
執筆: Leverages Global編集部 (ライター)
建設業で外国人の雇用を考えている採用責任者の方もいるでしょう。外国人労働者を雇う際は、外国人本人と企業側の双方に必要な要件があります。
この記事では、在留資格の種類や企業側に求められる条件に触れながら、建設業で外国人を受け入れる方法についてご紹介。外国人を雇用するメリットや採用する際のポイントも解説します。
実際に建設業界で働いている外国人の割合と推移についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
外国人を建設業で雇用する場合は在留資格が必要
建設業を含め、外国人を日本国内で雇用するためには、外国人本人が就労可能な在留資格を有している必要があります。在留資格がない外国人を雇用すると罰則の対象になるため、面接時等に自社の業務内容や就労条件に適している在留資格の有無を確認することが重要です。
在留資格には多数の種類がありますが、ここでは「技能実習」「特定技能」「そのほかの在留資格」の3つに分けて、それぞれの資格の特徴と可能な業務・作業範囲の違いについて解説します。
「技能実習」の場合
「技能実習」とは、開発途上国などの外国人を一定期間受け入れ、OJTを通じて日本の技能や知識を移転することを目的とした国際貢献のための制度です。技能実習の在留資格をもつ外国人と受け入れ企業が雇用契約を締結し、最長で5年間、日本人と同等以上の給与で業務に従事してもらいます。
入国から修了までの具体的な流れは以下のとおりです。
引用元:出入国在留管理庁「外国人技能実習制度について 技能実習制度の仕組み」
技能実習1号から2号、2号から3号へ移行するためには、必ず所定の技能検定等に合格してもらわなければなりません。できる限り長く働いてもらえるよう、企業側が日ごろから細やかな教育や指導を行うことが重要でしょう。
「技能実習」の在留資格で就労可能な職種は、令和7年3月時点で91職種168作業です。そのなかで建設関連のものは、以下の22職種33作業になります。
引用元:出入国在留管理庁「外国人技能実習制度について 技能実習制度 移行対象職種・作業一覧(91職種168作業)」
技能実習1号に関しては「同一作業の反復のみで修得できるものではない」「開発途上地域などへの技能移転や経済発展に寄与する技能である」という2点を満たせば、上記以外の職種・作業で雇用できる場合もあるようです。 ただし、技能実習2号の就労は移行対象職種・作業でのみ認められます。そのため、最初からこれらに該当する職種・作業で技能実習生を受け入れ、2号や3号へ移行するのが一般的です。
なお、技能実習制度は本来の目的と実態の乖離が問題視され、抜本的な課題解決のために令和9年を目途に「育成就労制度」への移行が決定しています。技能実習制度で外国人の受け入れを検討している場合は、育成就労制度に関する最新情報のチェックが欠かせないでしょう。
「特定技能」の場合
「特定技能」とは、日本国内で深刻化する人手不足に対応するために、人材確保が困難な産業・分野に限って即戦力となる外国人を受け入れる制度です。特定技能では、一定の専門性や技能を有していることの証明として、技能実習から移行するか所定の試験に合格する必要があります。
引用元:出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組 制度概要①在留資格について」
特定技能には1号と2号が存在し、在留期間の制限や日本語能力に係る試験の有無といった違いが特徴です。また、特定技能2号の在留資格は、1号よりもさらに熟練した技能を要する業務に従事できます。
特定技能外国人の受け入れ分野である「特定産業分野」は、建設分野を含む以下の16分野です。
引用元:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~」
なお、特定技能2号での受け入れは、「介護分野」「自動車運送業分野」「鉄道分野」「林業分野」「木材産業分野」以外の11分野が対象となります。技能実習では原則認められていなかった転職も可能なため、長く働いてもらうためにも企業による外国人従業員の支援や適切な待遇などが重要です。
そのほかの在留資格の場合
在留資格には「技能実習」と「特定技能」以外にも多数の種類があります。そのなかで建設業で外国人を雇用できる資格は、以下のとおりです。
- 技術・人文知識・国際業務
- 高度専門職1号、2号
- 技能
- 永住者
- 日本人の配偶者等
より専門的な業務や高度な業務に従事できるものもあるため、自社で求めている人材に適した在留資格をもっている人を募集しましょう。
参照元:出入国在留管理庁「トップページ」
建設業で特定技能外国人を採用するための条件
建設業で特定技能外国人を採用するには、企業側がクリアすべき条件があります。ここでは、外国人の受け入れに向けて企業側が行うべき体制の整備について確認してみましょう。
建設キャリアアップシステムと建設技能人材機構への加入
特定技能外国人を受け入れる建設関連の企業は、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」と「建設技能人材機構(JAC)」へ加入する必要があります。いずれも法律で定められているものではありませんが、国土交通省へ受け入れ申請をする際に加入証明が必須です。
「建設キャリアアップシステム(CCUS)」とは、技能者が保有している資格や社会保険の加入状況、これまでの就業履歴などを業界全体で登録・蓄積する仕組みのことをいいます。企業と技術者の双方が登録することで、労働者の適切な処遇や担い手の確保といった環境整備に役立てられているようです。
「建設技能人材機構(JAC)」とは、外国人の適性かつ円滑な受け入れのために建設業者団体等によって構成されています。受け入れ企業の雇用体制や行動規範の整備・管理・支援などを行うことで、悪質な企業を排除し、特定技能外国人の処遇改善や失踪・不法就労の防止などを目的としている組織です。
建設特定技能受入計画を作成し国土交通省へ提出・認定
特定技能外国人を受け入れる際は「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通省へ提出・認定を受ける必要があります。具体的には「特定技能受入機関になろうとする者に関する事項」「適正な就労環境の確保に関する事項」「特定技能外国人に関する事項」といった内容です。
外国人ごとに作成が必要で、審査完了までに時間を要する場合があるので、早めの申請が望ましいでしょう。
参照元:国土交通省「建設分野での外国人受入れ関係」
建設業で外国人労働者を受け入れる方法
ここでは、建設業で外国人労働者を受け入れる方法について解説します。「具体的にどのような手順で採用するのか分からない」という企業の方は、ぜひお役立てください。
求人募集と選考
外国人労働者に期待する役割やスキル、日本語能力、学歴などを検討し採用ターゲットを絞ったら、求人票を作成します。求人票の作成と並行して、どのような採用ルートや方法で募集活動を行うのかも考えておきましょう。
直接的なアプローチや人材採用支援などを通じて応募が来たら、選考を実施します。応募書類や面接を重視した選考が一般的ですが、職種や専門性の高さなどによってはあわせて適性検査を行うのが望ましいでしょう。
在留資格の確認
応募者の選考と同時に、在留資格の確認も欠かせません。自社で行ってもらう業務に適した在留資格をもっているか、または取得することができるかといった確認です。就労に必要な在留資格をもっていない応募者に関しては、必要に応じて在留資格認定証明書の取得や変更許可申請を行いましょう。
外国人雇用状況の届出
外国人を採用後は、雇用形態に関わらず「外国人雇用状況届出」をハローワークに提出します。雇用主である企業側に提出義務があり、手続きを怠ったり届け出を忘れたりすると罰せられるため注意しましょう。直接ハローワークへ来庁して手続きを行うほか、インターネットでも届け出が可能です。
参照元:厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
建設業界における外国人労働者の割合と推移
厚生労働省の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」によると、国内の建設業界で働く外国人労働者は17万7,902人です。前年の同時期よりも22.7%増加しています。
上記の総数のうち「国籍・地域別」「在留資格別」による人数の割合と推移を、以下でチェックしてみましょう。
国籍・地域別
「国籍・地域別」で見た建設業に従事する外国人労働者の割合と推移について、人数が多い順に上位5つの国をまとめました。
| 国籍・地域 | 外国人労働者数 | 前年増加率 |
| ベトナム | 6万9,995人 | 12.8% |
| インドネシア | 3万6,615人 | 55.4% |
| フィリピン | 1万9,952人 | 23% |
| 中国 (香港、マカオを含む) | 1万4,325人 | 8.4% |
| ミャンマー | 8,758人 | 36.8% |
参照元:厚生労働省「別添3『外国人雇用状況』の届出状況表一覧(令和6年10月末時点)[別表7]国籍別・産業別外国人労働者数」
最も多いのはベトナムの6万9,995人で、建設業に従事する外国人全体の39.3%を占めています。近年、ベトナム出身の外国人労働者は増加傾向にあり、今後も幅広い現場で活躍が期待できるでしょう。
続いてインドネシア、フィリピン、中国、ミャンマーといったアジア諸国が上位を占めています。なかでもインドネシアとミャンマーは前年からの増加率が高く、建設業において貴重な人材といえるでしょう。
在留資格別
「在留資格別」で見た建設業に従事する外国人労働者の割合と推移について、上位5つの資格は以下のとおりです。
| 在留資格 | 外国人労働者数 | 前年増加率 |
| 技能実習 | 10万7,229人 | 20.7% |
| 特定技能 | 1万9,470人 | 57.8% |
| 技術・人文知識・国際業務 | 1万6,161人 | 22.3% |
| 永住者 | 1万1,554人 | 7.3% |
| 特定活動 | 1万0,060人 | 31.4% |
参照元:厚生労働省「別添3『外国人雇用状況』の届出状況表一覧(令和6年10月末時点)[別表6]在留資格別・産業別外国人労働者数」
上記データによると、建設業で働く外国人労働者は「技能実習」が最も多いことが分かります。全体の60.2%を占めており、前年から20.7%の増加率を示しているのも特徴です。
「特定技能」について、人数自体はそれほど多くはないものの、前年と比べて57.8%と大幅に増加しています。技術者の高齢化や人手不足が叫ばれる建設業界では、より専門性の高い業務に従事できる人材として重宝されているでしょう。
参照元:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」
建設業界が外国人の就労を受け入れるメリット
建設業で外国人を受け入れるメリットは、人手不足の問題解消や職場の活性化につながることです。ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
人手不足の問題解消につながる
外国人労働者の受け入れは、人手不足に悩む企業にとって問題解消の糸口になるといえるでしょう。特に、技能実習や特定技能の外国人は若い世代が中心で、高い就労意欲や熱意をもつ人々が多い傾向です。会社として外国人労働者をしっかりサポートすれば、長く働き続けてくれる可能性があるでしょう。
職場の活性化が期待できる
意欲的で技術習得の意識が高い外国人労働者が加わることで、職場の活性化が期待できます。組織の若返りや日本人従業員の意識改革につながり、社内に刺激をもたらしたり新しい変化を生んだりする可能性もあるでしょう。
また、異なる文化に触れることで現場のコミュニケーションが活発になることも。日本のベテラン技術者が保有するスキルや知識を若手の外国人に伝承できるなど、企業にとって貴重な技術を継承する機会も得られるでしょう。
建設業で外国人労働者を雇用する際のポイント
建設業で外国人を雇用する際は、仕事以外でのフォローの実施や双方が納得のいく雇用契約を結ぶなど、いくつかの重要なポイントがあります。
以下で意識しておきたい5つのことを紹介するので、外国人の雇用を検討している企業の方はぜひご一読ください。
「仕事」と「生活」の両面で細やかなフォローを行う
新たに日本に住む外国人は仕事だけでなく生活面でも不慣れな場合が予想されるため、総合的に細やかなフォローを行うことが大切です。具体的には、不動産関連の契約や銀行口座の開設、役所での各種手続きなどに困る外国人労働者が多いといわれています。
「些細なことでも構わないので悩みや不安はないか」と会社側から寄り添い、できる限り対応してあげると良好な信頼関係を築けるでしょう。
不当な待遇や一方的な雇用契約を避ける
「外国人だから」といって、日本人と差のある不当な待遇や一方的な雇用契約の締結などは厳禁です。外国人労働者にも日本人と同じように最低賃金法が適用されます。これを下回る賃金で働かせたり、外国人であることを理由に不当な条件で契約を結んだりすると法律で罰せられるため、国籍にかかわらず適切な雇用を行いましょう。
日本で過ごすうえのルールやマナーの教育を行う
外国人労働者がトラブルに巻き込まれないためにも、日本で過ごすうえでのルールやマナーに関する教育が必要になります。特に、日本独自のビジネスマナーや暗黙のルールなども存在するため、事前の研修などで理解を促すことが重要です。外国人の母国語で記載したルールブックを用意しておけば、よりスムーズに伝わるでしょう。
他国の文化について学び敬意をもって接する
外国人と一緒に働く際は、相手の国の文化について学び敬意をもって接することが大切です。日本に特有の文化があるように、他国にもその国ならではの文化や価値観が存在します。考え方をはじめ、表現方法の違いや宗教への理解なども必要でしょう。
相手をよく知り良好な人間関係を築くためにも、会社全体で他国の文化について学ぶ研修を実施したり、定期的な交流イベントを開催したりするのが効果的です。

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定着率を高めるためにキャリアアップの機会を提供する
外国人を雇用したら、定着率を高めるためにキャリアアップの機会を提供するのが望ましいでしょう。たとえば、評価基準を明確化したり昇進に役立つ研修制度を導入したりして、将来に対する不安を減らす方法があります。外国人が望むキャリア形成ができるようになると、長期的な就労につながるでしょう。
まとめ
建設業では、技能実習や特定技能といった在留資格の外国人を雇用できます。なお、特定技能外国人を雇用する際は企業側が満たすべき条件もあるため、事前の確認が必要です。
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