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特定技能は転職可能!企業側の手続きや長期就労を叶える取り組み

公開日:2025年10月28日

更新日:2025年10月29日

特定技能は転職可能!企業側の手続きや長期就労を叶える取り組み

執筆: Leverages Global編集部 (ライター)

在留資格「特定技能」で働く外国人は、自分の意思での転職が可能です。そこで、転職してくる特定技能外国人を雇用する方法を知りたいと思っている企業の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、特定技能外国人の転職について解説します。また、転職が発生する理由や転職を防ぐ対策も紹介。参考にして、特定技能制度による人材不足解消を進めましょう。

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目次

  1. 特定技能は1号も2号も転職が許可されている
  2. 特定技能外国人の転職が発生するタイミング
  3. 特定技能外国人が転職するパターン
  4. 転職する特定技能外国人を採用する際のポイント
  5. 特定技能外国人の転職手続き
  6. 特定技能外国人が転職するリスクを減らすには
  7. まとめ

特定技能は1号も2号も転職が許可されている

特定技能制度では、在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」ともにほかの企業への転職ができます。

似た制度である技能実習は転職が原則禁止されているため、特定技能も転職できないと思っている方も一定数いるようです。

しかし、特定技能制度は人手不足の業界における外国人労働者の雇用を促進することを目的に創設されたため、外国人の意思による転職が許可されています。

ただし、外国人および転職先の企業それぞれに要件が設けられており、通常の転職よりもハードルは高めです。

特定技能外国人の転職が発生するタイミング

特定技能外国人の転職が起きるのは、主に以下の3つのタイミングです。

自己都合で転職の意思が生じたとき

特定技能外国人は自分の意思で転職ができるため、日本人と同じような以下の理由で転職を考えます。

  1. 職場の人間関係にトラブルが生じたとき
  2. 労働環境に不満を持ったとき
  3. よりスキルを身に付けられる仕事をしたくなったとき
  4. 待遇や給料をさらに良くしたいと思ったとき
  5. 別の地域で働きたいと思ったとき

なお、特定技能外国人の場合は、職種を変えるために転職することはほとんどありません。結婚や永住許可を受けて在留資格を変更しない限り、職種を変えるのは難易度が高いためです。職場を変える際は、日本の同業他社への転職が基本になるでしょう。

技能実習から特定技能に移行するとき

技能実習から特定技能に移行するタイミングで、転職する外国人も一定数います。

技能実習2号を優良に修了した技能実習生は、技能実習で行っていた職種・作業内容と特定技能の業務に関連性がある場合は、移行の際に試験を受ける必要がありません。

もちろん、技能実習をしていた企業で続けて勤務する人も多いですが、仕事の範囲や働ける場所が変わるため、移行のタイミングで転職する人もいます。

企業の経営が悪化したとき

企業の経営状況が悪化したことを理由に、雇用を継続できなくなるパターンもあります。会社都合で解雇や倒産に至った場合は、特定技能外国人が次の就職先を見つける支援をしなくてはなりません。具体的には以下の対応が求められます。

  • 受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等に加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供

外国人が日本での就労継続を希望する場合は、次の職場を見つけられるまで責任を持って支援しましょう。

参照元:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について

特定技能外国人が転職するパターン

特定技能外国人の転職には、以下の3パターンがあります。

同一業務区分内で転職

特定技能外国人の場合は、同一業務区分内で転職するケースが最も多くなっています。同一業務区分とは、転職前とぴったり同じ仕事ということです。

特定技能のなかには、一つの分野のなかに複数の区分が分けられているものがあります。たとえば、工業製品製造業分野の業務区分は以下の10種類です。

特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)の引用画像

参照元:経済産業省「特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)

今まで「機械金属加工」区分の仕事をしていた特定技能外国人が、転職先でも「機械金属加工」区分の作業を行うのであれば、技能試験の受験をせずとも就労ができます。しかし、「コンクリート製品製造」区分の仕事をする場合は、必要な知識や技能が異なるため、技能試験の受験が必要です。

技能水準の共通性が確認されている業務区分内で転職

異なる分野であっても、業務区分が類似している場合は転職が許可されています。特定産業分野のなかには、違う分野内でも区分によっては実際に行う作業が同じというケースがあるのです。

区分が同じ場合は、必要とされる知識や技能が共通しているため、技能試験を受けなくても転職ができます。

新たに技能試験を受けて転職

転職して違う特定産業分野、もしくは同じ特定産業分野の区分で働きたい場合は、再度技能試験を受験する必要があります。

たとえば、建設分野の区分は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3種類です。建設と土木工事の両方を行う建設会社で特定技能外国人を雇用し、違う区分の作業に従事してもらう必要が出てきた場合、そのまま作業をさせてはいけません。必ず試験に合格したあと在留資格を変更してもらう必要があります。

別の区分で特定技能外国人に働いてもらいたい場合は、既存社員に区分を変更させるよりも、新たに人材を採用するほうがスムーズでしょう。

Leverages Global(レバレジーズグローバル)では、特定技能外国人の紹介のみならず登録支援業務まで一括でのフォローが可能です。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちらから

参照元:経済産業省「特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)

転職する特定技能外国人を採用する際のポイント

転職で特定技能外国人を採用する際は、以下のポイントに注意しましょう。

在留資格変更許可申請が必須

分野や区分を変更しないまま転職する場合でも、必ず在留資格変更許可申請をする必要があります。在留資格「特定技能」は、就労場所や業務を指定して許可されているためです。働く場所が変わったら、その都度在留資格を変更しなくてはなりません。

ただし、通常の在留資格変更許可申請と比較すると審査は早く進む傾向にあります。

特定技能外国人の転職は時間が掛かる

特定技能外国人の中途採用は、日本人の中途採用よりも時間が掛かることを覚えておきましょう。理由は、在留資格の変更や支援計画の策定などの手続きが発生するためです。入社日が決まっている場合は逆算して余裕を持って準備を行い、間に合わない場合は柔軟に対応する必要があります。

在留資格を変更する手続きは原則本人が行いますが、企業のサポートは必要不可欠。任せきりにせず進捗状況をこまめに確認するようにしましょう。

転職手続き期間は就労が禁止されている

特定技能外国人が転職のために在留資格変更許可申請をしている期間中は、就労が禁止されています。正社員としての就労だけでなく、アルバイト就労も同様です。

雇用契約を締結済みだからといって、業務に従事させないようにしましょう。

特定技能から特定活動に移行して転職する方法もある

在留資格の期限がギリギリの場合は、「特定活動(6ヶ月)」に変更するのも一つの手段です。

在留資格「特定技能1号」の在留期限は1年、6ヶ月、4ヶ月、「特定技能2号」の在留期間は3年、1年6ヶ月のいずれかと定められています。在留資格変更許可申請をしているうちに、雇用予定の特定技能外国人の在留期限が切れてしまう可能性もゼロではありません。

出入国在留管理庁は、在留資格「特定技能」の変更に時間が掛かるケースを想定し、特例で「特定活動(6ヶ月・就労可)の申請を認めています。転職先の企業で働くことも許可されているため、在留資格の申請が間に合わず帰国になってしまう事態を防げるでしょう。

企業からの引き抜きは基本的にNG

特定技能外国人は転職が許可されていますが、各協議会は引き抜きを自粛するよう強く求めています。引き抜きが常態化すると、秩序の乱れや大都市や大企業への人材の集中に繋がるためです。

いくら良い人材がいても、引き抜き行為は企業間のトラブルに繋がります。求人Webサイトや人材紹介会社を利用して、自力で雇用しましょう。

参照元:出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)

特定技能外国人の転職手続き

特定技能外国人が転職する際は、ほかの外国人の転職にはない特別な手続きが発生します。離職票の作成や社会保険の解除といった通常の退職手続きと合わせ、以下も忘れずに行いましょう。

本人が行う転職手続き

特定技能外国人が自ら行う手続きは以下のとおりです。

  1. 在留資格変更許可申請
  2. 所属(契約)機関に関する届出

特定技能外国人が転職する際は、必ず「在留資格変更許可申請」が発生します。「所属(契約)機関に関する届出」は、働く場所が変わったり退職したりする際に必要な手続きです。

今まで働いていた企業が行う転職手続き

特定技能外国人を送り出す側の企業が行う転職手続きは、以下のとおりです。

  1. 特定技能雇用契約に係る届出
  2. 受入れ困難に係る届出
  3. 支援計画変更に係る届出(特定技能1号)
  4. 支援委託契約に係る届出(特定技能1号)
  5. 外国人雇用状況の届出(ハローワーク)

特定技能1号の場合は、支援計画の内容や支援計画を実施する人に変更が生じるため、報告の手続きが発生します。

これから働く企業が行う転職手続き

新たに特定技能外国人を受け入れる企業は、以下の手続きを行います。

  1. 特定技能雇用契約に係る届出
  2. 支援委託契約に係る届出(特定技能1号)
  3. 外国人雇用状況の届出(ハローワーク)

このほかに、定期的に状況を報告する届出や入管法および労働関係法令に違反があった場合に提出する届出もあります。状況により何を提出すべきかが変わってくるので、出入国在留管理庁のWebサイトで逐一確認しましょう。

参照元: 出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出(高度専門職1号イ又はロ、高度専門職2号(イ又はロ)、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行、技能、特定技能) 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出

特定技能外国人が転職するリスクを減らすには

時間と工数を掛けて採用した特定技能外国人がすぐに転職してしまうのは、企業にとって大きな損害です。長期就労を叶えるには、長く働きたいと思ってもらえる職場作りが重要です。

在留資格の制限がある外国人は、できることなら同じ場所で長く働きたいと考えています。以下の取り組みを参考にして、特定技能外国人の定着を目指しましょう。

支援業務をしっかり行う

特定技能外国人を雇用する企業に定められている支援業務を適切に行えば、働きやすい職場に近づけることができます。

行うべき支援は以下のとおりです。

特定技能制度の概要についての引用画像

参照元:出入国在留管理庁「特定技能制度の概要について

このほかにも、任意的支援といい、義務ではないものの行うことが望ましいとされている支援もあります。

たとえば、上記表の「事前ガイダンス」の任意的支援は以下の4項目の説明の追加です。

  1. 日本の気候や持っていくべき衣類
  2. 持ち込み不可の物品
  3. 生活費の目安
  4. 企業から支給されるもの

細やかなサポートがあれば、その分特定技能外国人の定着率も高まるでしょう。なお、自社で満足に支援業務を行えなかったり今まで外国人雇用の実績がなかったりする場合、通常は登録支援機関に支援業務を委託します。

登録支援機関の役割を担うのは外国人のサポートに長けた行政書士や社労士、人材紹介会社、技能実習監理団体などです。初めての外国人雇用でも、安心して任せられるでしょう。

教育や研修体制を整える

特定外国人の雇用に限ったことではありませんが、教育や研修に力を入れると従業員の早期離職を防げます。

海外から来日した特定技能外国人は、技能試験や日本語の試験に合格しているとはいえ、日本での就労は未経験です。また、技能実習から移行した場合でも、業務の幅が広がるため丁寧な教育や研修は必要となるでしょう。

技能はもちろん、義務的支援にも定められている日本語教育に力を入れると、特定技能外国人の働きやすさや日本での暮らしの利便性向上に繋がります。

評価制度や福利厚生を充実させる

評価制度や福利厚生を充実させることも効果的です。待遇に不満を感じ、より条件の良い企業に転職を考える特定技能外国人は少なくありません。

いきなり賃金を大幅に上げるのは難しくても、実力を正当に評価する制度や、生活の安定やワークライフバランスの向上に繋がる福利厚生があると、特定技能外国人の帰属意識を高められます。

宗教や文化の違いに配慮する

外国人雇用を成功させるには、宗教や文化への配慮は欠かせません。特に宗教に関する職場の理解がないと、辞めたくなくても続けられないという状況になってしまう可能性があります。

たとえば、戒律の多いイスラム教徒(ムスリム)に対する配慮は以下のとおりです。

  1. 【戒律】1日5回メッカの方向に向かって祈りを捧げる→【対策】勤務中のお祈りを許可し、スペースを確保する
  2. 【戒律】肌の露出を控える→【対策】長袖やヒジャブの着用を許可する
  3. 【戒律】豚肉やアルコールを口にしない→【対策】社員食堂でハラルフードを提供する、食事をする際はムスリムが口にできる料理を提供する店を選ぶ

なお、戒律との向き合い方は同じ宗教でも出身地や世代によって大きく異なります。本人にヒアリングしたうえで、必要な配慮を導入しましょう。

関連記事:「国内人口増加中!インドネシア人の特徴や仕事観【職場に必要な宗教の配慮】

参照元:出入国在留管理庁「特定技能制度の概要について

まとめ

在留資格「特定技能」を持つ外国人は、自分の意思での転職が可能です。ただし、支援計画の変更や在留資格の変更が伴うため、ハードルは高くなるでしょう。

転職が許可されている分、雇用した特定技能外国人が早期退職してしまう可能性もあります。教育体制や福利厚生、宗教などへの配慮を徹底し、長く働いてもらえる環境を整えましょう。

Leverages Global編集部
執筆Leverages Global編集部ライター
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