製造業が人手不足に陥る5つの原因と対策を最新データで解説
更新日:2026年9月16日

執筆: Leverages Global編集部 (ライター)
製造業の人手不足は、「求人を出しても応募が集まらない」「ベテランの退職が近い」といった形で多くの現場で表面化しています。景気による一時的なものではなく、働き手そのものが減り続ける構造的な課題のため、原因を押さえた対策が欠かせません。
本記事では、公的データで見た製造業の人手不足の現状と5つの原因を解説します。企業ができる対策と外国人材の活用もまとめたので、自社の打ち手を考える参考にしてみてください。
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この記事のまとめ
- 製造業の人手不足は働き手の減少による構造的な課題や「3K」というネガティブな先入観など、複数の要因が重なって慢性化している
- 製造業の就業者数は2025年に1,033万人となり、2002年からの20年あまりで170万人近く減少している
- 将来の担い手不足や技術継承の停滞が重なると、納期遅延や事業縮小のリスクが高まり、倒産せざるを得なくなる可能性がある
- 採用の間口拡大や業務DXによる省人化、多能工の育成、外国人材の活用などを組み合わせることが人手不足解消の近道となる
製造業の人手不足は、景気の波による一時的なものではなく、働き手そのものが減り続けていることによる構造的な課題です。まずは公的なデータで、どの程度深刻なのかを押さえておきましょう。
ここでは、求人と就業者数の動きから業種別の深刻度、定職者の再雇用の状況まで、4つの切り口で製造業の人手不足の現状を整理します。
有効求人倍率と就業者数の推移
製造業の人手不足を測るうえで、まず押さえたいのが求人と働き手の動きです。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」によると、2025年度平均の有効求人倍率は1.20倍で、前年度の1.25倍から0.05ポイント低下しました。
数字だけを見ると採用しやすくなったように思えますが、現場の実感とは一致しないようです。経済産業省などがまとめた「2026年版ものづくり白書」によると、製造業の就業者数は2024年の1,046万人から2025年には1,033万人へと減少しています。2002年は1,202万人だったため、20年あまりで170万人近く減った計算です。
つまり、求人倍率が下がっても製造業の採用が楽にならないのは、応募が減っているだけでなく働き手そのものが減り続けていることも大きく影響しています。採用活動の工夫だけで解決しにくいのは、こうした構造的な要因があるからです。
若年層の減少と高齢化の進行
製造業の就業者のなかでも若年層は減少傾向にあります。
先述した「2026年版ものづくり白書」を見ると、製造業で働く34歳以下の若年就業者は2002年の384万人から減り続け、2025年には258万人となりました。製造業で働く人に占める34歳以下の割合も、2002年の31.4%から25%まで下がっています。
若年就業者は業界の将来を担う存在です。現場を支える世代が入れ替わらないまま高齢化が進むと、数年後にまとまった退職者が出て、一度に人手が足りなくなる事態も起こり得ます。企業の人手不足解消と存続のためにも、若手の採用と育成の両方を並行して進める対策を考えましょう。
業種別に見る人手不足の深刻度
人手不足の感じ方は業種によって差がありますが、製造業は不足の状態が長く続いている業種の1つです。同資料が引用する中小企業庁「中小企業景況調査」によると、中小企業における製造業の従業員数過不足DI(従業員が「過剰」と感じている企業の割合から「不足」と感じている企業の割合を引いた数値)は、2025年にマイナス17.9となりました。新型コロナウイルス感染症の影響が広がる前の2019年(マイナス18.2)に近い水準まで、不足超過の状態に戻っているのが現状です。
人手不足を外国人材で補う動きも、製造業が先行しています。厚生労働省の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」を見ると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で過去最多となりました。産業別では製造業が最も多く、全体の24.7%(63万5,075人)を占めています。人手が足りない業種のなかでも、製造業はすでに採用のすそ野を広げてきた業種だといえるでしょう。
ほかの業種と比べた人手不足の状況は、以下の記事にまとめています。

人手不足の職業ランキングを紹介!働き手が不足する要因と対策を徹底解説
定年退職者の再雇用が進む背景
製造業における技術者の減少を食い止めるために、定年退職した人材を再雇用したり雇用期間を延長したりする企業も一定数存在するようです。「2026年版ものづくり白書」によると、製造業で働く65歳以上の高齢就業者数は2002年の58万人から2025年には85万人へと増えています。
高齢就業者を再雇用・雇用延長する目的の多くは、若年就業者への技能継承および人員補充です。長期間製造業に従事してきた高齢就業者の場合、熟練の技術が身についているため、製造業を支える重要な人材といえます。一方で、「再雇用できるとは限らない」「肉体的な限界がある」など課題があるのも事実です。また、若年就業者に比べると将来的な就業期間も限られるため、高齢従業員の再雇用だけで人材不足を解消するのは難しい側面があります。

外国人労働者が多い職種ランキング!在留資格ごとの解説も
参照元:
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」
経済産業省「2026年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)」
厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」

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製造業の人手不足は、1つの要因で起きているわけではありません。人口構造の変化に業界特有の事情が重なり、さらに近年は転職の一般化や採用コストの上昇も影響しています。
ここでは、製造業が人手不足に陥る5つの原因を順に見ていきましょう。
少子高齢化による労働人口の減少
日本は少子高齢化が進んでおり、若年層の労働者が年々減少しています。近年では開発が進んでいる都市部に拠点を構える企業が増えており、就職のために地方から大都市へと上京する人も多いようです。
製造業の企業は、その多くが広大な土地を求めて地方に工場を建設するため、都市への人口密集も相まって人材確保の難易度が高まっています。少子高齢化と都市部への人口流出が続けば、製造業の人手不足はさらに深刻さを増すでしょう。
技術継承が進まない教育体制
製造業では技術をもつ多くの人材の高齢化が進んでおり、すでに退職している人もいるため継承が難しく、後継者育成が難航しています。
これまでは技術者の業務を若い労働者が実際に見て学び、スキルを習得する方法が一般的でした。しかし、若年層が不足する現在では現実的な方法とはいえず、技術継承がますます困難になっており、製造業に欠かせない技能人材は不足の一途をたどっているのが実情です。
この状況は、教える側の不足という形でも表れています。「2026年版ものづくり白書」によると、製造業における能力開発や人材育成の問題点として、62.8%の事業所が「指導する人材が不足している」と回答しました。
教える人が足りないまま新人を現場に配属すると、うまく業務を進められないことが早期離職を招いてしまい、結果として指導できる人がさらに減るという事態に陥りやすくなります。人手不足を解消するには、今後どのように技術継承を行うかが課題になるでしょう。
3Kイメージによる若者の製造業離れ
製造業には、若い世代から「きつい・危険・汚い」といった、いわゆる「3K」のイメージが根強く残っています。
製造業は生活必需品の部品を製造・加工したり、建設に必要な材料や重機を提供したりする大切な仕事です。しかし、バブル崩壊後の大規模リストラや時代の変化から将来への不安も大きく、ネガティブなイメージをもっている人も少なくありません。仕事内容や大変さは職場によって差がありますが、油や薬品の匂いがきつく汚れやすい、24時間稼働しているところは勤務シフトが過酷というイメージが浸透しているようです。こうした先入観から就職先の候補として選ばれにくく、人手不足を助長する一因となっている側面があります。
昨今は、職場環境や安全管理の改善が急速に進んでおり、以前とは異なる快適な現場も増えてきました。しかし、依然として「油や薬品を扱う作業がある」「24時間稼働で夜勤シフトがある」といった業務内容そのものが、就職活動における敬遠材料となっていることが考えられます。
転職の一般化による人材の流動化
同じ会社に定年まで勤めることが当たり前ではなくなり、製造現場でも人材の流動化が進んでいます。技能を身につけた人ほど他社からスカウトの声がかかりやすく、待遇や職場環境に差があると転職につながることもあるでしょう。
採用した人数と同じだけ退職者が出てしまうと、現場の人手は増えません。とにかく働き手を増やそうと人材確保だけに力を入れると、採用と離職を繰り返してコストばかりがかさむ状態に陥ってしまいます。
流動化そのものを止めることは難しいため、人材を確保すると同時に「選ばれ続ける職場をつくる」という発想への切り替えが必要です。定着に向けた具体的な取り組みは、後述する「製造業の人手不足を解消する対策」で解説します。
採用コストの高騰と採用難
労働人口の減少による採用競争が続くなか、1人を採用するまでにかかる費用は上がりやすくなっているのが実情です。求人媒体に掲載しても応募が集まらず、掲載期間を延ばしたり複数の媒体を併用したりすると、そのぶん費用がふくらんでいきます。
採用コストが上がると、欠員が出ても募集に踏み切れないという状況も発生するでしょう。現場の従業員が一時的に不足分を負担するものの、労働環境の悪化から結果的に離職が続いてしまうというケースがあります。費用をかけて採用するだけでなく、今いる人材で現場を回せる効率的な体制づくりや、これまで採用対象ではなかった層への間口の拡大もあわせて考えることが大切です。

【2025年】外国人雇用でもらえる助成金7選|金額や条件を徹底解説
参照元:経済産業省「2026年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)」
慢性的な人手不足は、企業と業界の双方にマイナスな影響を及ぼします。人手不足によって顕在化している問題を正しく把握し、経営に支障が出る前に対策を講じましょう。
ここでは、生産や品質、技術、経営などへの影響を5つに分けて解説します。
生産力の低下と納期遅延
人手不足の影響が最初に表れるのは生産現場です。稼働できるラインや人員が限られると受注量に対して生産が追いつかず、納期の遅れや残業の常態化を招きます。しかし、生産を優先すれば、検査や後片付けといった工程に十分な時間を割けなくなることも懸念点です。その結果、不良品の流出やクレームにつながる可能性もあるでしょう。
納期と品質は、取引先からの信頼を左右する重要な要素です。人手不足は現場の負担増加にとどまらず、今後の受注や事業継続にも直結する経営課題といえます。
過重労働による離職の悪循環
人手不足によって一人当たりの業務量が増えてくると、過重労働や有休消化率の低下、残業の慢性化といった問題が起きやすくなります。労働環境が悪化すると離職者が増え、さらに人手不足が深刻になる負のスパイラルに陥る場合もあるでしょう。また、モチベーションやパフォーマンスの低下がミスや事故を誘発する恐れもあり、労働災害や製品の品質低下を招きかねません。
技術やノウハウの喪失
人手不足が続くと、ベテランがもつ技術やノウハウが社内に残らないまま失われていきます。図面や手順書には落とし込めない加工の勘どころやトラブル時の判断は、長年の経験を通じて培われてきたものだからです。
特定の技術者しか担当できない工程が残っていると、その人が抜けた時点で生産が止まってしまう可能性もあるでしょう。属人化した工程がどれだけあるかを把握しておくと、優先して手を打つべき箇所が見えてきます。
競争力の低下
人手不足が続くと、将来の組織運営を支える人材が不足し、結果として競争力の低下を招く恐れがあります。本来であれば新人教育を担うべき中堅社員が不足分をカバーするために業務過多となり、新入社員の育成や新たな事業への挑戦機会が制限されていくでしょう。
また、十分な成長環境が得られなければ、若手人材が競合他社へ流出する可能性も高まります。次世代を担う人材の育成にリソースを割けない状況が続くと、創造力や高度な判断力を要する業務の維持が難しくなり、事業成長を長期的に停滞させる要因となりかねません。
事業縮小や倒産のリスク
人手不足が深刻化すると、事業縮小を余儀なくされたり倒産したりするリスクが懸念されます。製造業では少人数体制で現場を回している企業も多く、欠員によっては生産ラインの維持が難しくなるケースもあるでしょう。場合によっては、黒字経営にもかかわらず倒産せざるを得ない企業もあります。
安定した生産体制を維持するためには、正社員やパートの積極的な雇用が不可欠です。しかし、労働人口の減少といった社会的な課題もあり、求人を出すだけでは十分な人材を確保しにくい状況となっています。今後は採用活動の強化に加えて、DXによる省人化や労働環境の改善など、限られた人数で高い生産性を維持できる体制づくりを総合的に進めていく必要があるでしょう。

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人手不足を解消するためには、「採用の間口を広げる」「少人数でも生産性を維持できる体制を構築する」「働きやすい職場環境をつくる」の3方向で対策を考えると整理しやすくなります。
以下で、製造業の人手不足を解消する具体的な6つの対策をチェックしてみましょう。
採用の間口を広げる
これまでと同じ条件で募集しても応募が集まらない場合は、求める人物像そのものの見直しが母集団の拡大につながります。年齢や性別、経験の条件をどこまで緩和できるか整理してみましょう。
ここでは、採用の間口を広げる3つの選択肢を紹介します。
女性やシニアの活躍を進める
中高年の男性が多く活躍している印象が強い製造業ですが、女性やシニア層の活躍をさらに推進することが採用活動成功の近道となるでしょう。
重量物の運搬や高所作業といった身体への負担の大きい工程は、補助機器や台車の導入で負担を軽減できます。男女別の更衣室や休憩室の整備、短時間勤務の導入といった環境面の見直しも、応募のハードルを下げる取り組みの一つです。
長く現場を経験してきたシニア層には、若手への技能継承という役割も期待できます。フルタイムにこだわらず、週3日勤務や指導役としての関わり方を用意すると、双方にとって続けやすい形を実現できるでしょう。
未経験者を採用して育てる
応募条件を経験者だけに絞ると、そもそも応募できる人が限られてしまいます。作業手順を標準化し、写真や動画のマニュアルを整えておくことで、未経験者にも早い段階から1人で工程を任せられるようになるでしょう。
また、「どの作業をどれくらいの期間で覚えてもらうか」という育成計画をあらかじめ立てておくと、受け入れる現場の負担も読みやすくなります。教える側の時間を十分に確保することも、未経験採用を成功させるために欠かせない条件の一つです。
就職支援機関を活用する
ハローワークや転職エージェントといった就職支援機関と連携して採用活動を進めれば、人手不足をスムーズに解消できる可能性があります。
人材紹介会社や派遣会社は、企業が提示する条件に合致する人材を自社に登録している求職者のなかから探して紹介してくれるため、採用期間を短縮できる点が魅力です。無料で求人を掲載できたり労働契約を結ぶまでは費用が発生しなかったりと、利用するサービスごとに特徴があります。自社に合った就職支援機関をうまく活用して人手不足解消を目指しましょう。
業種を問わず活用できる打ち手を確認したい場合は、以下の記事もご参照ください。

人手不足の原因と6つの解決策|深刻な業界で外国人雇用が進む理由
DXと自動化で省人化を進める
産業用ロボットの導入やAIによる業務の自動化など、DX化を進めることで作業工数が適正に保たれ、生産性の向上につながります。DX化を推し進める1人当たりの業務量が減るため、残業時間の削減や有休消化率アップといった効果も期待できるでしょう。また、技術や知識の継承も、データベース化によって技能人材だけに頼ることなく後継者育成を進められます。
なお、省人化は人を減らすための取り組みではありません。「限られた人数で現場を回すための投資」と捉えると判断しやすくなります。まずは工程ごとに人手がかかっている作業を洗い出し、特に効果が得られそうな工程から着手するのが望ましいでしょう。
多能工を育成して現場を支える
多能工とは、複数の工程を担当できる人材のことです。一人ひとりが受け持てる範囲が広がると、急な欠員や繁忙期に生じる業務負荷の偏りにも配置転換で対応しやすくなります。
育成の第一歩は、「誰がどの工程をどこまでできるか」を一覧にすることです。スキルマップとして可視化すれば、特定の人材に頼っている工程や次に覚えてもらうべき作業が見えてきます。一度に多くの工程を任せようとせず、担当を少しずつ広げていくのがポイントです。現場の負担を抑えながら段階的に進められます。
教育制度と技術継承を仕組み化する
製造業において、現場の技術力は企業の競争力そのものです。従業員のスキルアップを支援する研修の実施やキャリアパスの明確化は、組織全体のモチベーションを高めるための重要な投資といえます。社内評価制度を整え、日々の業務への取り組みや習得スキルが職位・昇給に正当に反映される仕組みを構築しましょう。従業員が自身の成長を実感できる環境をつくることは、働く意欲の向上だけでなく、長期的な人材定着にも直結します。
あわせて、ベテランの技術者がもつ作業手順や判断基準を、動画やデジタルデータとして残す方法も技術継承として有効です。後継者の育成を指導者の経験則や個人の力量任せにするのではなく、誰もが参照できる仕組みに落とし込むことで、指導担当者が不足している状況下においても誰もが自律的に学べる環境をつくれます。技術継承の遅れを解消し、現場の標準化を進めることが、安定した生産体制を維持するための近道となるでしょう。
働きやすい職場環境を整える
採用競争が激化する昨今、福利厚生の充実や柔軟な雇用形態の見直しといった「働きやすい環境づくり」は、求職者にとって企業を選ぶ際の大きな判断材料となります。特に、従業員のライフステージに合わせた環境整備は、企業としての誠実さや安心感を伝えるメッセージとして効果的です。
たとえば、子育て世代が働きやすいように社内託児所や短時間勤務制度を導入したり、業務の合間にしっかりと心身をリフレッシュできるよう休憩室の快適性を高めたりといった施策が挙げられます。まずは自社の現状を客観視し、実際に職場環境の改善で成果を上げている企業の事例などを参考にしながら、会社の特性や予算に合った環境整備を段階的に進めてみましょう。
製造業のイメージを改善する
人手不足を解消するには、製造業に対する「3K」の先入観を払拭することも大切です。SNSの運用や企業の動画チャンネルの開設などを通じて「現代の製造業のリアルな姿」を発信し、イメージアップにつなげましょう。具体的には、若手社員がやりがいを語るインタビュー動画や、DX化された快適な現場環境の公開などです。
ただし、こうしたブランディング活動は、人手不足に対して即効性のある対策とはいえません。自社ならではの魅力を届けることで、将来の採用力を形作る長期的な戦略として考えてください。

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ここまでの対策と並行して検討したいのが、外国人材の採用です。製造業はすでに外国人材の受け入れが最も進んでいる産業であり、若い労働力を確保しやすい選択肢でもあります。
ここでは、実際のデータと受け入れの考え方を整理してみましょう。
製造業で働く外国人材の推移
先述のとおり、厚生労働省の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」を産業別に見ると、外国人労働者が最も多いのは製造業で全体の24.7%(63万5,075人)を占めています。製造業における過去5年間の外国人労働者数の推移は以下のとおりです。
| 2021年(対前年増加率) | 2022年(対前年増加率) | 2023年(対前年増加率) | 2024年(対前年増加率) | 2025年(対前年増加率) | |
| 製造業の外国人労働者数 | 46万5,729人(-3.4%) | 48万5,128人(4.2%) | 55万2,399人(13.9%) | 59万8,314人(8.3%) | 63万5,075人(6.1%) |
参照元:厚生労働省「別添3『外国人雇用状況』の届出状況表一覧(令和7年10月末時点)[参考-6]外国人労働者数(産業別)」
また、外国人材を雇用する事業所数も以下のように推移しています。
| 2021年(対前年増加率) | 2022年(対前年増加率) | 2023年(対前年増加率) | 2024年(対前年増加率) | 2025年(対前年増加率) | |
| 製造業の外国人雇用事業所数 | 5万2,363所(1.4%) | 5万3,026所(1.3%) | 5万4,980所(3.7%) | 5万6,692所(3.1%) | 5万8,400所(3.0%) |
参照元:厚生労働省「別添3『外国人雇用状況』の届出状況表一覧(令和7年10月末時点)[参考-2]外国人雇用事業所数(産業別)」
すでに多くの企業が外国人材とともに現場を回している状況です。受け入れの前例が積み上がっている点は、これから採用を検討する企業にとって心強い材料といえるでしょう。
外国人労働者全体の増え方や在留資格ごとの内訳については、以下の記事をご覧ください。

外国人労働者の推移【2026年最新】国籍・在留資格・業種別に解説
若年層の労働力を確保しやすい
国内の若い働き手が減少するなか、外国人材の採用は若年層の労働力を確保するための現実的かつ効果的な選択肢です。日本で就労を希望する外国人材は20~30代が多く、製造業の現場でこれから長く活躍してくれる人材として育成しやすい面があります。
特に、アジア圏の若年層の間では、日本の技術力や安全基準への関心が高く、技能習得やキャリアアップを目指して来日する意欲的な人材が多い傾向です。定着できる職場環境を整えることで、現場の貴重な戦力として長期的な貢献が期待できます。
製造業の現場では、就労の制限がない「身分に基づく在留資格」や、一定の専門スキルをもつ人材に付与される「特定技能」などの在留資格で受け入れが可能です。さらに、現行の技能実習制度に代わる新たな枠組みとして、2027年4月からは「育成就労制度」の運用も開始されます。企業ごとのニーズや工程の特性に合う人材を確保するためにも、自社に適した制度をしっかり確認のうえ、スムーズな採用活動の実現を目指しましょう。
なお、国籍や性別、年齢で仕事の適性が決まるわけではありません。候補者自身の経験や人柄、意欲を見て判断することが、採用後のミスマッチを防ぎ、コア人材へと育成するための第一歩となります。
特定技能の対象区分や要件については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

特定技能の製造業は17区分に拡大|業務区分と産業分類で対象を確認

特定技能「飲食料品製造業」とは?2026年4月改正の対象10業種
受け入れ体制づくりが定着のカギ
外国人材の採用を成功させるポイントの一つは、採用後の受け入れ体制にあります。特に重要なのが、職場への早期定着に向けた環境整備です。
業務面では、安全管理と円滑なコミュニケーションの基盤を築きましょう。作業手順書の多言語化や、やさしい日本語による安全教育の徹底は、指示の行き違いをなくし、労働災害を防ぐためにも欠かせません。住居の確保や行政手続きの同行といった生活面でのサポートは、外国人材が日本で安心して働くための大きな支えとなり、早期離職の防止にもつながります。
ただし、これらの整備や支援をすべて自社だけで構築・運用しようとすると、担当者の負担が大きくなりかねません。無理なく体制を整えるためには、外国人採用に強い行政書士や登録支援機関といった専門的な関係機関を頼ることも有効な選択肢です。自社のリソースと外部のサポートを適切に組み合わせ、適切な受け入れ体制を整備しましょう。
Leverages Global(レバレジーズグローバル)では、人材のご紹介から入社後の定着支援まで一貫してご支援しています。自社の現場でどの受け入れ方が合うか分からない段階でも、外国人採用に精通した専門アドバイザーが無料でご相談を承ります。サービスの内容は、Leverages Globalのサービス資料からご確認ください。
外国人採用の基本的な進め方については、以下の記事にまとめています。あわせてご参照ください。

外国人採用の進め方!メリットや手順・注意点を解説【2026年版】
参照元:
厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
出入国在留管理庁「育成就労制度」
最後に、製造業の人手不足に関するよくある質問にお答えします。
製造業の人手不足はいつまで続く?
具体的な見通しはついていませんが、人手不足の背景には生産年齢人口の減少という構造的な要因があるため、短期間で解消するのは難しい状況です。製造業の就業者数も、2025年まで減少が続いています。
景気の変動によって求人の数は多少増減しますが、働き手が増える局面はしばらく見込みにくいでしょう。だからこそ、採用の強化だけに頼らず、省人化と定着の取り組みを並行して進めることが現実的な備えになります。
中小企業でもできる対策はある?
大規模な設備投資が難しい企業も取り組める対策は数多くあります。特に「人手がかかる工程の洗い出し」「作業手順の標準化」「多能工化」の3つは、現場の運用や仕組みを見直すことで既存のリソースを最大限に活用し、少人数で現場を回せる体制づくりとして効果的です。
また、外国人採用は決して大企業だけの取り組みではありません。厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況によると、外国人を雇用する事業所の63.1%は「30人未満」の小規模な事業所が占めており、前年比9.6%増ともっとも高い伸び率となっています。中小企業こそ、人手不足の解消策として外国人材の活用を検討する余地が大きいといえるでしょう。
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外国人を派遣社員として雇える?雇用のメリット・デメリットや注意点を解説
人手不足は倒産につながる?
人手不足がただちに倒産に直結するわけではありません。しかし、生産ラインの維持が困難になり受注の機会を失うなど、経営に打撃を与えるリスクは存在します。納期遅延による取引先の信頼低下も、長期的に見ると事業の継続を難しくする要因となり得るでしょう。
「2026年版ものづくり白書」においても、中小製造業における人材不足の深刻さが指摘されています。重要なのは「危機が迫る前に手を打つ」ことです。採用活動の強化だけでなく、業務の省人化や既存従業員の定着支援など、多角的な対策を組み合わせることで強固な経営基盤を築いていきましょう。
参照元:経済産業省「2026年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)」
深刻な人手不足を解決するには、製造業を取り巻く現状や背景を正しく理解し、先を見据えた適切な対策を講じることが重要です。業務のDX化や外国人労働者の雇用、働きやすい職場環境の整備など、取り組める対策は多岐にわたります。まずは自社の状況を整理し、人材確保に成功している企業の取り組みを参考にしながら、できることから段階的に着手していきましょう。
採用の間口を広げても応募が集まらない、受け入れの体制づくりに不安があるという場合は、外国人採用に精通した専門アドバイザーにご相談ください。Leverages Globalでは、製造現場の人手不足の実情や受け入れ体制について丁寧にうかがったうえで、人材のご紹介から定着までを総合的にサポートいたします。お問い合わせは、Leverages Globalのお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。無料のサービス資料もご用意しておりますので、ぜひあわせてご活用ください。

- ・最新の外国人採用市場の動向について
- ・日本国内の人手不足の状況
- ・外国人を採用している企業の意向
- ・採用手段の1つとして外国人採用が選ばれる理由
- ・外国人採用を安心で簡単に進める方法













