日本で暮らす外国人住民が増えるなか、言葉や生活習慣の壁から孤立してしまうケースも少なくありません。そんな中、地域住民や企業が「おとなりさん」として日々の暮らしを支え、外国人住民と共に育む新たな共生の形が広がっています。この活動を推進し、垣根のない地域づくりに取り組んでいるのが「特定非営利活動法人 アジア人文文化交流促進協会」です。
はじめに
人口減少が進む日本では、2025年6月末時点で、約395万人の外国人住民が暮らしています。労働力としての受入れが進む一方、生活者としてのニーズや共生の課題は十分に向き合われてきませんでした。不安や誤解、排外的な風潮が広がる中、特定非営利活動法人 アジア人文文化交流促進協会は日本人ボランティアと近隣に暮らす外国人住民を「おとなりさん」として繋ぎ、日常的な交流を通じて互いを知り、支え合いながら新しい価値を生み出す社会を目指しています。
団体概要
同団体は、多様性を力に変える「文化共生」の実現を目指し活動している団体です。日本に暮らす外国人住民は、日本社会について学ぶ機会や信頼できる情報にアクセスしにくく、孤立や不安を抱えがちです。そこで「外国人住民が日本に馴染みやすくなること」をミッションに、「おとなりさん・ファミリーフレンド・プログラム(OFP)」を立ち上げ、国際交流の枠を超えた個人同士のリアルな繋がりを育んできました。
2025年には企業向けの「おとなりさん・コーポレート・プログラム」を開始し、社員や地域の力を活かした新たな支援にも取り組んでいます。加えて、専門家による相談窓口や外国ルーツの子どもの学習支援なども実施。現在、40か国以上の外国人住民と、首都圏を中心に600名超のボランティアの方々が活動に参加しています。
支援内容
今回は同団体が取り組む2つの活動を紹介します。専門家と連携し、誰もが頼れる存在として、支援の垣根を超えた友人のような関係を築きながら、外国人住民の暮らしを支えています。
おとなりさん・コーポレート・プログラム
出入国在留管理局の「令和5年度 在留外国人に対する基礎調査」によると、外国人住民が困りごとを抱えた際、最初に所属機関を相談先に選ぶ人はわずか2.9%にとどまっています。2番目の選択肢としても8.4%に過ぎず、多くの場合、相談相手は家族・親族や日本人の知人・友人に頼っているのが実情です。
「おとなりさん・コーポレート・プログラム」は、そんな現実に寄り添い、これまで多くの実績を積み重ねてきたOFPの仕組みを活かして、日本人社員と外国人社員が社内または地域の人とペアを組み、一定期間日常的な関わりを重ねていく取り組みです。外国人社員にとっては、日本語での会話や生活習慣、社会のルールを知り、地域とのつながりを得て日本社会に馴染むことができ、一方日本人社員にとっては、社内外において外国人住民をサポートする機会が得られる越境体験になります。支援する側・される側の垣根を超えた友人のような関係を育んでいます。
丁寧なマッチングやコーディネーターの伴走により安心して参加することができ、必要に応じて専門家とも連携する体制を整えています。おとなりさん活動を通して、これまでに多くの出会いが生まれ、ペア成立率89%、半年間の活動完走率93%、友人に紹介したいと回答した参加者は97%を達成。社員や地域の力を活かした新たな支援として、企業のCSRや地域貢献にもつながるプログラムです。
https://j-ii.org/corporateprogram/
スポットおとなりさん
外国人住民が抱える困りごとは、相談対応だけでは解決できない場面も少なくありません。日本語の読み書きの壁や、日本の複雑な社会制度を理解できず適切な行政窓口にたどり着けない、学校の先生と十分に意思疎通ができないなど、日常の様々な場面で困りごとに直面しています。「スポットおとなりさん」は、医療や教育、福祉、電気・水道といった暮らしに欠かせない手続きに、実際にボランティアが立ち会い、同行や日本語のサポートを行う仕組みです。一人で抱え込まず、「誰かが一緒にいてくれる」安心を届けることを大切にしています。
https://j-ii.org/spot-otonarisan/
ご紹介団体詳細
特定非営利活動法人 アジア人文文化交流促進協会 https://j-ii.org/
※本記事の内容は、2026年4月22日時点での情報となります。
参照:厚生労働省「令和7年6月末現在における在留外国人数について」
出入国在留管理庁「令和5年度 在留外国人に対する基礎調査」










