続きが漏れていた場合、就労開始時期が数ヶ月単位で遅延するリスクが生じます。費用や事務工数を事前に見積もり、特定技能での受け入れを決定したら迅速に対応しましょう。
なお、飲食料品製造業分野で受け入れる場合は、JAIMではなく食品産業特定技能協議会が加入先となります。
JAIMへの入会は申請前に済ませる
先述のとおり、JAIMへの入会は在留資格の申請「前」に完了している必要があります。在留資格の申請時に、事業所がJAIMの構成員であることを証明する書類を求められるためです。採用スケジュールの策定にあたっては、JAIMの審査期間も考慮した余裕のある設定が適切です。
会員区分には「賛助会員」と「育成就労会員」があり、特定技能外国人を受け入れられるのは「賛助会員」のみとなります。「育成就労会員」は育成就労外国人の受け入れが対象です。
加入の手続きと会費の考え方
「賛助会員」と「育成就労会員」の主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 賛助会員 | 育成就労会員 |
| 特定技能外国人の受入れ | 可能 | 不可 |
| 育成就労外国人の受入れ | 可能 | 可能 |
| 年会費 | 6万円〜8万3,000円 | 6,000円(2026年度は徴収なし) |
| 中小企業割引・団体割引 | あり | なし |
| 賃上げ実績の報告義務 | 必要 | 不要 |
参照元:一般社団法人工業製品製造技能人材機構「賛助会員/育成就労会員 入会」
受け入れ可能な外国人材や年会費のほか、「賛助会員」には中小企業および団体割引が用意されており、年度の途中で入会した場合も月割で計算されます。そのぶん年会費が高かったり、生産性向上の取組として賃上げ実績の報告義務が発生したりするのが特徴です。
また、手続きの面では「賛助会員」のみ提出を求められる書類があります。一般社団法人工業製品製造技能人材機構の「賛助会員・育成就労会員 新規入会手続マニュアル」を参考にしながら、漏れや不備がないように準備を進めましょう。

外国人採用の進め方!メリットや手順・注意点を解説【2026年版】
参照元:一般社団法人工業製品製造技能人材機構「賛助会員/育成就労会員 入会」
受け入れ企業には、JAIMへの加入以外にも守るべきルールが課されます。押さえるべきは「支援計画」「報酬・労働条件」「直接雇用」「法令遵守」の4点です。それぞれの内容を順に見ていきます。
これらは「とりあえず雇ってみよう」という姿勢ではクリアが難しい項目です。制度の趣旨を理解し、しっかりと体制を整えることから始めましょう。
支援計画の作成と実施
特定技能1号の外国人材を受け入れる企業は、空港への送迎や住居の確保、生活オリエンテーション(ごみ出しや交通ルール等の指導)および定期的な面談の実施など、多岐にわたる支援業務が発生します。これらは「やってあげたい」という善意ではなく、法律上で定められている受け入れ企業の「義務」という点に留意してください。
また、自社でこれらの支援を行うためには「過去2年以内に中長期在留者の適正な受け入れ・管理実績がある」ことや「外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制がある」ことなど、一定の基準を満たす必要があります。
もし自社でこれらの体制を構築するのが難しい場合は、登録支援機関へ支援業務を委託することが可能です。義務的支援を適切に行わないと受け入れが認められない可能性があるため、担当者の有無や現場のリソースなども含めて慎重に検討しましょう。

登録支援機関の役割とは?特定技能制度との関係や要件を解説
日本人と同等以上の報酬・労働条件の確保
特定技能外国人を雇用する際は、必ず同じ業務に従事する日本人と同等額以上の報酬を支払わなければなりません。また、労働時間についても、ほかの従業員と同じフルタイム勤務であることが原則です。「外国人だから」という不当な理由で賃金を低く設定したり、日本人とのあいだに待遇差を設けたりすることは、出入国管理及び難民認定法の第2条の5において禁止されています。
採用した外国人材が安心して働ける環境を維持するためにも、将来にわたって安定した給与を支払える経営基盤があるか、長期的な視点で見通しを立てておくことが重要です。
特定技能は直接雇用のみで派遣は不可
本分野における特定技能は「直接雇用」のみが許可されており、人材派遣による受け入れは認められていません。この要件は制度によって定められた原則であり、企業の裁量で適用範囲を調整することは不可能です。工場の繁閑に合わせた柔軟な人員配置を希望する場合や派遣形態での受け入れを希望する場合は、後述する別の在留資格を軸に考える必要があるでしょう。
法令遵守と適正な雇用契約
特定技能外国人の受け入れにあたっては、企業自体が労働関係の法令や社会保険・税金の納付義務を適切に履行していることが前提です。また、保証金や支援に要する費用の徴収、離職時に違約金を支払わせるような金銭的拘束を伴う雇用契約の締結も禁止されています。
満たすべき要件をクリアした適正な受け入れ機関であることを証明するためにも、事前の確認・準備を怠らないようにしましょう。

特定技能は転職可能!企業側の手続きや必要書類をわかりやすく解説
参照元:
出入国在留管理庁「特定技能制度」
出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」
e-Gov 法令検索「出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)」
採用する人材が決定してから実際に現場で作業を開始するまでには、いくつかの手続きを進める必要があります。期間にして4か月から半年程度を見込んでおくと、現場の期待とのギャップを防ぎやすくなるでしょう。
どの段階にどのくらい時間がかかるのかを可視化しておくことで、無理のない採用計画が立てられるはずです。
採用から就労開始までの手順
特定技能外国人の受け入れは、国内在住の人材を採用するか、海外から呼び寄せるかで就労開始までの期間が変わります。
なお、どちらのパターンにおいても大まかな流れは次のとおりです。
- 自社の業務区分と産業分類が受け入れ対象に該当するかを確認する
- JAIMに入会する
- 人材を募集・選考し、内定者と雇用契約を結ぶ
- 1号特定技能外国人支援計画を作成する
- 地方出入国在留管理局に在留資格の申請を行う
- 許可後、住居や生活面のサポートを経て就労を開始する
Leverages Globalの支援実績では、国内在住者の採用で最短3か月から、海外からの呼び寄せで約4~6か月が目安です。特に、JAIMの審査と地方出入国在留管理局の審査は企業側で短縮できない工程のため、余裕をもった計画を立てましょう。
登録支援機関に委託する選択肢
特定技能外国人の受け入れでは、複雑な行政手続きや法令で定められた支援業務の策定・履行が必須です。自社でこれらすべてを完結させるには外国人採用に関する専門知識が必要であり、人手不足の企業やほかの業務と兼務している担当者にとっては、事務工数の負担が大きくなってしまいます。
受け入れ業務の適正化を図るためには、出入国在留管理庁の登録を受けた登録支援機関へ業務を委託する方法が有効です。専門のノウハウをもつ外部パートナーに業務を切り出すことで、社内の事務負担を最小限に抑えつつ、万全の受け入れ体制を構築できます。
「Leverages Global(レバレジーズグローバル)」では、人材紹介だけでなく登録支援機関として、支援計画の策定から入社後の定着まで一貫してサポートを提供しています。受け入れ可否の判定といった初期段階から外国人採用に精通した専門アドバイザーへのご相談が可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。「まずは情報収集から」という方向けには、無料で今すぐ読める「特定技能の採用・定着支援サービス資料」もおすすめです。

登録支援機関にかかる費用の相場・内訳は?委託のメリットや注意点も解説
特定技能で外国人材を受け入れる最大のメリットは、「即戦力」を「長く」確保できる点にあります。一定水準のスキルが担保されているため、現場での立ち上がりが比較的早い傾向です。一方で、受け入れ企業として注意すべき点も無視できません。
以下を参考にメリットと留意すべきポイントを整理し、改めて採用を検討してみましょう。
即戦力を長期で確保できる
特定技能1号の人材は、評価試験や技能実習を通じて即戦力となり得る現場作業の基礎を身につけています。日本語で意思疎通が図れるN4相当以上の言語力も有しているため、作業や指示の理解に大きな支障が出にくい点は現場にとって心強いところです。
さらに、機械金属加工などの3区分では、特定技能2号へ移行すれば在留期間の更新に上限がなくなり、家族の帯同も認められます。企業のコア人材として長く働き続けてもらえる道筋を示せることは、採用・定着の両面において効果的です。
転職リスクと定着支援が欠かせない
技能実習制度と異なり、特定技能制度には「転職の自由」があります。自社の待遇や環境が外国人材に合わなければ、より好条件な他社へと移る可能性がある点は、あらかじめ想定しておく必要があるでしょう。
長く活躍してもらうためには、私生活を含む日頃のコミュニケーションを大切にし、習得したスキルや貢献度を適正に評価して待遇へと反映する仕組みづくりが欠かせません。また、外国人材の母語や簡単な日本語を用いた安全教育の実施は、外国人材の定着を促すだけでなく、製造現場全体の安全管理レベルを底上げし、日本人従業員にとっても働きやすい環境をつくることにつながります。

特定技能は転職可能!企業側の手続きや必要書類をわかりやすく解説
「自社の業種が特定技能の対象外だった」「繁閑の波が激しいので柔軟に対応したい」といった場合も、外国人雇用の道が閉ざされたわけではありません。特定技能以外の在留資格を活用した「派遣」という解決策を検討してみてください。
派遣で受け入れられる在留資格
派遣形態での受け入れが可能な在留資格には、永住者や定住者、日本人の配偶者等といった「身分に基づく在留資格」が挙げられます。これらの在留資格には、就労できる職種や雇用形態の制限がないため、製造現場においてもフルタイムでの派遣受け入れが可能です。
また、留学生も「資格外活動許可」を取得している場合に限り、週28時間以内という定められた時間の範囲で働けます。ただし、留学生はあくまで学業が本分のため、時間の上限を超えないよう厳密なシフト管理が必要です。
特定技能と派遣はこう使い分ける
外国人材の特定技能(直接雇用)と派遣という2つの受け入れ手段は、どちらが優れているかという視点で見るのではなく、「工場の経営目標」と「現場の人員配置計画」に合わせて使い分けましょう。長期的な人材育成を行い、将来は基幹の工程を任せたいならば特定技能による直接雇用、業務量の変動に合わせて人員配置を調整したいならば派遣、という考え方が一般的です。なかには、両方を併用している企業もあります。
どちらが自社に合うかは、対象となる業務区分や産業分類、現場の人員計画によって判断します。「Leverages Global(レバレジーズグローバル)」では、特定技能の人材紹介と登録支援に加え、幅広い在留資格の人材を対象とした人材派遣サービスも提供可能です。どの方法が適しているか迷う段階でも、専門アドバイザーが状況をうかがったうえでご提案しますので、お気軽にご相談・お問い合わせください。

外国人を派遣社員として雇える?雇用のメリット・デメリットや注意点を解説
技能実習生を特定技能に移行できますか
特定技能で従事する予定の業務に関連した技能実習2号を良好に修了していれば、技能試験と日本語試験がいずれも免除され、特定技能1号へ移行できます。すでに現場での実務経験があり、日本語能力や社内ルールを把握している人材をそのまま活用できるため、教育コストを抑えながら即戦力として長く雇用できる点がメリットです。
なお、先述のとおり、技能実習制度は2027年4月1日に育成就労制度への移行が決定しています。これから新たに技能実習生の受け入れを計画する場合は、制度移行を前提とした採用・キャリア形成プランの組み立てが不可欠です。

育成就労制度はいつから?何が変わる?基本概要や技能実習との違いを解説
受け入れ費用の目安はどれくらいですか
特定技能の受け入れには、本人に支払う給与のほかにJAIMの年会費や在留資格の申請にかかる費用、支援を委託する場合の委託費用などが発生します。主に「導入時の初期費用」と「就労開始後のランニングコスト」の2つに分けて考えると、予算を組みやすくなるでしょう。初期費用には採用関連費や申請・事務手数料などが該当し、ランニングコストには毎月の給与や登録支援機関へ委託した場合の委託料が該当します。
なお、委託料は委託先や受ける支援の内容によって幅があるため、複数の登録支援機関から見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。給与については、同じ業務に従事する日本人と同等以上の水準に設定する必要がある点も押さえておきましょう。

【2025年】外国人雇用でもらえる助成金7選|金額や条件を徹底解説
特定技能「工業製品製造業分野」は、17の業務区分へと対象が拡大し、製造業における外国人材活用はますます現実的な選択肢となっています。一方で、制度の活用には産業分類の正しい判定やJAIMへの加入、厳格な義務的支援計画の策定・履行など、専門的な知識と周到な準備が欠かせません。
「特定技能による直接雇用」で将来のコア人材を育成し、「派遣活用」で繁閑に合わせた柔軟な生産体制を整えるといった使い分けと組み合わせも重要です。自社の現状に合わせた受け入れ手法を選び、安定した製造現場の運営につなげましょう。
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