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フィリピン人採用の流れは?直接雇用禁止とDMW・MWO手続き

更新日:2026年9月25日

フィリピン人採用の流れは?直接雇用禁止とDMW・MWO手続き

執筆: Leverages Global編集部 (ライター)

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フィリピン人の採用を検討する際、「直接雇用は禁止されている」と聞いて戸惑う採用担当者の方もいるでしょう。フィリピン人の採用では、DMW(旧POEA)・MWO(旧POLO)など独自の機関への手続きが必須です。

本記事では重要機関の役割や審査で見られるポイント、費用の内訳、よくある疑問まで、フィリピン人採用の流れに沿って分かりやすく解説します。

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この記事のまとめ

  • フィリピン人採用では直接雇用が原則禁止され、DMW・MWOへの手続きが必須となる
  • MWO申請の結果通知には1~3ヶ月程度かかり、多くの案件で追加書類の補正要求が発生する
  • 手続きを怠るとOECが発行されず、フィリピン人材を予定通り迎え入れられなくなる恐れがある
  • 人材の特徴や費用の内訳も踏まえたうえで、不安な点は専門アドバイザーに早めに相談するとよい

フィリピン人の直接雇用は原則禁止されている

フィリピン人の採用では、他国籍の外国人と異なり企業による直接雇用が原則禁止されています。これは、海外で就労する自国民が多いフィリピン政府による現地での労働搾取やトラブル、人身売買などを未然に防ぐための措置です。

日本の企業がフィリピン人を採用したい場合、フィリピン政府から認定を受けた送り出し機関を通した手続きが必要です。現地からの呼び寄せはもちろん、すでに日本に在留している方を「特定技能」で採用する場合であっても、原則として認定送り出し機関を経由した手続き(募集取決めの締結など)を行う必要があります(ただし、受入企業がすでにDMWへの登録を済ませている場合は、これらの手続きを省略できるケースがあります)。

ただし、「高度専門職」などの高度技術・専門職ではフィリピン政府が個別に認めた場合に限り、送り出し機関を通さずに採用できる「直接雇用の免除申請」が可能な場合もあります(詳しい申請方法は「直接雇用禁止は免除申請できる場合も」をご覧ください)。また、「永住者」や「日本人の配偶者等」といった身分系の在留資格を持つ方であれば、フィリピン独自の雇用手続き自体が不要で、日本人と同様に直接雇用できます。

外国人材の採用に慣れておらず、通常の在留資格関係の手続きに手一杯の担当者の方もいるかもしれません。しかし、必要なプロセスを踏まないと後々トラブルになる恐れがあるので、フィリピン独自のルールは必ず守りましょう。

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参照元:出入国在留管理庁「フィリピンに関する情報」

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フィリピン人の採用に関連する3つの重要機関

ここでは、フィリピン人の採用に関連する3つの重要機関について解説します。それぞれの機関の特徴や役割などについて把握しておきましょう。

DMW(旧:POEA)

DMWとは「Department of Migrant Workers」の略称で、フィリピン移住労働者省を指します。日本の厚生労働省に相当する機関であり、海外で働くフィリピン人の権利や労働環境を守るのが役割です。かつては「POEA(フィリピン海外雇用庁)」がその業務を担っていましたが、DMW創設法(Republic Act No. 11641、2021年12月30日署名)に基づき、移行期間を経てPOEAの機能はDMWへと統合されました。

日本企業がフィリピン人を雇用するためには、DMWに企業登録を行わなければなりません。フィリピン政府が定める雇用契約の基準や労働者の権利保護が認められたら、フィリピン人に対して海外雇用許可証である「OEC(Overseas Employment Certificate)」が発行されます。OECが発行されないとフィリピン人は就労目的で出国できないため、企業は必ず手続きを行いましょう。

詳しい採用方法は「フィリピン人採用時の手続きのルール」の項目で後述するので、あわせてご覧ください。

MWO(旧:POLO)

MWO(旧:POLO)とは「Migrant Workers Office」の略称で、フィリピンの移住労働者事務所のことです。DMWの海外出先機関に当たるため、世界各地に拠点があります。日本の場合は、東京の駐日フィリピン共和国大使館内と、大阪の在大阪フィリピン共和国総領事内の2ヶ所です。

MWOでは、雇用契約を監督し労働条件が適切かどうか確認したり、フィリピン人と企業間で起きたトラブルを解決するためのサポートを行ったりしています。日本企業がフィリピン人を雇用するには、まずMWOの書類審査や面接を通過しなければなりません。MWOでの書類審査・面接に合格後、DMWに事業所情報が登録されれば、フィリピン人の受け入れが可能です。

MWO東京とMWO大阪のどちらで手続きを行うかは、フィリピン人が実際に就労を行う場所で決まります。MWOへの書類提出の際は、職場の所在地がどちらの管轄に含まれるかを確認しましょう。

【MWO東京の管轄区域】 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、静岡県、山梨県

【MWO大阪の管轄区域】 富山県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、鳥取県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

DOLE

DOLEとは「Department of Labor and Employment」の略称で、フィリピン労働雇用省のことです。フィリピンにおける労働・雇用に関する規制や支援策の策定、監督などを行います。特に海外企業とフィリピン人のあいだで起こる労働上のトラブルには厳正に対処しており、フィリピン人労働者が不当な条件や劣悪な環境のもと働いていないかなどを管理するのが役割です。

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参照元:フィリピン官報(Official Gazette)「Republic Act No. 11641」

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MWO(旧:POLO)申請は厳しく審査される

フィリピン人労働者を保護する観点から、MWO申請は厳しく審査される傾向があります。フィリピン人雇用に適切な企業であることを示せるよう、書類選考や面接はしっかり事前準備をしたうえで臨みましょう。

面接で質問される内容は、フィリピン人を雇用する目的や労働条件などについてです。英語で受け答えをしますが、その際に通訳者を用意しても問題ありません。ただし、弁護士や人材会社の社員などが同席することは禁止されています。

結果通知までにかかる期間

MWOでの審査の標準処理期間は、書類に不備がなければ15営業日以内とされています。ただし、多くのケースで「補正要求(追加書類)」が発生し、対応に時間を要すると、結果通知までの期間はその分延びることになります。補正要求があった場合は、速やかに対応することで手続きの遅延を防ぎましょう。

MWOの審査でよくある補正要求

MWOの審査でよくある補正要求は、下記のとおりです。

  • 本人の仕事内容について、詳細に説明してください。図表や写真を使用していただいても構いません。
  • 本人の見込年収の根拠について、合理的に説明してください。当機関(MWO)で把握している業界相場と比較して少し低いように見受けられますので、納得のいく説明をお願いします。
  • 貴社の仕事をするうえで日本語はどの程度必要なのかについて説明してください。

このように、在留資格の審査とは少し違った観点で審査されます。少し高圧的に感じられるかもしれませんが、事実に即した真摯な対応が大切です。

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直接雇用禁止は免除申請できる場合も

先述のとおり、フィリピン人の直接雇用は原則禁止されているため、認定された送り出し機関を利用しなければなりません。ただし、「直接雇用禁止の免除申請」を行えば、例外的に直接フィリピン人を雇用できる場合があります。

免除申請が許可される条件は以下のとおりです。

  • 業種・職種が高度技術・専門職、国際機関、外交団、国家元首や政府高官などであること
  • 給与や福利厚生、手当などがDMW・MWOの定める最低基準以上(同等の日本人と同等以上)であること
  • 雇用する人材は大卒以上、または担当業務に関する十分な知識・業務経験・必要な資格を有していること

ただし、条件を満たしていても免除が許可されるかどうかはDMW・MWOの個別の判断によるため、必ず申請が通るわけではありません。申請の承認ハードルは高いため、特別な事情がない限りは認定送り出し機関を利用したほうがスムーズに手続きが進む可能性が高いでしょう。

免除申請の流れ

フィリピンに在住するフィリピン人の「直接雇用禁止の免除申請」は、一般的に以下のように手続きを行います。ただし、必要書類や順序は個別の状況により異なるため、詳細はMWO東京・MWO大阪、または送り出し機関にご確認ください。

  1. 必要書類をMWO(東京または大阪)に提出し、審査を受ける
  2. 書類審査に合格後、DMWの担当官による面接を受ける
  3. 日本の出入国在留管理庁(入管)へ「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請を行う
  4. 交付されたCOEのコピーをMWOに送る
  5. MWOから認証済みの書類が送られてくる
  6. 日本の企業からフィリピン人本人へ「COE原本」と「5の認証済み書類」を送付する
  7. フィリピン人本人が現地(在フィリピン日本国大使館等)でビザ(査証)を取得する
  8. フィリピン人本人がビザ・COE・5の認証済み書類等をDMWに提出する
  9. DMWがOEC(海外雇用許可証)を発行する

一見すると、それほど手続きが複雑化した印象はないかもしれません。しかし、実際には審査基準が厳格になっており、申請しても承認をもらえないケースが多いようです。

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フィリピン人の採用で手続きを怠るとリスクが生じる

企業側が手続きを怠ると、フィリピンに在住しているフィリピン人はOEC(海外雇用許可証)が取得できず、出国が許可されません。予定していた人員をスケジュール通りに雇用できない事態もあり得ます。

また、日本に住んでいるフィリピン人を雇用する場合も注意が必要です。企業の手続きが不十分だと、フィリピン人が一時帰国した際にOECを取得できず、フィリピンからの再出国が認められず日本に戻れなくなります。フィリピン人も不利益を被るほか、企業も人材を失う可能性があり業務に支障をきたすでしょう。そのため、手続きの内容や手順について網羅的に把握・準備し、このような事態を未然に防ぐことが大切です。

日本の職業紹介事業者がMWO申請を代理・代行することは許可されていません。手続きを怠ると出国や再入国に支障が生じるため、フィリピン独自のルールを踏まえたスケジュール管理が重要です。

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フィリピン人採用時の手続きのルール

ここでは、フィリピン人採用時の手続きのルールについて解説します。複雑に感じられる担当者の方もいるかもしれませんが、順を追って確認していけば、理解するのはそこまで難しくないでしょう。

母国に在住するフィリピン人の場合

以下は、母国に在住するフィリピン人を採用し、日本に招へいするまでの大まかな流れです。フィリピン人が在留資格「特定技能」を取得するケースを例に挙げて紹介します。

  1. フィリピン政府が認定した送り出し機関を選定し、募集取り決めを締結する
  2. MWOに必要書類を提出し、代表者が面接を受ける
  3. 書類審査と面接を通過すると、MWOから許可書類が送付される
  4. 3の許可書類を送り出し機関経由でDMWに提出する
  5. 企業がDMWに登録される
  6. 送り出し機関が人材を募集し、企業は紹介を受けて雇用する人材を決定する
  7. 企業の担当者が地方出入国在留管理局で在留資格認定証明書交付申請を行う
  8. 在留資格認定証明書が交付されたら、原本をフィリピン人へ送る
  9. フィリピン人が在留資格認定証明書を用いて日本国大使館・領事館でビザ(査証)を取得する
  10. フィリピン人が出国前オリエンテーションと健康診断を受ける
  11. フィリピン人が送り出し機関を通じてDMWにOECの発行申請を行う
  12. フィリピン出国時にOECを提示して来日する

このように、送り出し機関およびフィリピン人との連携が非常に重要です。言葉の壁が心配な場合は通訳を介しながら手続きを進めましょう。

日本に在住するフィリピン人の場合

日本に在住するフィリピン人を雇用する場合も、手続きの流れは上記1~6と同様です。その後、必要に応じて本人が在留資格変更許可申請を行います。

なお、日本に在住するフィリピン人を雇用する場合、本人が「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」といった身分系の在留資格を保有していれば、MWO申請は必要ありません。一方、就労に関する在留資格の場合は申請が必要です。自社の職種・業務に応じた在留資格変更許可申請のほか、企業もMWO申請を行いましょう。

近年、日本に在住するフィリピン人の採用に関しては、ルールがたびたび変更になっています。正確な情報については、その都度MWO東京もしくはMWO大阪に確認するようにしましょう。

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フィリピン人材の特徴|受け入れ時の配慮点

フィリピン人材の採用を検討する際、性格や特徴について知っておきたいと考える採用担当者の方もいるでしょう。傾向をあらかじめ知っておくことで、受け入れ後のコミュニケーションや配置を検討しやすくなります。

フィリピン人材は、英語でのコミュニケーションに慣れている方が多く、ホスピタリティを大切にする傾向が見られるといわれています。また、家族を大切にする価値観から、責任感を持って長く働きたいと考える方も少なくないようです。

本記事では一般的な傾向として紹介していますが、性格や価値観には個人差があり、すべての方に当てはまるわけではありません。実際の受け入れにあたっては、個々のコミュニケーションを大切にすることが重要です。採用後の受け入れ体制づくりについては、実際の導入企業の声も参考になります。

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フィリピン人採用にかかる費用の内訳

フィリピン人材の採用では、DMW・MWOへの申請費用に加えて、送り出し機関への手数料や在留資格関連の手続き費用など、複数の費用が発生します。金額は送り出し機関や職種、雇用形態によって幅があるため、事前に内訳の全体像を把握しておくことが大切です。

  • 送り出し機関への手数料(募集・研修・書類手続きにかかる費用)
  • MWO・DMWへの申請関連費用
  • 在留資格認定証明書交付申請などの行政手続き費用
  • 来日後の住居準備や生活支援にかかる費用

費用の具体的な金額は利用する送り出し機関や職種、契約内容によって大きく異なるため、複数の送り出し機関から見積もりを取り、内訳を比較しましょう。特定技能人材を受け入れる場合は、登録支援機関への委託費用が別途発生することもあります。費用の詳細な内訳や見積もりについては、外国人採用に精通した専門アドバイザーに相談すると、自社の採用計画に合った費用感を把握しやすくなります。

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フィリピン人採用でよくある質問

最後に、フィリピン人の受け入れを検討する企業からよく寄せられる質問をまとめています。

フィリピン人を直接雇用することはできませんか?

原則として、フィリピン人の直接雇用は禁止されています。フィリピン政府が認定した送り出し機関を通す必要がありますが、高度技術や専門職など一定の条件を満たす場合は、直接雇用禁止の免除申請によって例外的に直接雇用できることがあります。詳しくは、本記事の「直接雇用禁止は免除申請できる場合も」で解説しています。

特定技能で採用したフィリピン人材は転職できますか?

特定技能の在留資格を持つ人材は、同一分野内であれば転職が可能です。ただし、受け入れる企業側では、通常の雇用手続きに加えて在留資格変更許可の申請や必要書類の準備といった対応が必要となります。

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MWOの審査に落ちることはありますか?

書類の記載内容が不十分な場合や給与水準の説明に納得性が乏しい場合など、審査で追加の説明を求められるケースは珍しくありません。前述の「MWOの審査でよくある補正要求」で紹介した内容を参考に、事前準備を丁寧に行うことが大切です。

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まとめ

フィリピン人の採用では、就労系の在留資格で採用する場合、原則としてDMWへの企業登録が必要です。手続きを怠るとOECが発行されず、フィリピン人材を予定通り迎え入れられなくなる恐れがあるため、早めに手続きを進めましょう(身分系の在留資格を持つ人材を雇用する場合は、これらの手続きは不要です)。

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