
執筆: Leverages Global編集部 (ライター)
「外国人労働者の雇用において、どのようなトラブルが起こり得るのか不安」という採用責任者の方も多いのではないでしょうか。実際に、不法就労による在留資格の取り消しや、企業への行政指導に発展するケースも少なくありません。
この記事では、具体的な事例をもとに、外国人雇用で発生しやすいトラブルとその背景を詳しく解説します。万が一問題が起きた際の解決策はもちろん、発生を未然に防ぐ職場づくりのコツも紹介します。外国人材を安心して受け入れ、組織の力に変えるためのガイドとしてぜひお役立てください。
外国人採用ならLeverages Global
外国人採用をもっと安心で簡単に、
はじめてみませんか?
支援実績多数!レバレジーズグローバルが支持される理由は、
以下サービス概要資料からご確認ください。
目次
この記事のまとめ
- 外国人労働者数は過去最多: 2025年10月末時点で約257万人を記録。人手不足を背景に今後も増加が見込まれる
- 多様化するトラブル: 在留資格の不正や賃金未払い、人間関係の悪化など多岐にわたり、就労ビザ取消件数は年間1,000件を超える
- 背景にある3つの要因: 「価値観・文化の違い」「コミュニケーションエラー」「無意識の人権侵害や差別」が主な原因
- 未然防止の体制づくり: 法律の正確な把握、多言語マニュアル整備、社内教育による孤立防止など、組織全体の環境づくりが不可欠
日本の外国人労働者数は、年々増加しているのが現状です。出入国在留管理庁の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によると、2025年10月末時点の外国人労働者は約257万人で、届出が義務化されて以降過去最多を更新しました。
以下は、2008年からの外国人労働者数の推移です。
引用元:出入国在留管理庁「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ【本文】(令和7年10月末時点)図1-1 在留資格別外国人労働者数の推移」
減少した年もあるものの、基本的には横ばいもしくは大きな増加を見せています。日本は少子高齢化の影響で人材不足に悩んでいる企業が多いため、今後も外国人労働者は増え続ける見込みです。
参照元:出入国在留管理庁「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
国内で増加している外国人労働者ですが、同時にさまざまなトラブルも存在します。出入国在留管理庁が発表した「令和7年の『在留資格取消件数』について」によると、2025年の就労ビザの取消件数は1,064件でした。在留資格別では「技能実習」が973件と最も多く、次いで「技術・人文知識・国際業務」の63件となります。
将来的に外国人材を雇用する企業が増えるほど、外国人労働者に関するトラブルの件数も増えていく可能性が考えられるでしょう。
参照元:出入国在留管理庁「令和7年の『在留資格取消件数』について」
ここでは、外国人労働者と企業の間で起こるトラブルについて、実際の事例をもとにいくつか紹介します。会社側と労働者側の両方の視点で見ていきましょう。
在留資格に関する事例
在留資格に関するトラブルの事例は、次のような内容です。
- 「上陸拒否事由に該当しない」と偽って上陸許可を受けたが、その後、過去に退去強制歴があることが判明した
- 在留資格の更新許可申請時に、職歴を偽装して「在留期間更新許可申請書」を提出した
- 実在しない会社を勤務先として「在留資格認定証明書」に記載して上陸許可を受けた
- 留学生が学校を除籍された後、当該在留資格に応じた活動を行わないままアルバイトをして在留していた
賃金・勤務時間など労働条件に関する事例
賃金・勤務時間などの労働条件に関するトラブルの事例は、次のような内容です。
- 技能実習生が最低賃金額未満で働かされており、時間外労働に対する割増賃金も未払いだった
- 技能実習生が所定通りの休憩時間を取得させてもらえず、その分の賃金も未払いだった
- 外国人労働者が最初に提示した労働条件を十分に理解できておらず、入社後に認識の食い違いがあった
人間関係に関する事例
人間関係に関するトラブルの事例は、次のような内容です。
- 英会話講師として働く外国人労働者の非常識で粗暴な勤務態度が職員・生徒に受け入れられず、解雇となった
- 複数の外国人が働く職場で、勤務態度不良が原因で外国人同士の喧嘩に発展し負傷者が出た
- 就業時間中の携帯使用や時間感覚のズレなどによって、職場で孤立してしまう
コンプライアンス違反に関する事例
コンプライアンス違反に関するトラブルの事例は、次のような内容です。
- 特定技能外国人にプレス機械を用いた作業を行わせる際、光線式安全装置による安全措置を講じなかった
- 外国人労働者が英会話教室で使う教材を作成したが、複数の著作権侵害(無断引用)があった
- 外国人労働者が会社の備品を私用に使ったり持ち帰ったりしてしまう
解雇に関する事例
解雇に関するトラブルの事例は、次のような内容です。
- 外国人派遣労働者が派遣元に妊娠を報告したところ、派遣先企業から月末での契約解除を通告された
- 中途退職した特定技能外国人に対し、違約金としてビザ取得費用約23万円を賃金から控除した
- スキルの保持について虚偽の申告をした高度外国人材を適切に指導し、会社側も業務改善したものの、後日「不当に解雇された」として訴えられた
音信不通・失踪に関する事例
音信不通・失踪に関するトラブルの事例は、次のような内容です。
- 技能実習生が実習先から失踪し、当該在留資格に応じた活動の範囲を超えて他の会社で勤務していた
- 技能実習生が実習先から失踪し、当該在留資格に応じた活動を行うことなく3ヶ月以上不法滞在していた
- 在留資格「日本人の配偶者等」で在留していた者が、日本人配偶者と離婚した後に必要な手続きを行わないまま6ヶ月以上不法滞在していた
参照元: 独立行政法人労働政策研究・研修機構「人事管理・就業環境」 出入国在留管理庁「技能実習生の失踪事案の現状と対策について」 警視庁「外国人の適正雇用について」
外国人労働者のトラブルや問題が起こる背景には、価値観や文化の違い、不十分な日本語力によるコミュニケーションエラーなどが挙げられます。また、日本人従業員による外国人への人権侵害や差別的な言動も考えられるでしょう。
価値観や文化の違い
外国人と日本人では、価値観や文化が異なるのは当然のことです。しかし、外国人の受け入れに際して企業側の準備・研修が足りなかったり、外国人本人の順応が難しかったりすると、トラブルに発展しやすくなるでしょう。特に、日本のビジネスシーンでは協調性や他者への礼儀、時間厳守などが重視されます。
このような出身国によって異なる価値観や文化は個人に強く根付いている傾向があり、その前提を変えるのはなかなか難しいといえるでしょう。
コミュニケーションエラー
母国語ではない言語で意思疎通を図るのは難しく、外国人労働者とコミュニケーションエラーが起こる原因の一つといえます。日常会話は可能でも、ビジネス上のやり取りは専門用語が多く流暢に話せないという人もいるでしょう。また、日本特有の「空気を読む」「言わなくても伝わる」という文化によって、ますます内容を理解するのが困難になるケースもあるようです。
小さなコミュニケーションエラーが積み重なると、大きなミスやすれ違いにつながり、思わぬトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
外国人労働者に対する人権侵害や差別
たとえ故意ではなくても、外国人労働者に対する人権侵害や差別は厳禁です。「△△の出身者だから体力仕事は得意だろう」というステレオタイプも差別に含まれます。外国人を日本人の同僚よりも低い賃金で働かせたり、昇進・昇給の機会を与えなかったりするのも人権侵害や不公平な扱いです。
参照元:厚生労働省「『令和6年外国人雇用実態調査』の結果を公表します」
職場で外国人労働者に関するトラブルが起きた場合は、決してそのまま放置せず適切に対処しましょう。ここでは、トラブルに対する具体的な解決策について解説します。
異なる文化・慣習によって生じる誤解を解消する
文化や慣習、価値観の違いによって生じる誤解は、相手を否定せず理解を示したうえで誤解を解消しましょう。本人に話を聞いてみたり、海外の文化についてまとめているWebサイトや動画を見てみることがおすすめです。加えて、外国人労働者にも日本のルールや慣習を丁寧に教えます。
また、会社全体で外国人の仕事観や異文化について学ぶ機会を作るのも有効な手段の一つです。経営者や採用責任者だけが外国人の受け入れに関する知識をもっていても、現場で一緒に働く日本人スタッフはいまいち理解できていない可能性があります。トラブルを未然に防ぐためにも、社内の外国人労働者の受け入れ環境を整えておくことが大切です。
問題に応じてマニュアルなどを改定する
外国人労働者に関するトラブルが発生したら、問題に応じて都度マニュアルなどを改定しましょう。たとえば、雇用契約の内容について「そんなこと聞いていない」「理解していなかった」と言われることを防ぐため、説明を受けた証明として自筆署名してもらう書類を用意する方法です。
簡単な日本語もしくは外国人労働者の母国語でマニュアルや書類を作成したり、必要に応じて通訳者を用意したりするのも効果的といえるでしょう。また、外国人労働者と定期的に面談を行い、困っている事柄や改善できる点があるかを整理することも大切です。
外国人雇用や労働関連の法律に基づいて対処する
基本的に、外国人労働者にも日本人と同様の法律が適用されます。具体的には、労働基準法や最低賃金法、男女雇用機会均等法、パートタイム・有期雇用労働法などです。雇用保険法や健康保険法といった社会保険制度に関する法律も適用対象となります。外国人労働者のトラブルには、適用される各種法律に基づいて冷静に対処しましょう。
これらに追加して、特に注意が必要なのが「出入国管理及び難民認定法(入管法)」です。不法就労や在留資格などについて定めている法律で、外国人を雇用する企業にとって重要な内容が盛り込まれています。常に最新の情報を把握できるよう、注意しておく必要があるでしょう。
公的機関または専門家に相談する
万が一トラブルが発生し社内での処理が難しい場合は、速やかに公的機関または専門家に相談してください。トラブルの拡大を防げるほか、「これくらい報告しなくても大丈夫だろう」という不確かな判断に対する正確な指示を仰げます。外国人労働者だけでなく、企業の信頼を守るためにも重要な手段の一つのため、どうすべきか分からない場合は適切な相手に報告・相談しましょう。
参照元: 厚生労働省「外国人の方に人事・労務を説明する際にお困りではないですか?」 厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー」
そもそも外国人労働者に関するトラブルが発生しないよう、未然に防ぐ仕組みを取り入れた職場づくりを目指すのも大切です。ここでは、外国人労働者が安心して働ける職場づくりのコツを紹介します。
外国人雇用に欠かせない法律を把握する
企業が人材を雇い入れる際は、雇用に関する法律をしっかり把握しておかなければなりません。それは、日本人や外国人といった国籍問わず必要なことです。外国人労働者の場合、日本人と同様の法律に加えて在留資格の種類や就労制限の有無に関する法律が存在します。これらを正しく把握し、法律や届出を遵守する義務をしっかり把握しましょう。
外国人雇用に関わりが深い入管法については、「2023年入管法改正!変更点をわかりやすく解説【特定技能】」の記事も参考にしてみてください。
会社全体で受け入れる体制を整えておく
外国人労働者を雇用する前に、既存の社員向けに研修やダイバーシティ教育を行うことが重要です。事前に受け入れ体制を整えておくことで、会社全体で外国人雇用に対する不安や不満をできるだけ軽減することができます。また、業務における細かいルールを明確化したり、外国人向けの多言語マニュアルを作成するのも効果的といえるでしょう。
コミュニケーションの機会を作り孤立させない
様々な人物とコミュニケーションを取る機会を意識的に作り、外国人労働者を孤立させない環境づくりも大切です。例えば、職場・私生活の悩みやお金の問題などを外国人従業員が1人で抱え込んでいると、突然の失踪や音信不通といったトラブルが起こる可能性があります。社内で相談できる相手や窓口を作っておくことで、適切な支援につなげられるでしょう。
外国人労働者に対する人権意識を高める
外国人労働者が安心して働ける環境を作るためには、会社全体で人権意識を高める取り組みも行うのもポイントの一つです。前述したように、外国人労働者に対する人権侵害や差別は無意識下でも起こり得ます。「△△の出身者なのに」といった発言や、日本人よりも不当に低い給与に設定した契約などは人権侵害・差別的な行為です。
どのような言動が人権侵害に当たるのか、日本人従業員との間に格差がないかなど、細かい点にも気を付けて分け隔てない職場づくりを目指しましょう。
外国人労働者の増加に伴い、トラブルの未然防止は企業にとって喫緊の課題です。在留資格の管理から文化の違いによる摩擦まで、自社のみで対応するには限界があります。
Leverages Globalの外国人採用支援サービスでは、法規制の遵守はもちろん、入社後の定着までをトータルでサポートいたします。トラブルを未然に防ぎ、貴社の戦力として外国人材が活躍できる環境づくりを、専門のアドバイザーが伴走して実現いたします。まずは一度、お気軽にご相談ください。

- ・最新の外国人採用市場の動向について
- ・日本国内の人手不足の状況
- ・外国人を採用している企業の意向
- ・採用手段の1つとして外国人採用が選ばれる理由
- ・外国人採用を安心で簡単に進める方法












