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近年、日本にミャンマー人労働者が増加しており、2024年10月の調査では国籍別で見た対前年増加率が1位でした。増加の要因としては、ミャンマー国内の情勢不安や日本が打ち出している緊急避難措置が考えられるでしょう。
ミャンマー人は日本人と性格面で似ている部分が多いといわれており、職場への早い適応も期待できます。
このコラムでは、ミャンマー人の性格や仕事観について解説。雇用前に把握しておき、スムーズに受け入れられるようにしましょう。
※WeXpatsは偏見と差別の排除を理念の一つに掲げて活動しています。本稿にも「人種」や「国籍」といった特定の属性に対するイメージを単純化する意図はありません。本稿の内容は、あくまでミャンマーの文化や社会通念を紹介するものであり、個々人の性格は多種多様であるという点を踏まえてご覧ください。
目次
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近年、日本で働くミャンマー人の数が急増しています。厚生労働省の「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」によると、2024年10月末時点で日本で働いているミャンマー人の数は11万4,618人でした。
参照元:「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」
割合で見ると外国人労働者全体の5%と、そう多くはありません。しかし注目すべきはその増加率。対前年増加率は60%と、2位のインドネシア(39.5%)3位のスリランカ(33.7%)を大きく引き離しています。
割合としては、「専門的・技術分野の在留資格」「技能実習」「特定活動」で在留している人が多くなっていました。
ミャンマー人が急増している要因は後で詳しく説明しますが、「国内の混乱により海外就労者が増えたこと」そして「緊急避難措置による滞在が可能になったこと」が関係しているでしょう。
今後も増加傾向は続くとみられ、将来的にはベトナムやインドネシアに代わりミャンマーが一番の人材送り出し国になるのではないかと予想している有識者もいます。
ミャンマー人の採用を検討するうえで、本国情勢についての理解は欠かせません。ここでは、ミャンマー情勢の最新情報と、日本政府がミャンマー人に対して行っている緊急避難措置について解説します。
ミャンマーでは、2021年2月1日の軍事クーデター後、国軍と民主派勢力の衝突が断続的に発生している状況です。国家非常事態宣言は7回の延長があり、2025年4月時点でも解除されていません。
不安定な情勢により景気が停滞しており、仕事を求めて海外に出国する国民も増加しました。しかし、軍事政権は徴兵対象者の海外流出を防ぐため、2025年1月から18歳から35歳の男性の就労目的の出国を厳しく制限しています。
一方、女性は男性と比較すると比較的制限なく出国できる状況のようです。今度「技能実習」や「特定技能」の在留資格でミャンマー人を雇用する際は、女性が多くなることも想定しておきましょう。
日本政府は、ミャンマーの不安定な情勢を考慮し、在留ミャンマー人に対して以下の緊急避難措置を用意しています。
参照元:厚生労働省「本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置(令和6年10月改正)」
学校を卒業した留学生や技能実習を修了した技能実習生が、不安定なミャンマー情勢を理由に引き続き日本への在留を希望する場合、在留資格を「特定活動」に変更でき、引き続き日本に在留できます。緊急避難措置が継続している間は在留期間を更新でき、自由に就労も可能です。
上の表の「自己の責めに帰すべき事情」には、成績不振や出席日数不足、勤務態度不良など、自分の責任で在留資格の活動を満了しなかった人が該当します。
一方、本国からの送金から途絶え退学を余儀なくされた留学生や、技能実習先が倒産し技能実習が修了できなかった技能実習生の場合は「自己の責めに帰すべき事情」には該当しません。
ミャンマー人に対する緊急避難措置は、2024年10月に見直しが行われました。理由は、緊急避難措置を誤用・濫用する事案が相次いだためです。具体的には、技能実習生として来日したミャンマー人が技能実習を最後まで行わず、在留資格を「特定活動」に変更するケースが急増しました。
緊急避難措置を利用して在留資格を「特定活動」に変更すると、更新の回数に制限がなく職種も自由に選べるため、技能実習生として働くよりも都合が良いためです。
上記のようなケースを考慮し、2024年10月からは技能実習を修了していない緊急避難措置の利用が認められなくなっています。
参照元:出入国在留管理庁「本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置」
ミャンマー人従業員と適切に関わっていくために、まずはミャンマーとはどのような国なのか知っておきましょう。
ここでは、ミャンマーに関する基礎データを解説します。
ミャンマーの基本的なデータを以下の表にまとめました。
正式名称 |
ミャンマー連邦共和国 |
面積 |
68万㎢(日本の約1.8倍) |
首都 |
ネーピードー |
民族 |
ビルマ族(70%)ほか35以上の民族 |
言語 |
ミャンマー語(公用語) シャン語、カレン語など |
宗教 |
仏教(90%)、キリスト教、イスラム教など |
参照元:外務省「ミャンマー連邦共和国(Republic of the Union of Myanmar)基礎データ」
ミャンマーは中国やタイ、インド、ラオス、バングラデシュと国境を接している東南アジアの国です。軍事政権が国名を変更する1989年までは、ビルマと呼ばれていました。
人口増加に伴うインフラや排水の問題で、2006年に首都をヤンゴンから内陸のネーピードーに移動しています。とはいえ、商業の中心は未だヤンゴンのまま。成田国際空港からヤンゴン国際空港までは約8時間程度です。
ミャンマー政府の発表によると、2024年10月時点での人口は約5,131万と発表されています。内戦の影響で調査できない地域があり暫定の数字となりますが、前回調査(2014年)から僅かに減少している結果でした。
国連の「World Population Prospects 2024」によると、ミャンマーの2024年時点の中位年齢は30.1歳であり、平均年齢も30歳前後と考えられます。若い年齢層の幅が広く、人材の送り出し国として理想的といえるでしょう。
ミャンマーの主要産業は農業や天然ガス、製造業です。
特に盛んなのは農業で、人口の70%が農村部に居住しているといわれています。稲作が中心で、米生産量や消費量はなんと日本の3倍以上。しかし、機械化がまだ十分に進んでおらず、農村部の人手不足が課題です。
また、近年はGDPのうち製造業の割合が増加しています。人件費が高騰している中国や東南アジアに代わり、ミャンマーに進出する企業が増えているのが要因でしょう。
ミャンマーの教育課程は基礎教育と高等教育に分けられています。基礎教育は幼稚園~高等学校までの12年間で、高等教育は大学や専門学校です。なお、公立学校の基礎教育の学費は無償になっています。
通常の学校のほかに、仏教寺院に併設されている僧院学校もあるのがミャンマーの特徴。貧困家庭の子どもや孤児などが、信者からのお布施によって基礎教育を受けています。
クーデター後は紛争の影響で避難しなければならなかったり、金銭的に難しくなったりして教育を受けられない子どもが増加しました。また、大学でも民主派の教員や生徒が授業をボイコットするなど、混乱が続いています。
基礎教育の現場で教えられているのは英語のみで、日本語教育は実施されていません。しかし、就業や留学を目的とした日本語教育への関心は非常に高く、大学や民間の日本語学校で盛んに学ばれています。これらの教育機関のほか、仏教寺院で僧侶が日本語を教えている場合もあるようです。
ミャンマー語と日本語は文法が似ており覚えやすいのも、人気の要因といえます。
関連記事:「バイリンガル人材の採用は人材紹介・派遣会社がおすすめ!雇用の注意点を解説」
参照元: 外務省「ミャンマー連邦共和国(Republic of the Union of Myanmar)基礎データ」 Republic of the Union of Myanmar「Provisional Results of the Republic of the Union of Myanmar Population and Housing Census」 国立社会保障・人口問題研究所「ー人口統計資料集(2023)ー」 国際交流基金「ミャンマー(2023 年度)」
ここでは、弊社ミャンマー人スタッフに聞いた、コミュニケーションを取るうえで知っておくと良い国民性や性格の傾向を解説します。
ミャンマー人の性格形成には、仏教の教えが大きく影響しています。
ミャンマー人の90%は仏教徒で、そのほとんどは上座部仏教の信者です。上座部仏教では、修行を乗り越えた者だけが悟りを開けると考えられており、日本で広く信仰されている大乗仏教よりも戒律が厳格。ミャンマーでは出家することが一般的であり、日々の生活に仏教の信仰が深く根付いています。
仏教の教えに基づき、現世で功徳(良い行い)を積み、来世をより良くすることを目指しているため、真面目で勤勉な人が多いのが特徴です。
ミャンマー人は寄付をはじめとした奉仕活動をとても重要視しています。特に、僧侶や貧しい人に金品を寄付する「喜捨」は、徳を積み来世を良くすることに直結するため非常に盛んです。
特徴的なのは、自分に余裕がなくても人のために寄付をすること。イギリスの慈善団体であるCharities Aid Foundationが発表した「World Giving Index2024(世界人助け指数)」によると、過去1ヶ月で寄付活動をした人の数が世界第2位という結果が出ました。軍事政権下の混乱のなかでも、人々が自分にできる額の寄付を継続していることが分かります。
ボランティア活動も盛んで、コロナ禍では人々が互いに助け合い危機を乗り越えました。
誰かのために動くことを苦にしない人が多いので、職場でも周囲の人と協力しながら業務を進めていけるでしょう。
ミャンマーでは良い行いをすることが重要視されているため、人々は何か自分にできる善行はないか探しています。そのため、細かなところによく気付く人が多いのが特徴です。
たとえば、重い荷物を持っている人や道を渡っているお年寄りがいたら、手を差し伸べるのは当たり前の行為で、誰も躊躇しません。
仕事でも、細やかな気配りで周囲の人をさりげなくサポートしてくれます。
仏教の教えでは、感情はうまくコントロールすべきとされています。そのためか、ミャンマー人は控えめな人が多いようです。相手の心情を慮って、思っていることをはっきり言うのをなるべく避ける傾向があります。楽観的で陽気な性格の人が多いといわれる東南アジアでは珍しい傾向でしょう。
控えめで謙虚な国民性は、日本人と似た部分が多いといわれています。
弊社のミャンマー人スタッフによると、ミャンマー人は人見知りなところがあり、特に外国人とは打ち解けるまでに少し時間がかかるようです。都市部以外の出身の人は外国人と交流する機会があまりないので、無理もないでしょう。
しかし、一度打ち解ければ非常に親しみやすく、深い付き合いができます。
家族や周囲の人との繋がりを大切にするという価値観から、ミャンマー人はさみしがりの人が多い傾向にあります。一人で居ることを好まず、仲間と一緒に行動すると安心できるようです。
「一人が好きなのかな?」と思われがちですが、慣れるのに時間がかかっているだけの可能性があるため、コミュニケーションを積極的に取るよう心掛けましょう。
ミャンマー人には、日本の良い印象を持っている人が多いといわれています。外務省の「令和元年度 海外における対日世論調査」によると、調査対象のミャンマー人の96%が、日本を「信頼できる」もしくは「どちらかというと信頼できる」と答えていました。
理由としては、「友好関係、価値を共有する関係」と答えた人が64%、「経済的結びつき」と答えた人の割合が75%です。
日本政府はイギリスの植民地だったミャンマーの独立を助け、現在にいたるまで経済的・人的支援を行ってきました。また、家電や車などの日本製品の品質の良さも国民に知られており、人気があります。
これらのことから、日本に尊敬や親しみの気持ちを持っている人が多いのです。
宗派は違えど、日本もミャンマーと同じく仏教の教えが根付いている国です。国民の価値観や文化も似ているため、日本人とミャンマー人は良好な関係を築きやすいでしょう。
参照元: Charities Aid Foundation「World Giving Index2024」 外務省「令和元年度 海外における対日世論調査」
ここまではミャンマーの基本情報やミャンマー人の性格の特徴について解説します。ここからは、仕事観について見ていきましょう。
ミャンマーではイギリスからの独立後、幾度となく軍事クーデターが繰り返されてきました。軍と武装勢力の衝突もあり、政治や経済が不安定な状態がずっと続いてきたのです。
ミャンマー人のなかには、母国より高い賃金を得て家族に仕送りをすることを目的に海外で働いている人が多くいます。強い目的意識があるため、一生懸命仕事に取り組んでくれる人材といえるでしょう。
ミャンマー人の多くが信仰する仏教では、真面目に働いて世の中の役に立てば徳を積んだことになり、来世で幸せになれると考えられています。周囲の人に迷惑をかけてはいけないという教えもあるため、手を抜いたりせず、勤勉な人が多いのが特徴です。
外国人労働者にたまに見られる、時間にルーズだったりオンオフの切り替えが苦手だったりする面は、比較的少ないでしょう。
先述したとおり、ミャンマー人は仏教の教えから控え目な人が多く、自己主張をあまりしません。そのため、ビジネスの場でも本音を話してくれるまでに時間が掛かる可能性があります。特に意見がないからといってそのまま進めると、後になって「実は本心ではなかった」「本当は別の考えがあった」となる恐れも。
ミャンマー人が本音を言わないのは、相手に不快な思いをさせないための心遣いだと考えられます。このような遠慮しがちなところも、日本人とよく似ている部分といえるでしょう。
先述したとおり、ミャンマー人は控えめな人が多いという特徴があります。しかし、ある程度打ち解けたらはっきり自分の意見を口にする一面も。相手への配慮はしつつ、ストレートに意見を言うこともあります。
初めは、ギャップに驚いてしまうかもしれません。しかし、心を許して信頼してくれた証でもあるので、前向きに捉えるようにしましょう。
ミャンマーは上下関係を非常に重んじており、ときには日本以上に厳格です。特に、年齢による上下関係が非常に大事で、一歳でも年上であれば敬う対象となります。
年上を敬う気持ちが強い分、自分も年下の人から敬意を払われることを望んでいるともいえるでしょう。よく日本であるような、年下の人間が年上をからかったり馬鹿にしたりする冗談は通じず、不快に思う可能性があります。また、上司だからといって年下の人に偉そうにされると、気分を害するでしょう。
良好な関係を築くために、ミャンマー人の年齢のほうが上の場合は、打ち解けるまでは礼節を守りながら関わっていくのがおすすめです。
家族や仲間との繋がりが深いミャンマー人は、孤独を感じるとストレスを感じてしまう可能性があります。単独行動よりも、グループで交流することを好む傾向があるでしょう。
たとえば、一人で誰とも話さず黙々とする仕事よりも、チームで力を合わせて進めていく仕事のほうがやりがいを感じて働けます。休憩時間も、一人で黙々と食事したりスマートフォンを弄ったりする雰囲気よりは、同僚と賑やかに談笑しながら食事や運動ができるアットホームな空気感のほうが好まれるでしょう。
外国人特化の人材紹介サービス「WeXpats」では、ミャンマー出身者を含むさまざまな背景のグローバル人材をご紹介しています。外国人採用の課題である「離職率の高さ」「採用後のミスマッチ発覚」を防止するために、国際感覚に優れたスタッフが求職者と密な面談を重ね、スキルと人柄の両面に基づくマッチングを行います。ぜひ、こちらからお気軽にお問い合わせください。
ミャンマー人の多くが信仰している仏教(上座部仏教)は、ほかの宗教と比較すると制限が多くありません。
神様にお祈りをする習慣はあるものの、朝晩のプライベートな時間に行うのが一般的です。
本来、仏教では肉や五葷と呼ばれる香りの強い野菜を食べるのは避けるべきとされています。しかし、気にせず食べるミャンマー人も多いようです。なお、ミャンマーでは牛肉を食べない人が多くいます。これは、宗教上の戒律というよりは、牛は農業を行ううえで大切な働き手なので食用にするのは気が引けるというのが理由です。
宗教上の配慮として、ミャンマー人の頭に触れるのは避けましょう。仏教では、頭のうえに神様がいると信じられているためです。断りなく冗談で触ったり、可愛がるつもりで子どもの頭を撫でたりすると、不快に思われる可能性があります。
ミャンマー人と良い関係を築き、長く働いてもらえる職場環境を作るためには、以下の点を意識してみましょう。
まず、日本ではコミュニケーションを円滑にするためにあいさつが重要視されていることを教えましょう。
ミャンマーには決まったあいさつの言葉がありません。「おはよう」「お疲れ様です」の代わりに「ご飯は食べましたか?」「お元気ですか?」とその時々で言葉を変える習慣があります。そのため、決まったタイミングで定型の言葉を使う日本式のあいさつには馴染みがない人がほとんどです。
そのままにしておくと、ミャンマー人がふさわしいタイミングであいさつができず、顧客や取引先に失礼で礼儀のない人だと思われてしまう可能性があります。
また、日本人と比較すると、ちょっとした親切行為に対して「ありがとう」というお礼をいう習慣は乏しいかもしれません。軽微な親切をすることは当たり前という文化があるので、いちいちお礼をいわないことがあるのです。ですから、日本社会では、お礼の言葉はよく使うということを教育する必要があります。
周囲の人とスムーズにコミュニケーションを取れるよう、入社直後に「おはようございます」「こんにちは」などの基本のあいさつの言葉と言うタイミングを教えましょう。
前述したとおり、ミャンマー人は自己主張が控え目でなかなか本音を言いません。人間関係を円滑にするための心遣いですが、ビジネスの場では本音を話したほうが良いこともあるでしょう。
ミャンマー人に本音を話してもらいたいときは、ただやみくもに意見や気持ちを聞くのではなく、本音を話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
コミュニケーションをしっかり取り、「本心を話しても大丈夫」「本音も受け止めてくれる」と安心してもらえるよう努めましょう。
ミャンマー人に限らずですが、感情的に叱責するようなことは避けましょう。先述したとおり、ミャンマー人は「感情は自分で管理すべき」とされているため、温厚な人が多いという特徴があります。
そのため、僧侶や教師、両親以外の人に𠮟られた経験がない人が多いのです。職場で上司や同僚から強い叱責を受けると、大変なショックを受けてそのまま辞めてしまう可能性もあります。
また、人前で怒られるとプライドが傷つき、注意した内容が改善されるどころかモチベーションの低下に繋がるでしょう。
何か指摘しなくてはならないときは、個室に入り落ち着いた口調で伝える必要があります。軽く注意したつもりでもミャンマー人の感覚からすると「怒られた」と感じるケースもあるので、表現には十分注意が必要です。
ミャンマー人のなかには「はい、はい」と返事を連呼してしまう人がいます。また、話の内容を理解していなくても、反射的に「はい」と返事をする人も多いようです。これは、ミャンマー人は「はい」と返事をするのが礼儀正しいことだと考えているからだといわれています。
「はい」を連呼したり分かっていなくても返事をしたりすると、相手を不愉快にさせトラブルに繋がる可能性が高いでしょう。
「返事は1回だけする」「分かったときだけはいと言う」の2点を、早い段階で指導しておく必要があります。
知識なく情勢や政治の話を不用意にするのは避け、ミャンマー人の心情に配慮しましょう。
ミャンマーでは、2021年2月1日に軍事クーデターが起きてから情勢不安が続いています。自分や家族、友人がひどい目にあったという人もいるのです。多くのミャンマー人は軍事クーデターに反対で、海外で就労しているミャンマー人は特にその傾向が強いといわれています。
その国で生まれ育った国民にしか分からない考えや思いがあるので、興味本位で情勢について聞くことや、自分の意見を押し付けてミャンマー人の心をさらに傷付けるのは避けましょう。
ただミャンマー人の悲しみや憤りに寄り添い、できる限りのサポートをする姿勢が求められます。
外国人を雇用する際は、宗教上の祝日に帰国できるよう、長期休暇の取りやすい仕組み作りが大切です。遠く離れた外国で働いている人は、母国に帰り家族や友人に会える機会を非常に楽しみにしています。定期的に帰国のための休暇を取れるようにすると、モチベーション高く働いてもらえるでしょう。
なお、国内情勢が混乱し治安も不安定な状態なので、帰国はしない・できないというミャンマー人も増えています。
ミャンマーで主に信仰されている仏教に関する代表的な祝日は以下の3つです。
祭りの名前 |
内容 |
水かけ祭り |
・4月の13~16日 ・ミャンマーの正月にあたる日 ・神聖な水を掛け合って身を清める |
カソン満月 |
・5月の満月の日 ・ブッダが生まれ悟りを開いた日 ・菩提樹の根に水をかける |
ダディンジュ満月 |
・10月の満月の日 ・釈尊を天から迎えるため火を灯す |
特に水かけ祭りやダディンジュ満月の日は、家族と過ごすことを希望する人も多いようです。
外国人に対しては、長期休暇を取りたい場合は「△ヶ月前までに相談するように」と伝えておきましょう。そのうえで、本人に寄り添い、できる限り希望を叶える工夫が必要です。
ミャンマーでは、国内の情勢不安や景気低迷により海外に移住する人が増加しています。日本でも増加率1位となっており、今後も増加する可能性が高いでしょう。
ミャンマー人は日本人と情緒的に似ている部分が多く、日本企業に適応しやすい人材だといわれています。性格の特徴や仕事観を知り、雇用を前向きに検討してみましょう。