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特定技能の派遣は2分野のみ|要件と対象外でも人手を確保する方法

更新日:2026年9月9日

特定技能の派遣は2分野のみ|要件と対象外でも人手を確保する方法
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特定技能外国人を派遣で受け入れたいと考えても、そもそも自社で使える手段なのか判断に迷う採用担当者の方は多いのではないでしょうか。特定技能の派遣が認められているのは農業と漁業の2分野のみで、それ以外の分野は直接雇用が原則です。

本記事では、派遣が可能な2分野と派遣元・派遣先の要件、直接雇用との違いを解説します。派遣が禁止される理由や、対象外の分野で人手を確保する方法についてもまとめました。

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この記事のまとめ

  • 特定技能の派遣は農業と漁業の2分野でのみ例外的に認められており、それ以外の分野は直接雇用が原則である
  • 特定産業分野は19分野に拡大されているが、2026年9月時点で実際に受け入れ可能なのは17分野にとどまる
  • 派遣元になれるのは農業・漁業の事業者もしくはその関連事業者に限られ、業種を問わない一般の派遣会社は認められない
  • 派遣での受け入れができない分野でも、特定技能の直接雇用や派遣が可能なほかの在留資格の活用で人手を確保できる

特定技能の派遣は原則禁止|例外は農業・漁業のみ

特定技能の派遣形態での受け入れは、原則として認められていません。出入国在留管理庁は、派遣の雇用形態が認められるのは農業分野と漁業分野の2分野のみとしており、それ以外の分野では直接雇用が原則になります。

「派遣なら外国人採用の複雑な手続きや在留資格の管理を任せられるのでは」と考えて情報を集めている方にとっては、少し厳しい結論かもしれません。しかし、対象外の分野であっても人手を確保する道はあります。

まずは、なぜ特定技能での派遣が原則禁止されているのかについて整理していきましょう。

特定技能1号・2号は直接雇用が原則

特定技能で受け入れる外国人材は、フルタイムでの直接雇用が前提です。出入国在留管理庁も、一人の特定技能外国人が2社以上の企業と雇用契約を結んで働くことはできないとしています。この考え方は、特定技能1号でも2号でも変わりません。

背景にあるのは、特定技能が人手不足が深刻な分野において即戦力となる人材を確保するための制度だという点です。受け入れ機関には、雇用契約の適正な履行と1号特定技能外国人への支援の実施が求められるため、責任の所在が明確な直接雇用が基本形とされています。あわせて、短時間勤務や複数就業を組み合わせる働き方も、制度が想定する安定した就労とはかみ合いません。こうした理由から、特定技能ではフルタイムの直接雇用が原則とされています。

特定技能制度そのものの位置づけを改めて確認したい場合は、以下の記事をご参照ください。

関連記事
特定技能とは?制度の仕組みや技能実習との違いをわかりやすく解説

農業・漁業だけ派遣が認められる理由

原則として派遣が認められない特定技能ですが、先に述べたように、農業分野と漁業分野でのみ例外が設けられています。両分野については、季節による作業の繁閑差が大きいことが理由です。

出入国在留管理庁による説明の詳細は、以下のとおりになります。

農業及び漁業については、季節による作業の繁閑が大きく、繁忙期の労働力の確保や複数の産地間での労働力の融通といった現場のニーズがあるところ、これに対応するためには、派遣形態を認めることが必要不可欠と考えられるものです。

引用:出入国在留管理庁「Q6 なぜ、農業と漁業に限って派遣形態を認めているのですか。

農業や漁業のように季節によって作業量に大きな変動がある場合、通年でフルタイムの雇用を維持するのが難しいケースがあります。派遣であれば、繁忙期を迎えた産地へ順次人材を派遣できるため、受け入れ側は必要な時期に人手を確保でき、外国人材も年間をとおして就労先を巡ることで安定した就業が可能です。このような理由から特定技能における派遣は、季節的な繁閑差という固有の課題を解消しつつ、働き手と受け入れ側の双方に無理が出ないようにするための例外的な位置づけとなっています。

繁閑差という事情がない分野では、特定技能での派遣は認められていません。在留資格によっては、業種を問わず派遣で受け入れられるケースもあります。詳しくは記事後半の「農業・漁業以外で人手を確保する方法@」で解説します。

技能実習生も派遣は認められない

技能実習生についても、派遣での受け入れは認められていません。技能実習制度は「実習実施者のもとで認定された計画に沿って技能を修得する」ことが前提であり、指揮命令が派遣先になる派遣形態とは制度の趣旨が根本的に異なるためです。

「特定技能が難しいなら技能実習で派遣を受け入れよう」という考えで計画を進めても、技能実習の認定段階で不許可となる可能性が高く、採用計画そのものが頓挫しかねません。無用なトラブルや法令違反のリスクを避けるためにも、各制度の趣旨を理解し、ルールに則った適正な採用計画を立てることが重要です。

なお、技能実習は制度の見直しのために発展的に解消され、2027年4月1日からは「育成就労制度」の運用が始まります。育成就労においても受け入れの基本は直接雇用であり、派遣という選択肢が広がるわけではありません。制度移行を見据えた準備については、記事の後半で改めて取り上げます。

関連記事
技能実習と育成就労の違いは?いつから改正?企業側のメリット・デメリット

参照元: 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A 出入国在留管理庁「育成就労制度

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なぜ、今外国人採用が注目されているのか?昨今、新たな採用手段として「外国人採用」を取り入れる企業が増加中!本資料では「外国人採用」について情報収集をしている方向けに、市場動向について詳しくまとめています。是非ご覧下さい。

特定技能で派遣できる職種・できない職種

自社が派遣を受け入れられるかどうかは、特定産業分野の一覧で判断できます。2026年9月時点で特定産業分野には19分野が定められていますが、実際に受け入れが始まっているのは17分野です。派遣が可能なのは、そのうち農業と漁業の2分野に限られます。

区分該当する分野雇用形態
派遣が可能農業、漁業直接雇用と派遣のどちらも可
直接雇用のみ介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業直接雇用のみ可
受け入れ準備中物流倉庫、資源循環受け入れ開始前

参照元:出入国在留管理庁「制度概要 ②特定技能制度・育成就労制度の人材基準及び業務区分(1/2)

上記のとおり、特定技能で派遣可能な分野は農業と漁業の2分野のみです。裏を返せば、それ以外の15分野では検討すべき雇用形態が直接雇用に絞られるため、採用計画の立案や受け入れ体制の準備に集中できます。

CHECK外食業分野は、受入れ見込数(5万人)への到達が見込まれることから、2026年4月13日以降に受理された特定技能1号の在留資格認定証明書交付申請は不交付、在留資格変更許可申請は原則不許可とする運用がとられています(2026年9月時点)

派遣できる2分野の業務内容

派遣可能な2分野で、特定技能外国人が従事できる業務内容は次のとおりです。

  • 農業:耕種農業全般、畜産農業全般
  • 漁業:漁業、養殖業

いずれもその分野の業務に従事する日本人が通常行う関連業務であれば、外国人材にも付随的に担当してもらうことができます。たとえば、農業分野であれば農畜産物の運搬や販売、冬場の除雪作業などが関連業務の一部です。繁忙期以外の仕事の割り振りを考えるうえで押さえておきたいポイントといえます。

農業分野の受け入れ方法や試験内容については、以下の記事を参考にしてみてください。

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特定技能「農業」を持つ外国人の雇用方法!試験内容や技能実習との違いも

派遣できない15分野と代替の考え方

介護や建設、飲食料品製造業をはじめとする農業・漁業以外の15分野では、特定技能外国人を派遣で受け入れることはできません。人手不足が特に深刻であっても例外は認められておらず、受け入れる場合は企業と外国人本人が直接「特定技能雇用契約」を結ぶ必要があります。

一方で、現場のニーズに応えて受け入れ対象分野が段階的に拡大されているのも実情です。2019年4月に14分野で始まった同制度は、2022年4月に製造3分野(素形材産業・産業機械製造業・電気・電子情報関連産業)が統合され12分野となりました。その後、2024年3月に「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野追加と既存製造分野の「工業製品製造業」への再編が行われて16分野となり、2026年1月には閣議決定により「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野が追加され、現在の19分野に至っています。

このうち新しく追加された「リネンサプライ」は、2026年6月1日から特定技能1号の在留資格申請が可能になりました。なお、リネンサプライ分野の特定技能1号評価試験は準備中のため、当面は技能実習2号「リネンサプライ仕上げ作業」を良好に修了した外国人材が採用の母集団となります。「物流倉庫」と「資源循環」については、省令等の準備が整い次第、受け入れが始まる見込みです(2026年9月時点)。

派遣形態を活用できない分野においても、外国人材を確保する手段は存在します。特定技能を直接雇用で受け入れるほか、派遣での就労が認められているほかの在留資格の人材を採用するといった方法です。具体的な内容については、本記事後半の「農業・漁業以外で人手を確保する方法@」で詳しく解説します。

関連記事
特定技能の採用方法|19分野と流れ・費用を解説

参照元: 出入国在留管理庁「特定技能制度 出入国在留管理庁「リネンサプライ分野 厚生労働省「リネンサプライ分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格『特定技能』・『育成就労』について)

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特定技能を派遣で受け入れる要件

農業・漁業で特定技能の派遣を受け入れたいと考えても、簡単に派遣元・派遣先になれるわけではありません。派遣元には通常の受け入れ機関の要件に加えた上乗せの条件があり、派遣先にも法令遵守などの条件が課されます。

ここでは、派遣元・派遣先それぞれの要件と、期間や人数に関するルールを確認していきましょう。

派遣元事業者に求められる要件

外国人材を派遣する「派遣元」となる企業は、特定技能の受け入れ機関が満たすべき通常の要件に加えて、次のいずれかに該当する必要があります。

  • 当該特定産業分野に係る業務またはこれに関連する業務を行っている者であること
  • 地方公共団体または上記に掲げる者が資本金の過半数を出資していること
  • 地方公共団体の職員または上記に掲げる者やその役員・職員が役員であるなど、業務執行に実質的に関与していると認められること
  • 派遣先が農業分野の場合は、国家戦略特別区域法第16条の5第1項に規定する特定機関であること

つまり、特定技能の派遣元になれるのは、農協や漁協、農業・漁業に直接関連する事業を行う法人、地方自治体が関与する法人などです。農業・漁業に関する業務実態がない、または関係団体でない一般の人材派遣会社が特定技能の派遣元になることはできません

派遣先となる企業側にとって、依頼先がこれらの法的要件を正しく満たしているかを確認することは、コンプライアンス管理においても重要な項目です。万が一、要件を満たさない派遣元を介して人材を受け入れてしまった場合、適正な手順を踏んでいると認められず、指導や不許可の原因となります。依頼先と契約を締結する前に、特定技能の派遣元として適格であるかを慎重に精査しましょう。

派遣先事業者に求められる要件

特定技能外国人を派遣形態で受け入れる「派遣先」は、次のすべてに該当することが求められます。

  • 労働、社会保険および租税に関する法令を遵守していること
  • 過去1年以内に、特定技能外国人が従事する業務と同種の業務に従事していた労働者を非自発的に離職させていないこと
  • 過去1年以内に、自社の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
  • 刑罰法令違反による罰則を受けていないことや5年以内に出入国・労働法令違反がないことなど、欠格事由に該当しないこと

なかでも見落としやすいのが2つ目の条件です。同じ業務の労働者を1年以内に会社都合で離職させている場合、原則として派遣先になることができません。この要件は離職した従業員の国籍を問わないため、人員整理を行った直後に外国人材の受け入れを検討している場合は、該当する時期や対象業務を早めに確認しておきましょう。

また農業分野では、上記に加えて派遣先にも固有の条件が課されます。過去5年以内に労働者(技能実習生を含む)を6か月以上継続して雇用した経験があること、またはその経験がない場合は派遣先責任者講習などを受講した者を派遣先責任者として選任していることが必要です。これまで人を雇った経験のない事業者が派遣先になるケースでは、講習の受講時期も採用スケジュールに織り込んでおきましょう。

CHECK自社が派遣先の要件を満たしているかどうかは、受け入れの可否を左右する重要なポイントです。意図しない法令違反を避けるためにも、判断に迷う場合は地方出入国在留管理局や分野の協議会、外国人派遣に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

派遣期間・地域・人数のルール

特定技能では、受け入れ機関ごとの人数上限は原則として設けられていません。技能実習のような常勤職員数に応じた枠の制限がないため、繁忙期の規模に合わせて必要な人数を柔軟に検討できます。派遣が可能な農業・漁業も企業単位の枠はなく、この点は直接雇用と同じです。なお介護分野と建設分野は例外で、介護分野は事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数、建設分野は受け入れ機関の常勤職員の総数がそれぞれ上限となります。

一方、国全体では分野ごとに受け入れ見込み数が設定されており、在留者数がこの数を超える見込みになると、在留資格認定証明書の交付が停止される仕組みです。実際に外食業分野では、2026年4月13日以降、新規の受け入れが原則停止されました。農業・漁業で当面この状況になる可能性は低いものの、採用計画を立てる際は分野の枠に余裕があるかを派遣元となる事業者に確認しておくと安心です。

派遣元を選定する際は、地理的な制約にも留意が必要です。特定技能の派遣では、派遣先の事業所が、派遣元の責任者が日帰りで苦情処理を行える地域にあることが求められます。常識の範囲を超えた遠方への派遣はできない仕組みになっているため、遠隔地との契約でサポート体制が希薄にならないよう、自社の所在地が派遣元の適切な管理範囲内に含まれているかを事前に確認しておきましょう。

なお、就労期間や複数の産地をまたぐ配置については、分野別の運用要領や派遣計画の内容によって定まります。派遣元が就労先や期間をどのように管理するのか、あらかじめすり合わせておきましょう。

また、特定技能外国人の受入れでは、派遣元が在留諸申請を行う前に「分野ごとの協議会」へ加入していることが必須条件になります。これは派遣元の責務に当たるため、派遣先側で特別な手続きは発生しません。しかし、派遣先も協議会に対する協力義務を負うため、スムーズに対応できる連携体制を整えておきましょう。

関連記事
特定技能で受け入れ可能な業種(職種)とは?全16分野を徹底解説【2024年版】

参照元: 出入国在留管理庁「特定技能制度 出入国在留管理庁「特定技能運用要領 出入国在留管理庁「農業分野 出入国在留管理庁「漁業分野

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特定技能の派遣と直接雇用の違い

農業・漁業で派遣と直接雇用の両方が選べる場合、どちらを選ぶかで企業が負う義務も、かかる費用の性質も変わります。大きな違いは「支援義務を誰が負うか」と「費用が初期に偏るか継続して発生するか」の2点です。

ここでは支援義務・費用・手続きの3つの観点から、それぞれの特徴を比べていきます。

支援義務と協議会加入の所在

派遣の場合、特定技能外国人と雇用契約を結ぶのは派遣元です。そのため、特定技能1号の外国人材に対する義務的支援や分野別協議会への加入は、派遣先ではなく派遣元が担います。生活オリエンテーションや住居確保の支援、定期面談といった業務を自社で抱えずに済む点は、派遣先にとっての利点です。

直接雇用の場合は、これらの支援を自社で実施するか、登録支援機関へ委託することになります。自社で体制を組むか外部に任せるかを選べるため、支援の質をコントロールしやすいのが特徴です。社内の人員体制や定着支援に割ける工数を考慮のうえ、自社対応と委託のどちらが適しているかを判断しましょう。

費用構造とマージンの違い

派遣では、人材派遣料金に派遣元へのマージンが含まれ、稼働している間は継続して発生します。直接雇用では、在留資格の申請にかかる費用といった初期費用に加え、人材紹介や支援委託を利用した場合の手数料・委託費が月額で発生する形です。

短期間の繁忙期対応であれば派遣、通年で戦力として育てるならば直接雇用(正社員)のように、求める期間と目的を整理することで自社に合う選択肢が見えてきます。総額のコストだけでなく「どれくらいの期間、どのように活躍してほしいか」という前提で比較すると、社内での判断もスムーズになるでしょう。

登録支援機関への委託費の相場については、以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事
登録支援機関にかかる費用の相場・内訳は?委託のメリットや注意点も解説

受け入れ手続きと流れの違い

派遣では、在留資格の申請や1号特定技能外国人支援計画の作成といった諸手続きの主体は派遣元です。派遣先は、自社が要件を満たしているかの確認と、現場の受け入れ体制を準備することが中心となります。

一方、直接雇用では、雇用契約の締結から支援計画の作成、在留資格の各種届出までを自社で担うのが原則です。海外から招へいする場合は在留資格認定証明書の交付を待つ期間も加わるため、就業開始までに一定の時間を要します。繁忙期に合わせて人手を確保したい場合は、必要な時期から逆算して動き出すことが不可欠です。

初めての受け入れで社内に外国人採用のノウハウがない場合、手続きの多さが想像以上の負担になるケースもあります。制度の確認や雇用形態の選択、受け入れ後の定着支援などをまとめて相談したい場合は、外国人採用に精通した専門アドバイザーに整理してもらう方法もあります。

Leverages Global(レバレジーズグローバル)では、外国人材の紹介と登録支援機関としてのサポートを組み合わせたご提案が可能です。サービスの詳細は「特定技能の採用・定着支援サービス資料」から無料でご確認いただけます。

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特定技能の派遣会社を探す方法

農業・漁業で派遣を利用する場合、依頼先は限られます。前述のとおり、派遣元になれる事業者の範囲が制度で定められているため、一般の求人サイトで派遣会社を探すのではなく、分野ごとの窓口から当たるのが確実です。

農業・漁業分野で派遣元を探す3つの窓口

派遣元を探す際は、次の3つのルートを軸に確認してみましょう。

  • 分野ごとの特定技能協議会:受入れ機関となる農業者・漁業者や派遣事業者が加入する組織
  •  加入事業者の確認や自社の加入手続きの窓口としても利用できる
  • 自治体や農協・漁協の相談窓口:地域単位で受け入れ支援や補助事業を実施している場合がある
  • 特定技能派遣事業者コンソーシアム(農業分野):農業分野で派遣を認められた事業者のうち、設立趣旨に賛同する事業者により2024年4月に発足した組織

初めての受け入れであれば、まずは各分野の協議会や地元の農協・漁協へ問い合わせてみるのがおすすめです。制度に沿って受け入れを行っている事業者の情報を把握しやすいため、依頼先の候補を絞り込みやすくなります。そのうえで、状況に応じてほかの窓口も並行して活用してみましょう。

派遣会社を選ぶときの確認ポイント

依頼先の候補が見つかったら、要件を満たしているかどうかに加えて、受け入れ後の運用方針も確認しておきます。在留資格や在留期間の管理体制、義務的支援の実施状況、繁忙期以外の就労先の確保など、トラブルを避けるうえで欠かせないチェックポイントです。

また、派遣料金の内訳が明示されているかも確認すべき項目です。派遣料金に何が含まれ、何が別途請求になるのかが曖昧だと、想定と実際の負担にずれが生じてしまうリスクが高まります。複数社から見積もりを取り、同じ条件で比べられるようにしておくと判断しやすくなるでしょう。

在留資格を問わない派遣全般の選び方や注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。

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農業・漁業以外で人手を確保する方法

派遣形態を活用できない農業・漁業以外の特定産業分野も、外国人材の力を借りる方法はあります。選択肢としては、「特定技能を直接雇用で採用する」と「派遣が可能な在留資格の人材を活用する」の2つが中心です。育成就労制度移行への備えも意識しながら、自社の繁閑や求める勤務期間に合わせて検討していきましょう。

特定技能を直接雇用で採用する

特定技能の受け入れにおける標準的な手段は、直接雇用による採用です。具体的な採用ルートは大きく分けて以下の4つであり、自社の事業計画や求める人材、採用スケジュールに応じて最適な方法を選択することが重要です。

  • 国内在住の人材を人材紹介会社経由で採用する:技能や日本語のレベルを確認したうえで紹介を受けられるため、ミスマッチのリスクを抑えつつ迅速に受け入れられる
  • 海外から招へいする:現地の送り出し機関と連携して、まとまった人数を採用できる
  • 留学などの在留資格から変更してもらう:日本の生活習慣や文化に慣れた高い日本語能力をもつ人材が多いため、教育コストを抑えやすい
  • 技能実習を修了した人材に移行してもらう:業務知識が豊富なため入社後の教育コストがかかりにくく、即戦力としての活躍が期待できる

採用までの速さを優先するのか、コストや教育の手間をどのように考えるのかによって自社に適したルートは異なります。あわせて、自社の分野が現在も受け入れ対象かどうかも確認しておきましょう。分野が追加されても評価試験などの環境整備が済むまでは受け入れが始まらないほか、分野ごとの受け入れ見込み数に達すると新規の受け入れが停止される場合もあります。

初めての外国人採用で判断が難しい場合は専門アドバイザーへ相談し、それぞれのメリット・デメリットを整理してもらうのが望ましいでしょう。

派遣可能な在留資格の人材を活用する

派遣という働き方そのものは、外国人材に禁じられているわけではありません。雇用形態が制度で縛られているのは特定技能や育成就労といった一部の在留資格に限られ、それ以外では派遣による受け入れが可能なケースがあります。

もっとも自由度が高いのは、永住者や定住者などが含まれる「身分に基づく在留資格」です。就労に制限がないため、業種や職種を問わず、派遣を含むあらゆる雇用形態で受け入れられます。

また、技術・人文知識・国際業務などの就労系の在留資格も、派遣での受け入れは可能です。ただしこの場合は、派遣先での実際の業務が在留資格で認められた活動の範囲に収まっていることが条件になります。派遣元と派遣先のどちらかが業務内容を取り違えると、資格外活動と判断されるおそれがあります。

在留資格の区分を誤ったまま受け入れると「不法就労助長罪」に問われるおそれがあるため、派遣会社からの紹介であっても、受け入れ時には派遣元に対し、在留カードの写しの提供と就労可否の確認結果の共有を求めましょう。

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育成就労制度への移行に備える

中長期の採用計画では、育成就労制度への移行も視野に入れておきたいところです。技能実習に代わる制度として2027年4月1日から運用が始まり、3年間の就労を通じて特定技能1号の水準まで人材を育成することを目的としています。技能実習を利用してきた、もしくは現在利用している企業ほど、受け入れ体制の見直しが必要になるでしょう。

制度が変わるタイミングは、採用戦略を見直す好機でもあります。繁忙期を派遣と直接雇用のどちらで乗り越えるのか、自社の事業計画に照らして軸を明確にしておくと、将来的な制度改正の際も慌てることなく安定した採用体制の維持が可能です。

外国人採用が初めてで進め方に迷う場合は、専門アドバイザーに現状を整理してもらうところから始めてみてはいかがでしょうか。Leverages Global(レバレジーズグローバル)では、特定技能の採用・定着支援と外国人材の派遣の両面から、貴社に合う受け入れ方法をご提案しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

なお、制度の移行にともなう変更点は以下の記事にまとめています。あわせてご一読ください。

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育成就労制度はいつから?何が変わる?基本概要や技能実習との違いを解説
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特定技能の派遣に関するよくある質問

最後に、特定技能の派遣に関するよくある質問とその回答をまとめました。

特定技能2号は派遣で雇用できる?

派遣就労の可否は分野で区切られており、1号・2号といった在留資格の号数では区切られていません。農業・漁業分野であれば号数に関わらず派遣の受け入れ対象となり、それ以外の分野では直接雇用のみとなります。そのため、農業・漁業以外の分野では、直接雇用を前提とした採用ルートを組み立てるのが近道といえるでしょう。

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特定技能1号と2号の違いとは?分野・取得要件・移行メリットなどを解説

派遣ではなくアルバイトは可能?

特定技能外国人をアルバイトやパートとして雇用することはできません。前述のとおり、特定技能制度はフルタイムの直接雇用を原則としており、短時間勤務や複数就業を組み合わせた働き方は想定されていないためです。時間単位で柔軟に人手を補いたい場合は、資格外活動許可を得た留学生など、アルバイト就労が認められている別の在留資格の人材を検討しましょう。

派遣なら支援計画は不要になる?

派遣形態であれば、派遣先企業が支援計画の作成や生活支援を直接行う必要はありません。これらの支援義務は、特定技能外国人の雇用主である派遣元がすべて負うためです。

ただし、制度上で支援自体が免除されるわけではない点には注意が必要です。あくまで「支援の実施主体が派遣元である」という仕組みであり、派遣先は「一連の支援業務を負わずに人材を受け入れられる」と理解しておきましょう。

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まとめ

特定技能制度における派遣は農業と漁業の2分野に限定されており、そのほかの分野では直接雇用が原則です。派遣が認められない分野で外国人材を確保する場合は、特定技能の直接雇用を検討するほか、派遣が可能な在留資格をもつ人材の受け入れが現実的な選択肢となります。

なお、制度の要件や対応分野は法改正によって変動することがあるため、最新の情報を確認しつつ、自社の事業計画に合わせた適切な採用手法を見極めましょう。

Leverages Global(レバレジーズグローバル)では、特定技能の採用・定着支援から、貴社の事業状況に合わせた最適な受け入れ手法のご提案までワンストップでサポートしています。制度の最新情報や採用計画でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

農業・漁業以外の分野で、外国人派遣を活用したいという方には、「外国人に特化した派遣・請負サービス」がおすすめです。

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