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物流の人手不足はなぜ深刻?原因と2030年に向けた対策を解説

更新日:2026年9月8日

物流の人手不足はなぜ深刻?原因と2030年に向けた対策を解説

執筆: Leverages Global編集部 (ライター)

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物流業界の人手不足が加速している近年、募集をかけても人材が集まらず、ギリギリの状態で回している現場も少なくありません。業務の自動化やロボットの導入が対策として挙げられますが、投資の負担が大きく、すぐには踏み切れない企業もあるでしょう。

本記事では、物流の人手不足が起こる原因を公的データをもとに整理したうえで、業務効率化と採用の両面から企業が取れる対策について解説します。

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この記事のまとめ

  • 物流の人手不足は少子高齢化やEC需要の拡大、2024年問題といった複合的な要因により深刻化している
  • 2025年度の物流業の人手不足倒産は過去最多の55件となり、特に小規模企業で経営への打撃が大きい
  • 人手不足解消に向けた対策は、自動倉庫の導入などによる効率化と、労働環境改善・採用対象の拡大といった人材確保の両軸で進める
  • 倉庫の庫内作業であれば、身分に基づく在留資格などをもつ外国人材を派遣形態で受け入れることが可能

物流の人手不足はなぜ深刻なのか

物流倉庫のイメージ

物流業界の人手不足は、荷物を運びたくても運べない状態が現実になりつつある段階まで来ています。これは一部の企業の問題ではなく、業界全体の構造的な課題です。

まずは公的なデータを参照しながら、現在どのような状況にあるのかを確認しておきましょう。数字で全体像を掴んでおくと、自社が取るべき対策の優先順位を判断しやすくなります。

有効求人倍率は全産業平均を上回る

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について」によると、自動車運転従事者を含む輸送・機械運転従事者の2026年6月の有効求人倍率は2.00倍で、全職業の平均値である1.01倍を大きく上回っています。ここ数年の数値を見ても2倍前後で推移しており、2社で1人の求職者を取り合っているという状況です。

倉庫内の運搬や仕分けといった作業(運搬・清掃・包装等従事者)においても、慢性的な求職者不足が続いています。このように、求人を出しても応募が集まりにくいという物流現場の実感は統計にも表れていることが分かるでしょう。有効求人倍率が高い状態では、雇用条件を他社と横並びにしていても人材確保につながりにくいため、求職者が集まるような工夫が必要です。

国土交通省が示す将来の輸送力不足

物流は国民生活や経済を支える重要な社会インフラに位置づけられる一方で、労働力不足や2024年4月に適用されたトラックドライバーへの時間外労働の上限規制など、多くの課題に直面しています。こうした状況はいわゆる「2024年問題」と呼ばれています。国土交通省は、対策を講じなかった場合、2030年度のトラック輸送で約34%の輸送力が不足すると試算していました。

しかし、この数字は2026年2月に開催された検討会で見直しが行われています。同省の「2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会 提言案」によると、当初想定されていた約34%の需給ギャップのうち約14%は、「2024年問題」に対応する官民の取り組みの成果などで概ね克服されました。あわせて、輸送需要そのものも約12%減少したとされています。

そのうえで最新の再検証では、2030年度に平均で約7%、最大で約25%(1.7億トン〜7.2億トン)の輸送力不足が生じる可能性が指摘されています。関係各所の協力により改善は進んでいるものの、依然として継続的な対策が必要な状況です。

POINT「2030年度に輸送力が約34%不足する」という数字は、現在の国土交通省の見通しとは異なります。最新の再検証では平均で約7%、最大でも約25%という試算です。古い数字を前提に環境整備や採用の計画を立てると、必要な対策の規模を見誤る恐れがあるため、物流を取り巻く課題への動向は常にチェックしておきましょう。
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人手不足の職業ランキングを紹介!働き手が不足する要因と対策を徹底解説

参照元:

厚生労働省「職業安定業務統計

政府統計の総合窓口(e-Stat)「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)

国土交通省「2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会

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物流の人手不足が起きる5つの原因

トラックに荷物を載せる作業員男性の画像

物流の人手不足が起きる背景には、労働力の供給が減る要因と運ぶ荷物が増える要因が同時に働いています。片方だけ見ても実態を掴めないため、多角的な視点が必要です。

ここでは、物流の人手不足が起きる主な原因を5つに整理します。自社に当てはまるものがどれかを確認しながら読み進めてみてください。

少子高齢化で労働力人口が減っている

生産年齢人口の減少は日本全体で進行しており、物流業界も例外ではありません。政府統計の総合窓口(e-Stat)が公表している「労働力調査(年齢階級,産業別就業者数)」では、2025年に道路貨物運送業で働く約200万人のうち、40~64歳が131万人であるのに対し、15~39歳は47万人にとどまります。中高年層に大きく偏った構成であり、今後の退職によって担い手がさらに減る見通しです。

倉庫の現場でも同様です。倉庫業で働く約28万人のうち、40~64歳が18万人、15~39歳が7万人と、同じ傾向がみられます。若手人材の確保がままならないなかで従業員の高齢化が進むと、体力的な負担を伴う作業を継続できる人員が先細りするのは避けられません。

EC市場の拡大で荷物量が増えた

EC市場の拡大も、物流の人手不足が加速する理由の一つです。経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」によると、2014年からの10年間で、消費者向け電子商取引の市場規模は約2倍に成長しています。小口の荷物が大量に発生する構造へと変化していき、1件あたりの単価は下がる一方で仕分けや梱包、配送についてはこれまで以上に手間がかかっているのが実情です。

加えて、受け取り人不在時の再配達も現場の負担を押し上げる要因となっています。宅配ボックスや置き配の利用拡大により、再配達率は徐々に減少し、国土交通省の調査では2026年4月時点で7.6%まで下がりました。しかし、 国土交通省が2030年度までに目指す「多様な受取方法の利用率50%程度」(2026年4月時点では約31.0%) という目標に対しては、現場の負担軽減は依然として道半ばです。

2024年問題で労働時間に上限がついた

2024年4月からは、自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が適用されました。自動車運転者の場合、時間外労働の上限は年960時間とされており、一般の業種に適用される「月100時間未満」「複数月平均80時間以内」といった規制は当面適用されません。

また、長時間労働・過重労働になりやすい自動車運転者の健康と国民の安全を確保することを目的として、拘束時間や休息期間について定めた「改善基準告示」(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)も見直されました。

労働環境の改善という点では前進していますが、1人当たりが働ける時間が縮小されたため、これまでと同じ就労人数でも運べる量が減ることになります。輸送力の観点では供給を押し下げる方向に働いてしまっているため、この規制への対応が業界全体の課題となっているのが現状です。

賃金水準と労働環境が敬遠されている

一般的なイメージとして、物流業界は長時間労働や身体的な負担の大きさに対して、賃金水準が見合っていないと捉えられがちです。実際に他産業と比較すると、年収と労働時間のバランスに課題があることがわかります

平均年収年間平均労働時間
大型トラック507万2,400円2,496時間
中型・小型トラック448万5,500円2,388時間
全産業541万600円2,083時間

参照:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 / 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

※年収は「きまって支給する現金給与額」を12倍し「年間賞与その他特別給与額」を足して算出 ※労働時間は「所定内実労働時間数+超過実労働時間数」を12倍して算出

こうした待遇面の実態に加え、「きつい・汚い・危険」といった偏ったイメージが先行してしまい、求人票で他業種と比較されたときに応募が集まりにくくなっているのが現状です。

同じ構図は製造業でも起きています。業種をまたいだ人手不足の背景については、以下の記事をご参照ください。

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製造業はなぜ人手不足?データを参考に原因や企業ができる対策を解説

倉庫作業は人が集まりにくい

倉庫の庫内作業は、ピッキングや検品、梱包といった定型的な業務が中心です。専門的なスキルや資格が求められにくい一方で繁忙期と閑散期の差が大きく、安定した人員の確保が難しい特性があります。倉庫の立地が郊外や工業団地に集中していることも多く、通勤の面で候補者が限られるという課題も挙げられるでしょう。

EC需要の伸びによって庫内作業そのものは増えているものの、人手不足でこの工程が滞ると配送以前の段階で出荷が止まってしまいます。日本人の応募だけでは十分な数の人材を揃えるのが難しい現場も出てきています。ドライバー不足と並ぶ課題として押さえておきたいポイントです。

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人手不足の原因と6つの解決策|深刻な業界で外国人雇用が進む理由

参照元:

政府統計の総合窓口(e-Stat)「労働力調査

政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査

経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

国土交通省「宅配便の多様な受取方法の利用率は約31.0%~前回調査(令和7年10月)に比べ1.1%増加」」

厚生労働省「建設業・ドライバー・医師の働き方改革総合サイト

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物流の人手不足が企業に与える影響

物流業界の人手不足は、単なる「現場の忙しさ」だけに留まる問題ではありません。輸送力の低下とコストの上昇を通じて、経営そのものにも影響を及ぼします

輸送力の低下と物流コストの上昇

輸送力が低下すると、一度に運べる荷物の量が減少します。その結果、納品までの日数が延びたり受注を制限せざるを得なくなったりするため、物流事業者にとっての機会損失は避けられません。さらに、顧客である荷主にとっても、消費者へ安定的に商品を届けるためのサプライチェーン(供給連鎖)が寸断される恐れが生じます。より安定した委託先へと取引が切り替えられるなど、事業基盤そのものが揺らぐリスクが高まります。

加えて、人材を確保するための賃上げや外部委託の増加により、物流コストは上昇傾向にあります。運賃の適正化が進む一方で、これらのコスト負担をどのように吸収していくかが、人手不足に悩む企業にとっての大きな経営課題です。

人手不足倒産が増えている

帝国データバンクの調査によると、2025年度の人手不足倒産は441件で、前年度の350件から91件(約1.3倍)増加しました。年度ベースで初めて400件を超え、3年連続で過去最多を更新しています。

なかでも、トラック運送業を含む物流業では55件と、過去最多を記録しました。2023年度が46件、2024年度が42件と高止まりが続いており、2024年4月から適用された時間外労働の上限規制が影響したといわれています。

注目したいのは企業規模です。人手不足で倒産した企業全体のうち77%が、従業員10人未満の小規模企業でした。このような少人数経営の会社では、従業員1人の退職が事業の継続に多大な影響を及ぼしているという実態が表れています。大掛かりな投資は難しくとも、採用面でできる対策は早めに着手しておくことが重要です。

関連記事
日本人採用の「補完」から、組織の維持拡大に寄与する重要な存在へ

参照元: 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)

帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2024年度)

帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2023年度)

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物流の人手不足を効率化で解消する対策

ロボットが使われている物流倉庫の画像

人手不足への対策は、限られた人数で現場を回せるようにする効率化と採用による人員増加の主に2つの方向に分かれます。まずは、効率化による対策について見ていきましょう。

効率化は、継続的な人手不足解消の効果が見込まれる一方、多くは設備投資を伴います。自社の投資余力と照らし合わせたうえで検討してみてください。

自動倉庫やロボットで省人化する

自動倉庫や搬送ロボット、自動仕分け機といったテクノロジーの導入により、庫内作業で必要とする人員を最小限に抑えることができます。なかでも、搬送や仕分けは自動化の効果が顕著に表れやすい工程です。

しかし、倉庫の確保やロボットの購入にかかる初期費用が大きく、定期的なメンテナンスも発生するため、投資回収に時間を要します。そのため、一度に全工程を自動化するのではなく、負担の大きい工程から段階的に導入する方法がおすすめです。

倉庫管理システムでDXを進める

DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術を駆使することで、既存の業務プロセスや事業のあり方を改革することを意味します。

物流におけるDXの推進として代表的なものの一つが、倉庫管理のシステム化です。倉庫管理システムを導入することで、細かい確認や転記に時間がかかる紙やExcelでの管理から脱却でき、在庫の所在や作業の進捗をリアルタイムで把握できるようになります。

また、配車システムの導入による配送ルートの最適化も、走行距離とドライバーの拘束時間の短縮につながる取り組みです。いずれも設備そのものの導入よりも初期投資額を抑えやすい選択肢のため、初めての業務効率化として検討してみてください。

モーダルシフトや共同配送に転換する

「モーダルシフト」とは、トラックなどの自動車で行われている貨物輸送の一部を、より環境負荷が軽く一度に大量に荷物を運べる鉄道や船舶での輸送に切り替えることです。長距離輸送によるドライバーの負担を減らせるほか、トラック以外の輸送手段を確保しておくことで、災害や道路の寸断といった急な物流障害にも対応しやすくなります。配送先が同じまたは近い複数の荷主の積載物を積み合わせる「共同配送」も、車両の積載効率アップに有効です。

ただし、どちらの方法も自社だけでの完結が難しいため、荷主や同業他社との連携・調整が必要不可欠となります。今すぐに実行できる対策ではないという点は押さえておきましょう。

なお、国土交通省ではこのような物流の効率化に対する支援策を展開しています。必要に応じてぜひ活用してみてください。

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介護の人手不足は嘘?データで見る現状と5つの原因・解決策

参照元:国土交通省「モーダルシフトとは

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物流の人手不足を採用で解消する対策

現場の効率化と並行して必要なのが、働く人を確保するための対策です。コストが重い設備投資になかなか踏み切れない場合も、採用活動の工夫であれば比較的着手しやすいといえます。

特に、予算がタイトな中小規模の事業者にとっては、より現実的な選択肢になる場面が多いでしょう。

労働環境と待遇を見直す

物流業界の人手不足解消において、求人募集をかける前に実施しておきたいことが「選ばれる職場づくり」です。有効求人倍率が高い物流業界は求職者が有利な立場の「売り手市場」に当たるため、求職者側は他業種の条件と細かく比較しながら就労先を選択しています。そのため、労働環境と待遇の改善は、採用力強化と離職防止の両面に効いてきます。

特に優先して見直すべきポイントは、給与・福利厚生の適正化と働きやすい環境の整備です。なかでも、賃金水準の引き上げは効果の大きい手段ですが、原資の確保が前提となるため慎重に検討しましょう。あわせて荷待ち時間の削減や休憩設備の充実、シフトの柔軟化など、日々積み重なりやすい負担を減らす取り組みも人材確保と定着につながります。

運賃の適正化を荷主と交渉し、そのぶんを従業員の待遇改善に回すという流れも各所で進んでいます。採用コストを抑えるためにも、まずは自社の労働環境を見直すところからスタートしてみましょう。

採用ターゲットの幅を広げる

これまでの応募で中心となっていた層だけを対象にしていては、母集団そのものが増えません。男性が多い職場ならば女性を、同業からの転職が多い職場ならば他業種からの転職者を取り込むなど、対象を広げる発想が必要です。定年後も働き続けたいシニア層も、経験を活かせるポジションであれば有力な候補になります。

そのためには、募集条件だけを変えるのではなく、短時間勤務の枠を用意したり、体力的な負担を軽減する設備を整えたりといった受け入れ側の準備も伴います。また、教育体制の充実や中型・大型トラックの運転に必要な免許取得の支援なども、幅広い層からの応募につながりやすくなるでしょう。

採用ターゲットの幅を広げる方向の一つが外国人材です。適切な受け入れ体制の整備や教育を行うことで、貴重な戦力として活躍してくれます。外国人材を採用するメリットと注意点については以下の記事にまとめているので、ぜひご一読ください。

関連記事
外国人労働者を受け入れるメリット・デメリット|雇用の基本的な流れも解説

人材派遣やアウトソーシングを使う

繁忙期だけ人員を増やしたい場合や、自社での採用活動が追いつかない場合は、人材派遣の活用が選択肢になります。募集や採用にかかる工数を派遣元に任せられる点もメリットです。

自社の物流業務の一部を外部の専門企業へ委託する「アウトソーシング」という方法もあります。荷物量の増減に合わせた柔軟な運営体制を確保できる一方、社内にノウハウが蓄積しにくいという一面もあるため、どこまでを委託するかの見極めが重要です。

派遣とアウトソーシングの違いは、業務の指揮命令を自社が担うかどうかにあります。庫内の作業手順を自社で管理したい場合は派遣、工程ごと任せたい場合は委託と考えると整理しやすいでしょう。

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外国人採用の進め方!メリットや手順・注意点を解説【2026年版】
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物流の人手不足は外国人材でも補える

外国人と働く物流会社の人々の画像

採用の幅を広げる方向として、外国人材の受け入れは有力な選択肢です。ただし、在留資格によって従事可能な業務や雇用形態が異なります。特に、倉庫の庫内作業とドライバーでは前提が変わるため、以下を参考にそれぞれを分けて理解しておきましょう。

物流業で働く外国人は増えている

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で、前年から26万8,450人(11.7%)増加し過去最多を更新しました。また、外国人材を雇用する事業所数は37万1,215所にのぼり、前年から2万9,128所(8.5%)増加しています。届出が義務化された2007年以降で最も多い水準を記録しており、外国人材の受け入れは、もはや一部の大企業だけの取り組みではないことが分かるでしょう。

在留資格別では「専門的・技術的分野の在留資格」が86万5,588人と最も多く、次いで「身分に基づく在留資格」が64万5,590人、「技能実習」が49万9,394人という調査結果です。

運輸業・郵便業でも受け入れは広がっており、雇用事業所数は1万464所、外国人労働者数は8万5,477人となっています。業種を問わず、受け入れ企業のすそ野が着実に広がっていることがうかがえるでしょう。

倉庫の庫内作業は派遣で受け入れられる

外国人材を採用する際、まず理解しておくべき重要なポイントは「在留資格によって就労可能な業務範囲が異なる」という点です。すべての外国人材がどのような業務にも就けるわけではなく、資格によっては職種や雇用形態に制限がある場合もあります。

ただし、永住者や定住者、日本人の配偶者等といった「身分に基づく在留資格」には、就労できる職種に制限がありません。そのため、倉庫の庫内作業を任せる人材派遣という形で、柔軟な受け入れが可能です。また、本来は就労が認められていない留学生も「資格外活動許可」を得ていれば、原則として週28時間以内(長期休業期間中は1日8時間以内)の範囲で働けます。この上限を超えて働かせた場合、企業側が不法就労助長罪に問われるおそれがあるため、シフトの管理には注意が必要です。

繁忙期に合わせて人員を調整したい現場にとっては、こうした人材も頼れる戦力になります。

在留資格ごとに就労できる範囲や時間の上限は、外国人材を受け入れる前に必ず確認しておくべき事項の一つです。以下の記事で詳しく解説しているので、採用活動を始めるまでにしっかり把握しておきましょう。

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外国人を派遣社員として雇える?雇用のメリット・デメリットや注意点を解説

ドライバーは特定技能の別分野になる

トラックなどの運転業務は、特定技能の「自動車運送業分野」という枠組みで受け入れる形になります。この分野の雇用形態は直接雇用に限られており、派遣による受け入れはできません。加えて、日本の各運転免許の取得や分野別に設けられた技能評価試験、日本語試験への合格が必要です。日本語試験の水準は区分ごとに異なり、トラックは日本語能力試験N4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト)、タクシーとバスはN3以上が求められます。

倉庫の庫内作業とは制度が分かれているため、まずどちらの人員を増やしたいのかを整理したうえで、それぞれのポジションに適した外国人材を配置するようにしましょう。

CHECK特定技能は分野ごとに受入れ上限があり、達すると新規受け入れが制限されます。実際に外食業分野では2026年4月から新規の受け入れが原則停止しました。自動車運送業分野の上限は2024年度から5年間で2万4,500人で、現時点では余裕がありますが、動向の確認は必要です。

受け入れ後の定着に必要な体制

外国人材の採用では、長期的な定着に向けた受け入れ体制がその後の成果を左右します。単に人員を補充するだけでなく、外国人材が安心して長く働ける環境を整えることが、物流現場の安定した生産性と早期離職の抑制にとって重要です。

具体的には、作業手順に写真や図を用いて視覚的な理解を促したり、ルールや禁止事項を母語で伝えて安全教育を徹底したりするといった取り組みが挙げられます。こうした工夫が外国人材の離職を防ぎ、現場の戦力として定着させるカギとなるでしょう。

なお、外国人材を派遣で受け入れる場合、在留資格の確認や更新の管理も派遣元が担うため、初めての企業にも着手しやすくなります。Leverages Global(レバレジーズグローバル)では、物流倉庫での受け入れ実績をもとに、自社に合う人材像の整理からご相談を承っています。 少しでもご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

外国人派遣・請負サービスについて詳しく知る

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特定技能とは?制度の仕組みや技能実習との違いをわかりやすく解説

参照元:

厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)

出入国在留管理庁「資格外活動許可について

出入国在留管理庁「自動車運送業分野

出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について

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物流の人手不足に関するよくある質問

最後に、物流の人手不足に関するよくある質問についてお答えします。

物流の人手不足はいつまで続きますか

国土交通省が開催した検討会による試算では、対策を講じなかった場合、2030年度には平均約7%から最大約25%(1.7億トン〜7.2億トン)の輸送力不足が生じうるとされています。取り組みが順調に進展したとしても、輸送力不足を完全に解消できるとは限らないため、少なくとも数年単位で続く前提で計画を立てるのが現実的です。

一方で、当初想定されていた約34%という見通しのうち約14%は克服しており、官民の取り組みが効果を上げている面もあります。効率化に向けた設備投資と安定的な人材確保の両輪を軸に据え、自社の状況に合った対策を進めることが大切です。

中小企業でも取れる対策はありますか

人手不足倒産の多くが従業員10人未満の企業であることを踏まえると、規模の小さい事業所ほど早めの対応が求められます。自動倉庫のような大型投資が難しい場合も、倉庫管理システムの導入や採用対象の拡大などは比較的着手しやすい対策です。人材派遣を利用すれば、採用活動にかかる工数を抑えながら必要な時期に絞って人員を確保できます。

参照元:

国土交通省「2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会

帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)

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まとめ

物流の人手不足は、労働力人口の減少とEC需要の拡大、2024年問題という3つの要因が同時に働いて起きています。国土交通省の再検証では、官民の取り組みを織り込んだうえでも2030年度に平均で約7%、最大で約25%の輸送力不足が生じうるとされており、数年単位で向き合う前提での計画が必要です。

対策は、限られた人数で回すための効率化と、働く人を増やす採用の2軸に分かれます。自動倉庫などによる省人化は初期費用の負担が重く、設備投資に踏み切れない場合は採用の工夫から着手するのが現実的です。倉庫の庫内作業であれば、身分に基づく在留資格をもつ外国人材を人材派遣で受け入れられます。ドライバーは直接雇用に限られるため、どちらの人員を増やしたいのかを整理してから進めましょう。

Leverages Global(レバレジーズグローバル)は、物流倉庫や食品製造の現場に向けた外国人材派遣サービスを提供しています。どの在留資格の人材が自社に合うか判断がつかない段階でも、外国人採用に精通した専門アドバイザーがご相談を承ります。まずはサービス資料をご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。

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