
執筆: Leverages Global編集部 (ライター)
近年、国内の深刻な人手不足の影響により外国人採用に積極的な企業が増加しています。しかし、「自社で外国人材を雇用できるのか」「在留資格の手続きや法律が難しそう」といった不安を抱く担当者さまも多いのではないでしょうか。 本記事を読めば、外国人採用の不安を解消し、スムーズな受け入れ体制が整えられます。募集から就労開始までの8つのステップや活用できる補助金も紹介するので、制度やルールを正しく理解し外国人採用の成功を目指しましょう。
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目次
この記事のまとめ
- 外国人採用は深刻な人手不足の解消や組織の活性化、海外展開にメリットをもたらす有効な手段
- 募集から就労開始までの流れを押さえ、余裕を持ったスケジュールで計画的に進めることが重要
- 不法就労を防ぐため、在留資格の確認や日本人と同等以上の待遇確保など法的な注意点の徹底が不可欠
- 費用負担を軽減する補助金を活用しつつフォロー体制を整え、プロへの相談も含めて検討することが大切
外国人採用に積極的な企業は年々増加している
国内の労働人口減少や高齢化を背景に、日本企業における外国人採用の需要は急速に高まっています。少子高齢化に伴って生産年齢人口が減少するなか、従来の国内採用のみで十分な人員を確保することが困難になっているためです。
厚生労働省が公表した「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和7年10月末時点)」によると、2025年10月末時点で日本で働く外国人労働者数は257万1,037人、雇用事業所数は37万1,215所に達し、どちらも過去最高を更新しました。前年の数値と比較すると外国人労働者数は26万8,450人、雇用事業所数は2万9,128所増えており、採用を進める企業が着実に増えている状況が読み取れます。
出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和7年10月末時点)」
こうした傾向を踏まえると、今後も外国人材の需要はさらに拡大していくと考えられるでしょう。

人手不足の原因と6つの解決策|深刻な業界で外国人雇用が進む理由
参照元:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
外国人採用のメリット
外国人採用には、単なる労働力の確保にとどまらない多様なメリットが存在します。自社の課題解決につながる強みを把握することで、採用活動をより効果的に進められるでしょう。
人材不足の業界や地方にも比較的集まりやすい
外国人採用に取り組むことで、人手不足に悩む地方や特定の業界であっても応募者を集めやすくなります。来日する外国人材には、「技術の習得」や「一定の報酬」といった明確な目的意識を持つ人が多く、企業の知名度や規模よりも労働条件や仕事内容を優先して選ぶ傾向にあります。
そのため、日本人求職者の確保が難しい建設・介護・宿泊・製造業などの分野や地方であっても、幅広い層からの応募が期待できるでしょう。人手不足が慢性化している現場でも、安定した採用ルートの確保につながります。
モチベーションや学習意欲が高い若年層を確保できる
高い成長意欲や学習意欲を持った人材を確保できる点も、大きなメリットです。海外から就労目的で来日する人材には若い世代が多く、キャリアアップや技能習得に対して前向きな傾向が見られます。実際に弊社のサービスを利用する人材のメイン年齢層も20代~30代前半となっています。
業務や言語の習得に意欲的な人材が加わることで、既存社員への良い刺激となり、組織全体の活性化やモチベーション向上につながる相乗効果も期待できます。
語学力・海外の知見を活かせる
外国人材が持つ高い語学力や海外の知見を自社業務へ活かせる点も、メリットの一つです。母国語に加え日本語や英語を操り、現地の文化や商習慣に通じた人材を採用できれば、外国語での接客や海外市場向けマーケティングにおいて大きな強みとなります。インバウンド対応や海外展開における橋渡し役を担ってもらうことで、新たなビジネスチャンスの創出につながるでしょう。
新たな視点やダイバーシティの推進につながる
外国人を採用すると社内に新たな視点が持ち込まれ、ダイバーシティの推進につながります。
異文化のバックグラウンドを持つ人材が組織に加わることで、既存の枠組みにとらわれない新しい発想や視点が生まれることもあります。文化や習慣の違いから生まれたアイデアが、新商品の開発や業務改善のヒントになる場面も少なくありません。
また、多様な人材が活躍できる職場環境を整える取り組み自体が、ダイバーシティ経営の推進や企業イメージ・信頼度の向上へと結びついていきます。

外国人労働者を受け入れるメリット・デメリット|雇用の基本的な流れも解説
外国人採用の前に知っておくべきこと
外国人採用をスムーズに進めるためには、日本人採用とは異なる法律上のルールや前提条件を理解しておく必要があります。確認を怠ると不法就労などのトラブルにつながる恐れがあるため、事前の把握が不可欠です。
外国人採用ならではの法律や制度がある
外国人採用では、出入国管理及び難民認定法(入管法)や各種労働関係法令に基づいた適切な労務管理が義務付けられています。
日本人と同様の労働法規が適用されるだけでなく、在留資格に応じた手続きや雇用状況の届け出など、外国人特有の義務が存在します。万が一、適切な許可を得ていない外国人を就労させた場合、企業側も「不法就労助長罪」として3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方を受けるリスクがあります。法令違反を防ぐためにも、採用活動を始める段階から関連する制度や手続きの流れを正しく理解しておくことが大切です。
なお、2027年4月1日に施行される改正入管法により、不法就労助長罪の法定刑は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金へ引き上げられます。育成就労制度の開始と同じタイミングであり、外国人雇用に対する規制は今後さらに厳しくなる見通しです。
在留資格によって採用できるかどうかが決まる
外国人材が保有している在留資格や取得可能な在留資格の種類などによって、採用できるかどうかが決まります。採用選考の際は、以下の4つのポイントを中心に確認を進めることが重要です。
在留カードを所持しているか
まずは、対象者が「在留カード」を所持しているかを確認しましょう。
在留カードは日本に中長期滞在する外国人に対して交付される身分証明書であり、対象者には常時携帯が法律で義務付けられています。更新手続き中などの特別な理由なくカードを提示できない場合は、不法滞在の可能性も考えられるため、企業として慎重な確認が必要です。
就労可能な在留資格を保有しているか
自社で任せる業務内容に対して、就労が認められている在留資格を保有しているかも重要な確認項目です。
就労が認められる在留資格(いわゆる就労ビザ)は19種類に限られており、一般企業で雇用できる資格はその一部です。このほか、「永住者」「日本人の配偶者等」といった身分に基づく在留資格や、「特定活動」でも就労が認められる場合があります。一方で、「留学」や「家族滞在」といった在留資格は原則として就労が認められていません。アルバイトなどで雇用する場合は「資格外活動許可」を取得しているか確認し、上限時間を超えないよう管理する必要があります。
在留期限は切れていないか
外国人が日本に滞在できる期間には定めがあるため、在留期限の確認と管理を徹底しましょう。
採用時に期限内であるかを確認するのはもちろん、入社後も更新時期を企業側で適切に管理する必要があります。期限が切れた状態で働かせた場合、本人が退去強制処分となるだけでなく、企業側も不法就労助長罪に問われ罰則の対象となるリスクがあります。
在留資格で認められた範囲内で従事できるか
取得している在留資格によって、従事できる業務範囲が決まっている点にも留意が必要です。
たとえば、専門的な知識を前提とした在留資格で採用した人材に、単純作業を中心とした業務を行わせることは認められていません。採用の可否に直結するため、自社で任せる予定のポジションが、対象者の在留資格で許可された範囲内に収まっているかを事前に調べる必要があります。
日本人従業員と同等以上の待遇で採用する
外国人であることを理由に、日本人従業員よりも低い待遇で雇用することは認められていません。
就労ビザの許可要件を定めた上陸基準省令では、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」が求められており、これを満たさない雇用条件では在留資格の許可が下りません。
また、雇い入れ後についても、労働基準法第3条(均等待遇)により、国籍を理由として賃金・労働時間その他の労働条件に差別的な取扱いをすることは禁止されています。公平な労働条件を設定し、安心して働ける環境を整えることが安定雇用の鍵となります。

就労ビザ(在留資格)は難しくない!全19種類のうち外国人採用に関わるビザはどれ?
参照元:
出入国在留管理庁「在留カードとは?」
警視庁「外国人の適正雇用について」
厚生労働省「外国人労働者にも労働関係法令の適用があります。」
e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」
e-Gov法令検索「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)」
e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)」
外国人採用の方法:8つのステップを解説
外国人採用では、事前の確認から就労開始まで順を追って正確に手続きを進めることが大切です。法的なルールを遵守しつつ、段階ごとにポイントを押さえて準備を進めましょう。
1.自社で採用できる在留資格の把握
まずは、自社で任せる予定の業務内容が、どの在留資格に該当するかを事前に把握しておきましょう。一般企業で採用する可能性が高い代表的な在留資格は以下の通りです。
技術・人文知識・国際業務
いわゆるオフィスワーカー全般に適用される在留資格です。
ITエンジニアやデザイナー、マーケター、営業職、通訳者などが対象となります。大学や専門学校で履修した科目、または実務経験と業務内容に関連性があることが求められます。接客や清掃、現場での単純作業は認められていない点に注意が必要です。
特定技能
国内で人材確保が困難な特定産業分野において、一定の専門性や技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。
特定技能1号では最長5年間、試験を経て特定技能2号へ移行すると事実上無制限の在留が可能となります。受け入れが認められている分野は拡大傾向にあり、2024年に「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」が加わったほか、2026年1月の閣議決定により「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野が新たに追加されました。なお、新3分野の受け入れ開始は2027年度からの予定で、現時点では採用できません。
技能実習
開発途上国等への技術移転を目的とした制度であり、対象職種に該当していれば受け入れができます。
実習期間は最長5年間で、終了後に特定技能へ移行することで継続雇用も可能です。なお、本制度は発展的に解消されることが決定しており、2027年4月1日からは人材確保と育成を目的とした「育成就労制度」へ移行します。育成就労は特定技能への移行を前提とするため、受け入れ対象分野は特定産業分野と原則同じになります。
専門的な在留資格(介護など)
特定の専門職種に従事する場合、職種ごとに定められた在留資格が該当します。
たとえば、国家資格を持つ介護福祉士であれば「介護」、外国料理のコックやソムリエであれば「技能」などの資格が用意されています。任せる業務内容と法律上の要件が一致しているかを個別に確認しなければなりません。
身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者等など)
「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」は、個人の身分や地位に基づいて与えられる在留資格です。
就労上の活動制限がなく、あらゆる職種で採用できます。日本人と同様の条件で雇用できるため、単純労働に該当する業務への従事も問題ありません。
2.求人募集の開始
求人募集は、自社の求める人物像や在留資格の要件に合わせて適切な手法で行います。主な外国人材の募集方法は以下の通りです。
- 自社サイトで募集:やさしい日本語や英語版のページを用意すると応募が集まりやすくなります。
- SNS:高度人材の募集にはLinkedIn、特定技能や留学生アルバイトの募集にはFacebookが効果的です。
- 外国人専用の求人サイト:多言語対応や日本語レベル別の検索機能があり、求める人材にアプローチしやすくなります。
- 教育機関経由:大学・専門学校・日本語学校への求人掲載や企業説明会が効果的です。
- 人材紹介会社:自社に適した人材の紹介に加え、各種申請手続きのサポートも受けられます。
3.書類選考
応募者から提出された履歴書や職務経歴書をもとに、要件を満たしているか選考を行います。
業務への適性や経歴だけでなく、自社で就労可能な在留資格を保持しているか、あるいは新しく取得可能かを見極める作業が不可欠です。本人の最終学歴や専攻科目、過去の職歴が申請予定の在留資格基準に適合しているかを慎重に確認しましょう。
4.面接
面接では、実務に必要な日本語コミュニケーション能力や日本で働く動機・将来のキャリアプランをすり合わせます。選考時には、特に以下の2点に注意しましょう。
- 日本語能力の高さだけで判断しない:日本語が流暢なことと業務適性の高さは必ずしもイコールではありません。具体的な質問で実務経験を確認するのがポイントです。
- 文化的背景による経歴の伝え方の違いを理解する:自己アピールが積極的な文化の国もあるため、履歴書の内容は具体的な質問で裏付けを取ることが大切です。
なお、信教の自由に関わる信仰や宗教に関する質問は就職差別につながるリスクがあるため、選考の場では避けなければなりません。
5.在留カードの確認と雇用契約の締結
内定を出す段階で、在留カードの原本を用いた本人確認と雇用契約の締結を行います。
偽変造された在留カードに気付かず雇用した場合、確認不足として企業側も不法就労助長罪に問われるリスクがあります。カードの書体やホログラムの確認に加え、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」でICチップの情報と券面を照合し、偽変造がないかを確認しましょう。あわせて「在留カード等番号失効情報照会」でカード番号が失効していないかも確認しておくと安心です。
雇用契約書については、労働条件の食い違いを防ぐため、日本語とあわせて本人が正確に理解できる英語や母国語といった言語を併記して作成します。
なお、2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚に統合した「特定在留カード」の運用が始まっています。特定在留カードの裏面にはマイナンバー(個人番号)が記載されますが、マイナンバーは法令で定められた事務以外での収集・保管が制限されているため、在留カードのコピーを取る際は取り扱いに注意が必要です。

在留カード番号とは?意味・役割や企業向けに失効情報の確認方法などを解説
6.在留資格の手続き
内定通知後は、国内転職・新卒・海外招聘など、採用者の現在の滞在状況に応じた在留資格の手続きを出入国在留管理庁へ申請します。
日本にいる外国人材を転職で採用する場合
既に日本で働いている外国人材を転職で受け入れる場合、前職と同一の在留資格かによって必要な手続きが変化します。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」を所持し、転職後も同一の業務範囲内で勤務する場合、新たな在留資格の変更許可申請は不要です。一方で、「特定技能」や「特定活動(46号)」は、在留資格に添付される指定書へ受入れ機関が紐づいているため、同じ分野内の転職であっても在留資格変更許可申請が必須です。許可が下りるまで就労を開始できない点に注意しましょう。 なお、在留資格の変更が不要な場合であっても、転職した外国人本人が14日以内に出入国在留管理庁へ「所属機関に関する届出」を提出しなければなりません。また、企業側はハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を忘れずに行う必要があります。
さらに、転職後の業務が現在の在留資格の範囲内に収まっているか不安な場合は、あらかじめ「就労資格証明書」を取得してもらうことで、企業・本人ともに安心して雇用を開始できます。一方、現在保有している在留資格では認められていない職種へ変更する場合は、事前に出入国在留管理庁へ「在留資格変更許可申請」を行い、許可を得た上で就労を開始する必要があります。
外国人留学生を新卒採用する場合
大学や専門学校を卒業する留学生を採用する際は、在留資格を「留学」から就労可能なビザへ変更する「在留資格変更許可申請」が必要です。
申請から許可が下りるまでには数ヶ月を要するケースも珍しくありません。入社予定日に遅れないよう、卒業時期に合わせて早期に書類準備を進めることが重要です。提出書類は企業規模や取得するビザの種類によって異なるため、出入国在留管理庁の最新情報を確認しながら準備を進めましょう。
海外にいる外国人材を採用する場合
海外に居住する人材を採用する場合は、在留資格を新規で取得する「在留資格認定証明書(COE)交付申請」が必要です。企業が代理人として地方出入国在留管理局へ申請し、交付された証明書を本人へ送付。本人が現地の日本大使館・領事館でビザ(査証)の発給を受けたうえで来日する流れとなります。証明書の交付までに1〜3ヶ月、その後のビザ発給と渡航準備も加わるため、国内採用より長い期間を見込む必要があります。
7.受け入れ体制の調整
就労開始日に向けて、住居の確保や職場環境の整備、既存社員への共有を並行して進めます。
スムーズに業務へ適応してもらうには、社内の受け入れ体制の調整が欠かせません。具体的には、イラストや図を用いた業務マニュアルの整備、就業規則の確認、既存社員を対象とした異文化理解研修の実施などが挙げられます。
採用が決まった段階から準備に着手し、全員が安心して働ける環境をあらかじめ整えておきましょう。
8.就労開始
在留資格の手続きや許可が無事に完了した時点で、正式に業務を開始できます。
就労開始後は、法律で定められた公的手続きを期日通りに行わなければなりません。すべての事業主に義務付けられている「外国人雇用状況の届出」は、雇い入れ時・離職時ともにハローワークへ提出する必要があります。提出期限は、その外国人が雇用保険の被保険者になるかどうかで異なります。
- 雇用保険の被保険者となる場合:資格取得届(雇い入れ日の属する月の翌月10日まで)と資格喪失届(離職日の翌日から起算して10日以内)の提出をもって届出が完了
- 雇用保険の被保険者とならない場合:雇い入れ・離職ともに、その日の属する月の翌月末日までに専用の様式で届け出
届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合は、30万円以下の罰金の対象となります。アルバイトや短期雇用も届出の対象に含まれるため、雇用形態を問わず漏れなく対応しましょう。

外国人を雇用するには?入社前・入社後の手続きと必要書類
参照元:
出入国在留管理庁「手続の種類から探す」
出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」
出入国在留管理庁「就労資格証明書」
厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
出入国在留管理庁「特定在留カード交付申請について」
外国人採用にかかる時間と費用の目安
外国人採用では、各種手続きや受け入れ準備に一定の時間と費用を要します。日本人採用よりもスケジュールや予算にゆとりを持たせ、計画的に準備を進めることが大切です。
期間の目安
内定から入社までに必要な期間の目安は、国内在住者の採用で約3〜6ヶ月、海外からの招聘で約4〜6ヶ月です。
外国人採用では在留資格の審査や手続きが発生するため、日本人採用に比べて就労開始までに時間がかかる傾向にあります。特に海外から呼び寄せる場合は、在留資格の認定後に現地でのビザ(査証)発給手続きや渡航準備といった工程も加わるため、審査の混雑や遅れも見越して余裕を持った採用スケジュールを組みましょう。
費用の目安
外国人採用にかかる費用は、採用ルートや在留資格の手続き方法、外部委託の有無などにより変動するものの、人材1人あたり50〜150万円ほどが目安とされています。
人材紹介会社への手数料をはじめ、行政書士等への申請依頼費用、海外からの渡航費、特定技能であれば登録支援機関へのサポート委託費などが生じるため、日本人採用と比べてコストが高くなりやすい点に注意が必要です。あらかじめ十分な予算設計を行うとともに、次項で紹介する補助金や助成金の活用もあわせて検討するとよいでしょう。
外国人採用で活用できる補助金・助成金の種類
外国人材の受け入れにあたっては、就労環境の整備や定着支援を行うことで費用負担を軽減できる公的な補助金・助成金が存在します。公的支援をうまく取り入れ、コストを抑えながら受け入れ体制を整えましょう。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人労働者の定着に向け、言語や異文化に配慮した就労環境を整える際に活用できる助成金です。
就業規則や業務マニュアルの多言語化をはじめ、翻訳機の導入、外国人材や労務管理担当者を対象とした研修の実施など、環境整備に支払った費用の一部が助成されます。労働環境を整えて早期離職を防ぎ、職場への定着率を高めたい場面に適した制度です。
働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)
労働時間の短縮や職場環境の改善に取り組む中小企業を対象とした助成金です。
外国人材を含む一定範囲の従業員に対し、勤務終了から次の勤務開始までに一定の休息時間を確保する勤務間インターバルの導入や、生産性向上に向けた設備投資・環境整備が支給対象となります。職場全体の労働負担を軽減し、働きやすい環境づくりを推進する際に有効な支援策です。
キャリアアップ助成金(正社員化支援・処遇改善支援)
国籍を問わず、有期雇用やアルバイトなどの非正規雇用労働者を正社員へ転換させたり、処遇を改善したりする際に活用できる制度です。
たとえば、契約社員などの形態で雇用した外国人材を正社員へ登用する場合や、賃金体系を見直して処遇改善を図る際に助成が受けられます。長期的なキャリア形成をサポートし、優秀な外国人材の離職防止や自社への定着を促すうえで効果的です。

【2025年】外国人雇用でもらえる助成金7選|金額や条件を徹底解説
参照元:
厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」
厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」
厚生労働省「キャリアアップ助成金」
外国人採用を進めるうえで企業側がアピールできること
外国人採用を成功させるには、外国人材が仕事選びで重視するポイントを把握し、自社の魅力を効果的に発信することが重要です。求人や面接の場で企業側が積極的にアピールすべき要素を解説します。
日本の技術やサービスを身に付けられる
働きながら日本の高い技術やサービスを習得できる環境は、外国人材にとって大きな魅力です。
将来的に役立つ実践スキルが身に付く旨を提示できれば、成長意欲の高い人材に対して強力なアピールとなります。求人を作成する際は、「自社でどのような技術や専門知識を学べるのか」を具体的に明記しておくと効果的です。入社後の成長イメージが湧くことで、意欲的な候補者からの応募を集めやすくなります。
安定して働ける
業績の安定性や長期雇用を前提としている事実を伝え、安心して働ける環境であるとアピールすることも大切です。
企業の安定性や継続的な給与支給は、会社選びで重視されるポイントです。企業の経営基盤や業界での立ち位置、正社員登用実績などを具体的に示して安心感を与えましょう。長期的に活躍できる見通しを提示できれば、優秀な人材の確保へつながります。
充実した社会保障が受けられる
日本の充実した社会保障を受けられる環境は、外国人材へのアピール要素となります。
「誰でも健康保険に加入できる」「少ない自己負担で医療サービスを利用できる」といった日本の環境は、世界的に見ると決して当たり前ではありません。健康保険や厚生年金、雇用保険などの法令を遵守し、適切に加入手続きを行っている企業であると明記しましょう。公的なセーフティーネットが保障されている事実を伝えることで、外国人材の不安払拭に結びつきます。
研修が充実している
入社後の研修制度や社内のサポート体制が充実している点も、求人で積極的に打ち出したい要素です。
見知らぬ国での就労や言語の壁に不安を抱える外国人材にとって、丁寧な指導を受けられる環境は大きな安心材料となります。業務に関する初期研修はもちろん、日本語学習のサポートや気軽に相談できるメンター制度などが整っていることを伝えましょう。入社後のフォロー体制を可視化しておくことで、応募への心理的なハードルを下げられます。
語学スキルや母国の知識を活かして働ける
語学力や文化的背景を活かせるポジションを用意し、活躍の場をアピールすることも効果的です。
単なる労働力としてではなく、スキルや知見が高く評価される環境は、やりがいを求める外国人材の関心を惹きつけます。外国人材の強みが活きる具体的な業務内容とともに、その能力を必要としている姿勢を伝えるのがポイントです。個人の能力を正当に評価する体制を示すことが、採用成功につながります。
外国人採用後のマネジメント上の注意点
外国人材のマネジメントでは、文化や習慣の違いを考慮した適切なフォローが必要です。トラブルを防ぎ、人材の定着を進めるための主な注意点を解説します。
文化や価値観の違いがあることを理解しておく
文化や価値観の違いが存在することを正しく理解し、互いに尊重し合える社内環境を作ることが大切です。
習慣の違いや働き方に対する考え方の違いから、思いもよらないトラブルが生じるケースもあります。特に宗教上の戒律や生活習慣、家族を優先する価値観などを理解し、尊重する姿勢が欠かせません。日本独自の「暗黙の了解」や「察する文化」に依存せず、文化的な背景の違いを前提としたアプローチを意識しましょう。受け入れにあたっては、事前の段階から既存社員へコミュニケーションの注意点を周知しておくとスムーズです。
国籍や人種などで差別してはいけない
採用後の日常業務や評価、昇進、給与体系などにおいて、国籍や人種による差別やハラスメントのない公平な環境を整備しなければなりません。
国籍を理由に日本人より不当に低い賃金を設定することや、評価・配置において不利益な扱いをすることは、労働基準法第3条(均等待遇)などに反する恐れがあります。差別の防止はもちろん、ハラスメントを発生させないためにも、コンプライアンス研修の実施や相談窓口の設置、透明性のある評価基準の運用を進め、誰もが公平に活躍できる職場づくりを行いましょう。
コミュニケーションエラーが起こるリスクがある
言語や認識の違いによるコミュニケーションエラーは、業務上の誤解やミスに直結するため注意が必要です。
日本人同士であれば雰囲気や文脈で伝わる内容であっても、外国籍の社員には正しく伝わらない場合があります。短く明確な「やさしい日本語」を意識して伝え、指示のあとに復唱を促して理解度を確かめる工夫が効果的です。また、口頭だけに頼らず図や写真を活用したマニュアルを用意し、視覚的に伝える取り組みも誤解防止に役立ちます。
教育・サポートのための人員が必要になる
日本での就労経験が浅い外国人材を受け入れる場合、初期指導や生活面のサポートにあてる人員を確保しておく必要があります。
業務や職場環境への適応には一定の時間と教育コストがかかるため、指導を担当する社員の選定や研修用チェックリストの作成を事前に行っておきましょう。もし自社内のリソースだけで手厚いフォローを行うことが難しい場合は、登録支援機関(特定技能の場合)や外部のサポートサービスを積極的に活用する手もあります。
Leverages Global(レバレジーズグローバル)は人材紹介のみならず、専門家等と連携し入社に伴う書類作成サポートや、入社後の定着支援なども行っております。登録支援機関として、特定技能人材への義務的支援にかかるサポートも代行いたしますので、手続きにご不安な方もぜひお気軽にお問い合わせください。

外国人労働者の雇用問題の現状と解決策!事例とともにわかりやすく解説
参照元:e-Gov法令検索「労働基準法」
外国人採用に関するよくある質問
外国人材を採用するにあたって、制度の運用や雇用の形式に関して疑問が生じることも少なくありません。ここでは、企業から寄せられることの多い代表的な質問とその回答をまとめました。
特定技能制度で外国人雇用する際のポイントは?
特定技能1号で外国人を雇用する場合、法律で定められた規定に沿って就労面・生活面の支援計画を確実に実施することが大切です。
出入国時の送迎や住居確保の支援、日本語学習機会の提供、生活オリエンテーションの実施など、幅広いフォローが義務付けられています。自社だけでこれらの支援体制を整えることが難しい場合は、出入国在留管理庁の登録を受けた登録支援機関へ委託するとよいでしょう。
外国人採用におけるアルバイトと正社員の違いは?
外国人採用におけるアルバイトと正社員の主な違いは、対象となる「在留資格の種類」と「就労時間の制限有無」にあります。
アルバイト採用の多くは「留学」や「家族滞在」といった在留資格を持つ人材が対象となります。これらの資格は原則として就労が認められていませんが、出入国在留管理庁から「資格外活動許可」を得ることでアルバイト勤務が可能です。ただし、労働時間は原則として週28時間以内に制限されます。ただし「留学」については、教育機関の長期休業期間中に限り、週40時間の範囲内で1日8時間以内まで認められます(「家族滞在」にこの特例はありません)。上限を超えて働かせないよう厳格な労働時間管理が必要です。
一方、正社員での採用は任せる業務内容に応じた就労ビザの取得が前提となります。ビザが許可されれば、労働基準法の範囲内で日本人と同様にフルタイムで雇用可能です。
参照元:出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
まとめ
外国人採用は深刻化する人手不足の解消にとどまらず、組織の活性化や新たな事業展開など企業に多くのメリットをもたらします。一方で、日本人採用とは異なる法律や手続きが存在するため、事前の正確な理解と適切な準備が欠かせません。
まずは自社の業務に適した在留資格を正しく理解し、不法就労などのトラブルを未然に防ぐことが重要です。また、内定から就労開始までに一定の期間と費用を要する点を見越し、補助金・助成金の活用も視野に入れながら余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
外国人特化の採用支援サービス「Leverages Global」では、特定技能人材の採用・定着支援を強みとしており、即戦力人材のご紹介から入職後の定着に向けた登録支援機関としての支援サービスまで、一貫したサポートを行っているのが特徴です。
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- ・最新の外国人採用市場の動向について
- ・日本国内の人手不足の状況
- ・外国人を採用している企業の意向
- ・採用手段の1つとして外国人採用が選ばれる理由
- ・外国人採用を安心で簡単に進める方法













