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フィリピン人の性格や特徴とは?円滑に働くためのポイントを紹介!

公開日:2025年4月28日

更新日:2025年4月28日

フィリピン人の性格や特徴とは?円滑に働くためのポイントを紹介!

少子高齢化により労働力不足が深刻化する中、多くの企業が海外人材の活用に目を向けています。なかでも、フィリピン人は英語力の高さやホスピタリティに優れた国民性から幅広い分野で活躍中です。

この記事では、フィリピン人の性格や根付いている文化、社会通念を解説。また、フィリピン人の仕事観と一緒に働くうえで知っておくべきことを紹介しています。ぜひ、フィリピン人が能力を発揮できる職場づくりにお役立てください。

※WeXpatsは偏見と差別の排除を理念の一つに掲げて活動しています。本稿にも「人種」や「国籍」といった特定の属性に対するイメージを単純化する意図はありません。本稿の内容は、あくまでインドネシアの文化や社会通念を紹介するものであり、個々人の性格は多種多様であるという点を踏まえてご覧ください。

目次

  1. フィリピンとはどんな国?
  2. フィリピン人の性格や特徴
  3. フィリピン人が日本に来る理由とは?
  4. フィリピン人の仕事観
  5. フィリピン人と円滑に働くには
  6. フィリピン人を雇用するにはMWOへの申請が必要
  7. まとめ

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フィリピンとはどんな国?

フィリピンとはどんな国?の画像

フィリピンは、歴史的にも日本と深い関わりのある国です。特に1980年代以降、日本の経済成長にともなって就労目的で来日するフィリピン人が増え始めました。

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」によると、日本で働くフィリピン人は24万5,565人にのぼり、外国人労働者全体のおよそ1割を占めています。「永住者」や「日本人の配偶者」などの在留資格で長期的に日本で生活している人も多く、フィリピン人は非常に身近な存在といえるでしょう。

フィリピン人の背景や価値観を理解するために、まずはフィリピンという国の基本的な特徴を見ていきましょう。

人口が増加している

フィリピンの人口は年々増加しており、人口は1億903万5343人です。今後もしばらくは人口の増加が見込まれており、将来的には2億人国家になると予想されています。人材市場において、特に注目すべき国といえるでしょう。

若年層が多い

フィリピンは若年層が多いのが特徴です。フィリピン人の平均年齢は24才であり、労働人口が豊富で経済成長率が高い「人口ボーナス期」に入っている状態です。フィリピンの人口ピラミッドは綺麗な三角形をしており、「子どもが多く高齢者が少ない」状態なのがはっきり分かります。すりばち型の日本の人口ピラミッドとの違いは一目瞭然です。

フィリピン国家統計局(PSA)」によると、2022年のフィリピンの合計特殊出生率は1.9でした。前回調査の2017年の2.7から大幅に減っていますが、新型コロナウイルスの一時的な影響が大きいと考えられています。依然として高い水準であることに変わりはありません。

フィリピンでは家族や親戚と一緒に暮らすのが一般的で、育児を手伝ってくれる人が多くいます。こうした環境が、子どもが多く生まれる理由の一つといえるでしょう。

経済成長が著しい

フィリピンは特に高い経済成長率を記録しており、ASEANのなかでもトップクラスです。先述したように労働力が潤沢で将来性が見込めるほか、政府が外国企業の誘致を進めるべく優遇措置を行っているため、進出先としても魅力的です。

また、外国企業のコールセンター業務受託や海外就労者からの送金が経済成長を支えています。

公用語が英語

フィリピンでは、フィリピン語(タガログ語)とともに英語を公用語に定めています。学校教育は英語で行われるため、ほとんどの国民が流暢に話すことが可能です

EF EPI「世界最大の英語能力指数 ランキング」によると、フィリピンの英語力は世界22位です。アジア圏ではシンガポールに次ぐ2位であり、非常に英語力が高い国であることが分かります。

なお、フィリピン人が話す英語は、ネイティブスピーカーよりも発音の繋がりやスラングが少なめです。アメリカ英語が基盤となっていることもあり、日本人にとって聞き取りやすいといわれています。

参照元: 厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点) 外務省「フィリピン共和国 Philippine Statistics Authority 「Health EF EPI「世界最大の英語能力指数 ランキング

フィリピン人の性格や特徴

フィリピンは明るく社交的な性格の人が多く、周囲との調和を大切にし、助け合いながら生活する文化が根づいています。また、家族や地域社会とのつながりを大切にする点も特徴の一つです。

一方で、時間やルールに対する考え方が日本とは異なるため、相手の立場に配慮しながら丁寧に接することが求められます。

フィリピン人の性格をひとくくりにはできませんが、よく見られる傾向を知っておくことは、コミュニケーションを円滑に進めるうえで助けになるでしょう。

陽気で人懐っこい人が多い

フィリピン人は、明るく前向きな性格の人が多い傾向にあります。初対面でも打ち解けやすく、人と関わることに対して積極的です。

フィリピンは、スペイン領の時代が300年以上もありました。その影響もあり、いわゆるラテン系の気質が残っているのです。ラテン系に分類される国々では、辛いときにも明るく前向きに振る舞うことを良しとする価値観があります。

人懐っこさや社交性は、接客や介護、サービス業など人と関わる仕事において大きな強みです。日本語に不慣れな場合でも、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢でスムーズに溶け込んでいけるでしょう。また、こういった明るさや親しみやすさは、周囲の人たちにも良い影響を与えます。

争いを好まない

フィリピン人は、対立や言い争いを避ける傾向があります。感情を強く表に出すことは少なく、穏やかな関係を保つことを優先する文化です。

こういった国民性には歴史的背景が関係しています。情勢不安が続いていたフィリピンは、人々が互いに支え合いながら発展してきました。また、農林水産業が盛んなこともあり、より大勢の人々が協力して働いてきたのです。

フィリピン人には、相手の意見を否定せず、調和を大切にする場面が多く見られます。その一方で、遠慮から自分の考えを口にしないことも。だからこそ、上司や同僚が声をかけ、意見を言いやすい環境をつくることが大切です。

助け合いの精神が強い

フィリピンには、古くから「バヤニハン」と呼ばれる助け合いの文化があります。これは、困っている人を地域全体で支え合うという考え方です。バヤニハンの精神は現代にも受け継がれており、職場や日常生活でも周囲と協力し合う姿勢が見られます。

また、フィリピンはASEAN唯一のキリスト教国家であり、国民の83%がカトリック教徒です。寄付や巡礼、ボランティアなどの良い行いをすれば、自分も救われるというカトリックの教えが根付いています。フィリピンの人が積極的に困っている人を助け気遣うのは、これらの信仰も影響しているといえるでしょう。

フィリピン人は、家族や親戚皆で支え合いながら仕事や家事、子育てを行ってきました。さらに、家族の人数が多いこともあり、親や兄弟、親戚との繋がりをとても大切にしています

たとえば、成人しても両親や祖父母、兄弟と同じ家もしくは同じ敷地に住むことは決して珍しくありません。いわゆるスープが冷めない距離に住まいを構えるケースが多いようです。

海外で働くフィリピン人も、家族を大切に思う気持ちは変わりません。給料を仕送りしたり頻繫に連絡したりして、常に気にかけています。

フィリピンでは、時間に対する感覚が日本と比べて緩やかです。約束の時間に多少遅れることを問題視しない文化があり、「フィリピンタイム」と呼ばれています。

たとえば、友人と話が楽しく盛り上がっているのなら、次の待ち合わせに遅れそうでも途中で切り上げずに満足いくまで話し続けることも。人との繋がりを大切にするフィリピン人からすると、厳密に時間を守ることよりも人間関係を円滑に進めるほうが優先順位が高いようです。

また、マニラをはじめとした都市部は交通渋滞が深刻。予定どおりに出発しても遅れてしまうことが多々あるので、ある程度の遅れは「仕方ない」と考えられています。

フィリピン人が日本に来る理由とは?

近年、経済的な理由だけでなく、日本の社会環境や文化に対する関心もあいまって、日本で働くフィリピン人が増加しています。また、日本は比較的安全で暮らしやすい国と認識されていることも要因の一つです。ここでは、フィリピン人が来日する主な理由について詳しく解説します。

高い賃金を得られるため

フィリピンと比べて日本は賃金水準が高いため、経済的な向上を目指して来日するフィリピン人が多くいます。特に、家族を支える目的で海外就労を選ぶ人は少なくありません。

フィリピン統計庁(PSA)の「職業賃金調査」によると、2022年のフィリピンにおける平均月額基本給は1万4588フィリピンペソで、日本円に換算すると3万7000円程度です。一方、日本の同年の平均月収は厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると31万1800円。両国間の賃金差は約8倍です。

この大きな差が日本で働くことへの強い動機となっており、多くのフィリピン人が日本での就労を希望していると考えられます。

治安が良いため

日本の治安の良さは、フィリピン人にとって大きな魅力の一つです。犯罪発生率が低く、街中を安心して歩ける環境は、日常生活の安全や精神的な安定につながります。

特に家族と離れて暮らす人にとって、安心して働ける場所かどうかは重要なポイントです。日本は財布を落としても戻ってくることがあるなど、道徳観や公共意識の高さが評価されています。

こうした安全な生活環境に魅力を感じ、日本を就労先として選ぶフィリピン人は少なくありません。治安の良さは、外国人にとって働きやすさや暮らしやすさを左右する大切な要素といえるでしょう。

親日国で日本に興味があるため

フィリピンは長年にわたり日本との友好関係を築いてきた親日国です。日本のアニメや音楽などはフィリピンでも広く親しまれており、若い世代を中心に日本への関心が高まっています。

外務省が実施した「海外における対日世論調査」によれば、日本を信頼できる理由として「友好関係」と回答した人が79%にのぼりました。また、日本に対するイメージでは、「経済力・技術力が高い国」が82%、「豊かな伝統と文化を持つ国」が71%と高評価を得ています。

さらに、日本についてもっと知りたい分野として「文化(伝統文化、ポップカルチャー、和食などを含む)」を挙げた人が67%を占めました。このように、日本という国そのものへの興味や好意を持って来日するフィリピン人は少なくありません。

外国人特化の人材紹介サービス「WeXpats Agent」では、フィリピン出身者を含むさまざまな背景のグローバル人材をご紹介しています。外国人採用の課題である「離職率の高さ」「採用後のミスマッチ発覚」を防止するために、国際感覚に優れたスタッフが求職者と密な面談を重ね、スキルと人柄の両面に基づくマッチングを行います。ぜひ、こちらからお気軽にお問い合わせください。

参照元: フィリピン統計庁(PSA)「職業賃金調査 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 外務省「海外における対日世論調査

関連記事:「外国人労働者を受け入れるメリット・デメリット|雇用の流れも解説

フィリピン人の仕事観

フィリピン人の仕事観の画像

フィリピン人は、仕事に前向きで責任感を持って取り組む人が多く見られます。ただし、日本とは価値観や働き方に違いがあるため、接するうえではその違いを理解しておくことが大切です。ここでは、フィリピン人の仕事観を理解するために、ぜひ押さえておきたいポイントをご紹介します。

海外で働くことが身近

フィリピン人にとって、海外で働くことはごく自然なことです。国内の産業が十分に発展していないことから、労働人口の約1割が国外で就労しており、外貨送金はフィリピン経済の大きな支えとなっています。

多くのフィリピン人は英語を話せるため、海外でも言語の壁を感じにくく、スムーズに仕事を始めることが可能です。政府機関(POEA)が海外就労を積極的に支援しており、高校や大学の段階から国外で働くことを視野に入れて準備する人も少なくありません。

また、国内企業でスキルや語学力を磨き、十分な経験を積んだうえで海外への転職を目指す人もいます。海外で働くことが身近な選択肢となっているフィリピン人は、文化や考え方の違いにも比較的適応しやすいといえるでしょう。

海外就労先としてはアメリカや中東、カナダが人気です。日本も、距離の近さや歴史的な関係の深さを理由に就労先としてよく選ばれています。

仕事熱心な人が多い

家族の繋がりが深い」の項目でも説明したとおり、フィリピン人は家族を大切にする価値観が強く、家族の生活を支えるために一生懸命働く人が多く見られます。誰かのために働くという意識が、仕事への真面目な姿勢につながっているのです。

なかでも、注目されるのが女性の働きぶりです。フィリピンはアジアの中でも特に女性の社会進出が進んでおり、管理職や専門職に就く女性の割合はトップクラスといわれています。過去には、コラソン・アキノ氏やグロリア・アロヨ氏といった女性大統領も誕生し、女性が活躍できる環境づくりを進めてきました。

また、フィリピンでは「女性も外で働くのが当たり前」という考え方が昔から根付いています。育児や家事は家族や近所の人たちと協力して行う文化があり、性別に関係なく、できる人が働き、支え合うという姿勢が浸透しているのです。

オンとオフの切り替えがあいまい

フィリピン人は、仕事とプライベートの境界が比較的ゆるやかです。

たとえば、業務が落ち着いたタイミングでおしゃべりをしたり、YouTubeを見たりして過ごす人もいます。また、イヤフォンをして働いている人も珍しくありません。業務中にリラックスした態度をとることがあり、日本人から見ると集中力に欠けるように見える場面もあるかもしれません。

しかし、それは仕事に不真面目というわけではなく、あくまで文化的な違いによるものです。そのため、あらかじめ文化の違いを理解したうえで、「日本ではオンとオフをきちんと切り替えることが大切」と伝えましょう。丁寧に説明し、具体的な行動ルールを示すことで、円滑な職場づくりにつながります。

綿密に計画を立てる文化がない

フィリピンでは、あらかじめ細かく計画を立て、その通りに進めることをあまり重視しない傾向があります。結果さえよければ良いという考え方が強く、その場の状況に応じて柔軟に対応するスタイルが一般的です。そのため、日本のように計画や段取りを前提とした業務進行とは大きな違いがあります。仕事をスムーズに進めるには、具体的な手順や優先順位を事前に共有することが大切です。

一方で、変化に対して柔軟に動けるのは大きな強み。トラブルが起きても冷静に対応できるため、臨機応変さが求められる場面では力を発揮します。

また、「時間をあまり気にしない」の項目でも説明したとおり、フィリピン人は時間に対して楽観的な傾向に。そのため、まずは事前の準備やスケジュール管理が仕事全体にどのようなメリットをもたらすかを一緒に考えながら、少しずつ計画的に動く習慣を身につけてもらうと良いでしょう。

転職の心的ハードルが低い

フィリピンでは、より良い条件を求めて転職することが当たり前とされています。年功序列や終身雇用の文化はなく、一つの会社に長く勤めることが必ずしも美徳とはされていません。待遇や職場環境、人間関係に不満を感じた場合は、早期に退職を決めるケースもあります。

フィリピンにおいて、転職はネガティブなことではなくキャリアの一環。そのため、安定して長く働いてもらうためには、職場の環境づくりがとても重要です。

たとえば、こまめに声をかけたり、仕事ぶりに対してフィードバックを行ったりすることで、信頼関係を築けます。さらに、家族を尊重する姿勢を見せることも効果的です。家族の事情による早退や休みに柔軟に対応すれば、定着率の向上にもつながるでしょう。

フィリピン人と円滑に働くには

フィリピン人と良好な関係を築くには、相手の文化や価値観を尊重する姿勢が欠かせません。真面目で明るい性格の人が多いため、コミュニケーションを丁寧にとれば信頼関係を深められるでしょう。

ただし、日本独自の暗黙のルールや遠回しな表現は伝わりにくいこともあります。スムーズな連携のためには、言葉の選び方や接し方に注意しながら、日々のやり取りを工夫することが大切です。

ここでは、フィリピン人と働くうえで押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

わかりやすい日本語で話す

フィリピン人の多くは英語が堪能で、なかには日本語をある程度理解できる方もいます。しかし、いくら日本語が話せるといっても、日本語特有の曖昧な言い回しや省略された表現をすべて理解するのは困難です。「これ」「あれ」などの指示語や、「〜してくれると助かる」などの遠回しな依頼は避けましょう。

仕事を依頼する際には、短く簡潔に「誰が・何を・どうするのか」を明確に伝えることが大切です。また、話すだけでなく、図やメモを使って視覚的にサポートするのも有効。指示のあとは理解度を確認する時間を取り、フィードバックをすることですれ違いを防げるでしょう。分かりやすい言葉で丁寧に伝える姿勢が、信頼関係の構築にもつながります。

人前で叱責をしない

褒めて伸ばす文化が根付いているフィリピンでは、人前で叱責することはありません。もちろん誰であっても人前で怒られて良い気持ちはしませんが、たとえ軽い注意であっても、「恥をかかされた」「侮辱された」と受け取られる恐れがあります

注意の方法を間違うと、帰属意識の低下や早期離職に繋がる可能性も。最悪、翌日から出社しないというケースも大いに考えられます。指摘したいことがある場合は、周囲に人がいない場所で、声のトーンや表情にも配慮しながら伝えることが大切です。叱るよりも褒めて伸ばす姿勢を意識すると、信頼関係を築きやすくなります。

フランクな雰囲気をつくる

フィリピン人は明るく社交的な性格の人が多く、職場にもオープンで話しやすい雰囲気を求める傾向があります。日本のように黙々と作業をこなす環境では、窮屈さを感じてしまうこともあるでしょう。マネジメントを行ううえで一定の距離感は必要ですが、悩みや困りごとにすぐ気づける職場環境作りが欠かせません。

日頃から声をかけたり、ちょっとした雑談の時間を設けたりするだけでも、信頼関係が深まり、仕事もスムーズに進みます。また、イベントやレクリエーションを取り入れることも効果的です。実際にフィリピンの職場では、クリスマスパーティーやカンパニーアウティング(社員旅行)が一般的に行われています。

特にクリスマスは、キリスト教文化のなかでも大事な行事。企業はプレゼントやごちそうを用意し、社員をもてなすのが通例です。ここまで盛大にするのは難しくても、職場で楽しい時間を共有し、親睦を深めることは、フィリピン人スタッフの定着やモチベーションアップにつながります。

適切な業務量を任せる

フィリピンでは綿密に計画を立てて行動する文化があまり根付いておらず、時間に対する意識も日本と比べて比較的緩やかです。そのため、業務の進行をフィリピン人スタッフに一任しすぎると、対応が追いつかず、ミスや混乱を招く恐れがあります。

フィリピン人スタッフに仕事を依頼する際は、まずは一人ひとりの理解度や作業スピードを把握し、無理のない範囲で業務を割り振ることが大切です。急ぎの仕事がある場合は、納期や優先順位を明確に伝え、途中経過もこまめに確認すると良いでしょう。業務量を増やす際も、段階的に調整しながら相手の様子を見て進めることがポイントです。

また、ただ業務を任せるのではなく、仕事の目的や最終的なゴールを丁寧に伝えることも重要。本人が納得して取り組めるようにすれば、モチベーションの向上につながります。適切なサポートと明確な指示によって、パフォーマンスの安定と信頼関係の構築が期待できるでしょう。

明確で丁寧な指示を心がける

フィリピン人スタッフに仕事を依頼する際は、あいまいな表現を避け、誰が読んでも分かるように丁寧かつ具体的な指示を出すことが大切です。たとえば、「できるだけ早く」「いつものように」などの抽象的な表現は、人によって受け取り方が異なるため、業務のズレやトラブルにつながる恐れがあります。

また、仕事の目的やゴールを明確に伝えないと、意図と異なる方向に進んでしまうこともあるので注意しましょう。依頼内容は背景や意図を含めて簡潔に説明し、指示内容はステップごとに整理して伝えると効果的です。

加えて、「わからないことがあれば必ず聞いてほしい」とあらかじめ伝えておくと安心して質問しやすくなります。相互の理解を深めるためにも、言いっぱなしにせず、指示が伝わったかを確認する習慣をつけると良いでしょう。

関連記事:「外国人との異文化コミュニケーションに必要なこと|心構えや失敗例も

フィリピン人を雇用するにはMWOへの申請が必要

日本でフィリピン人を雇用するには、フィリピン政府の出先機関であるMWO(移住労働者事務所/旧POLO:フィリピン海外労働事務所)への申請が必要です。MWOは、海外で働くフィリピン人労働者の権利や安全を守るために設置されており、日本国内では東京と大阪に事務所があります。

フィリピン人の雇用を希望する企業は、MWOの定める手続きに従って雇用契約書や企業情報などの多数の英文書類を準備し、事前に承認を受ける必要があります。

手続きには時間がかかるため、採用スケジュールには十分な余裕を持ちましょう。最新の申請方法や必要書類については、MWOの公式サイトまたは厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。

関連記事:「外国人を雇用するには?入社前・入社後の手続きと必要書類

まとめ

日本の職場で活躍するフィリピン人は年々増えており、今や多くの企業にとって欠かせない存在です。陽気でフレンドリーな性格や柔軟な思考、英語力など、フィリピン人ならではの強みは多岐にわたります。とはいえ、文化や価値観の違いによってすれ違いが起こることも……。また、当たり前ですが、性格や考え方は人によってさまざまです。

だからこそ、画一的な対応ではなく、個々の特性や背景を理解しながら接することが大切。より良い職場環境を育むためにも、国籍や文化の違いを理解・尊重した関係性を築くことを心掛けましょう。